自由ポータルZ 2019年11月8日

どんぐりデンプンでタピオカ・視線スイッチ・大正区の渡し船ぜんぶ乗る~自由ポータルZ

石川です。古賀さんが先週の記事で干し肉を買い集めたので、編集部はいま干し肉食べ放題です。今週は全員で干し肉を食べながら編集会議をしました。

いわゆる「残った〇〇はスタッフがおいしくいただきました」パターンです。あれを見ると撮影直後にみんなでむしゃむしゃ食べてる絵を想像してしまいますが、実際には会議中や仕事中にちびちび消費しているんですね。日持ちのする食品の食べ比べは、おやつが残ってうれしいです。

では今週の自由ポータルです!

自由ポータルZは毎週金曜日に更新の記事投稿コーナーです。読者の方が執筆した記事をご紹介しています。

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【入選】マテバシイのどんぐりデンプンでタピオカを作ってみた

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[投稿者]トモさん (東京でとって食べる生活
[コメント]巷で流行のタピオカを、縄文時代から食べられているどんぐりのデンプンから作ってみました。

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古賀及子のコメント

テーマがすごくキャッチ―で間口が広いですねーー! 基本的にはその気持ちのままぐいぐい読み進められるのですが、ふと前段で語られる動機が

> 日本人たるもの、海外からやってきた熱帯植物のデンプンではなく、古来から食してきた里山どんぐりのデンプンでタピオカを作ったほうが口に合うのではなかろうか。

なのが笑いました。古来の古がガチ! 生粋のとって食う人の発想ですよね。こういう個人的な思いがキャッチ―な企画に結びついてるの、すごくいいですよね。

ネットの記事で「やってみた」はすごくオーソドックスな切り口です。で、このやってみたには種類があって、「うっかりうやってみた」と「ちゃんとやってみた」があると思うんです。

前者は丸腰の素人が試行錯誤をレポートするパターン。後者は手練れが手腕を発揮して挑戦するパターンで、トモさんは圧倒的に後者なんですが、語り口が偉ぶらずに優しくてわかりやすいのが持ち味ですよね。

苦労のくだりもさっと解決させていて、全体的に明るくて読みやすかったです。

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石川大樹のコメント

「いやー、日ごろ食べているものも自作するとこんなに手間がかかるんだなー」と一瞬思いかけて「いや俺が飲んでるタピオカはこれじゃない!」と我に返る記事でした。
というのも、本来の材料と違うもので作っているので相当トリッキーな企画なんですが、前半部でフィーチャーされているのはデンプンからタピオカを作ることの苦労なんですよね。読んでて一瞬どんぐりからタピオカを作る異常性を忘れてしまうので、それを思い出すような余談とか、冗談を入れるといいかもと思いました。
といいつつ、最終的にはマテ茶との組み合わせでしっかりどんぐりを回収しているので良かったと思います!
あとは写真がぜんぶ接写で圧迫感があるので、もうちょっと作業風景とかを遠景で写すと風通しが良くなっていいかなと思いました。

 

【もう一息】見るだけで押せる「視線スイッチ」

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[投稿者]じゃがいもさん (Smart Home
[コメント]「使う時にしか見ないモノ」を「見るだけで使える」ようにする「視線スイッチ」を作ってみました。

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石川大樹のコメント

面白いですね!対人間だとアイコンタクトで何かを伝えられることもありますが、それがデバイス相手にできると思うと夢が広がります。
技術解説としては必要十分だと思うのですが、読み物記事としてはさらに、読者にワクワクさせる展開があるとよいかなと思いました。
まず今あるものの動作を見せるために動画を入れたほうがよさそうです。くわえて、この技術を「何に使うか」が読み物記事の面白いところなので、例えば見ようとするとチャンネル変えてくる嫌がらせみたいなテレビを作るとか、見てない間だけいたずらするペット風のロボットを作るとか、何か具体的な作例があるといいと思いました。
技術解説記事では「この技術を何に使うか」はむしろ読み手が考えるべきことだと思いますが、読み物記事では自分が使って「こんな面白いことができます」を見せるのが大事です!

 

【もう一息】大正区の渡し船ぜんぶ乗る

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[投稿者]なべとびすこさん (サンポー
[コメント]大阪市大正区の渡し船を、自転車でぜんぶ乗る企画です。渡船場ごとに微妙に特色があって楽しかったです。

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林雄司のコメント

大阪の渡し船ってたまにブログなどで読んで憧れてます。
「!」を後から追記している注意書きとか、ちょっとしたコネタも拾えてますし、地図も分かりやすいです。グーグルマップって余計な情報が入るからわかりにくいんですよね。

ただ不思議なのは船からの写真がないこと。
いまほかの渡し船の乗船ブログを探したらどうも撮影禁止らしいですね。なるほど…、であればそれを書くと読む人の混乱が減ると思います。

あとは説明書きの文章に引っ張られているのでもうちょっと音とか匂いとか個人のエモーショナルなところを入れるといいと思います。

テーマはいっこ、結論もいっこ、あとの文章は役割を意識

記事を書き始めると、あれも書こうこれも書こうってなっちゃって、とっちらかっちゃう人はいませんか?
そんな時に意識したいのは「文章の役割」です。

例えば今回のトモさんの記事だったら、テーマは「タピオカをどんぐりから作る」、結論は「できた」です。
で、その間にドングリを剥いたり、デンプンを乾燥させたり…というプロセスがある。
これが記事のコア。で、これだけだと足りないので追加でいろいろ書くのですが、そのとき意識したいのが、追加で書く文章の役割です。
まず冒頭の「タピオカ流行ってますよね?」みたいなのは、テーマの背景です。マテバシイがなんであるか、といった話はテーマやプロセスに対する「説明」ですよね。「なんか違うものができてしまう!」のあたりはプロセスの「感想」でしょうか。最後のマテ茶のくだりは余談というか、おまけです。

ポイントとしては、これらの背景とか説明とか、感想とかは、ぜんぶ、テーマか結論かプロセスに対する説明なんですよね。余談にいたっても、結論から派生した余談です。記事中の文章はぜんぶ、いっこのテーマ+いっこの結論にくっついてるんです。

これをちゃんと意識しないと、とっ散らかって、結局何だったの?みたいな原稿になりがちです。
記事を書くときはまずテーマと結論をいっこずつ決める。その間にプロセス。その他の文は役割を意識して書いてみてください。ではまた次回!

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