古賀及子のコメント
インターネットでよくいう「〇〇な状態にもう名前ついてるっけ」の名前を真顔でつけていくのはやっぱり良いんですよね。腐さず持ち上げもしない命名「あやかりハイツ」上手です。
命名に対する迷いのなさがまず入り口にあって、その先の第3位からも有無を言わさない書きっぷりが気持ちよかったです。
当然独断によるものなんですが、堂々と発表していて、内容はもちろんその態度にも可笑しみがありました。考えなくてもいいことをわざわざ検討して発表しているわけですから、戸惑いがあっては絶対ダメなわけで、そこをスカッとクリアしてます。
しかもその態度がカラ元気なんじゃなくて、ちゃんとしてるんですよね。評価の軸がきちっとしていて説得力があって読みごたえにつながってます。
その上で、こんなかんじで
>もしも自分が、下北沢でなにかダサい行いをしたら、遠くからNYXくんが「下北沢の名に傷がつくだろ!」と、謎の立場で怒ってきそうなくらいだ。
急に建物が自分にポジショニングトーク(まさにポジション)してくるような頭をつかった冗談も入っていて大満足です。
>京王線代田橋駅の近くに住みながら「笹塚在住」を名乗っている筆者としては、この建物のほうが自分よりよほど誠実ではないのか
急にまっとうに自省する感覚が入ってくるのも信頼できました。
ただ、いまのままだと家から出ずに書けちゃうところがあって身体性があまり感じられないのが残念でした。ちゃんと4つのマンションそれぞれに足を運び写真を撮ってきてるんですよね、撮影のためはしごして、実物を見た生のレポートがからんでくるとストーリー性が出て記事の奥行きが増すはずです。