特集 2018年6月11日

アーティチョークの少なすぎる可食部分を味わう

食べるところが少なすぎてかっこいい野菜、それがアーティチョーク。
食べるところが少なすぎてかっこいい野菜、それがアーティチョーク。
なんとなく名前は聞いたことがあるけれど、今まで食べたことのなかったアーティチョークという野菜。味云々よりも食べるところがとにかく少ないという噂をよく聞く、謎多き食材だ。

たまたま直売所で買う機会があったので試してみたのだが、これが想像以上の歩留まりの悪さだった。でもきっと、また買うと思うんだ。
趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。

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三浦半島でアーティチョークを購入した

場所は5月中旬の三浦半島。うっかり大物を逃がしてしまった釣りの帰り、同行の友人が農家の直売所でアーティチョークを買っていこうと提案してきた。

大根やキャベツじゃなくて、唐突にアーティチョーク。パーティピーポみたいな名前だが、なんでも昨年たまたま購入して、とても気に入ったらしい。
いちや……じゃないな、やさい高梨農園。
いちや……じゃないな、やさい髙梨農園。
アーティーチョークね。あー、はいはい。噂のあれね。

とかいって、どんなものだったか漠然としていたのだが、実物を見て目を見開いた。
ずいぶんと攻撃してきそうな植物だな。
ずいぶんと攻撃してきそうな植物だな。
アーティーチョーク、そういえばこんな形だった気もするが、ぼんやりと思っていたイメージよりもずっと存在感が強い。もう植物というよりも怪獣だ。

一つ350円という値段だが、これが安いんだか高いんだか、全く分からない。食べ物としての価値は謎だが、造形物としては安い気がする。
持ち上げたら二股に分かれていた。より怪獣っぽいぞ。
持ち上げたら二股に分かれていた。より怪獣っぽいぞ。
ここまで外観から食べ方がわからず、味の想像ができない食材も久しぶりだ。ホヤ以来だろうか。

さっそく購入したところ、店番の元気なおばあちゃんから、茎の中も食べられるからねという謎のアドバイスと共に、食べ方の書かれたお手製のペーパーをいただいた。
つぼみが開きかけているからと50円まけてくれた。
つぼみが開きかけているからと50円まけてくれた。

アーティチョークとは何か

いただいたペーパーを読んでみると、アーティチョークはキク科チョウセンアザミ属の多年草で、国内で食用として作っている農家はごく僅かとのこと。食べられるのはガクの一部と花托らしいが、どこなんだそれは。

アザミといえば、近所の道端にも生えているあのトゲトゲした草のことか。確かに似ている気もするが、そのサイズ感がデカビタCとオロナミンC、いやもっと、ヒマワリとタンポポくらい違うぞ。
その辺に生えていたアザミ。これも食べられるのかな。
その辺に生えていたアザミ。これも食べられるのかな。
野生の植物を品種改良によって大きくし、より食べやすくするというのは人類の歴史ではよくあることだが、それにしてもよくここまで巨大化させたものだ。

Wikipediaによると、アーティチョークは地中海沿岸が原産地で、品種改良の歴史は古代ギリシャ・ローマ時代までさかのぼるとか。

1930年代のニューヨークではマフィアの資金源となっていたため、アーティチョーク禁止令が出たらしい。ドラッグ、アルコール、そしてアーティチョークか。
野生のアザミはものすごくトゲが鋭いので、食べるのは断念した。
野生のアザミはものすごくトゲが鋭いので、食べるのは断念した。
さてアーティチョークのつぼみが巨大なのは分かったが、では全体はどんな感じだろうと思っていたら、ちょうど昆虫学者の丸山宗利さんが、ご自身で育てているアーティチョークの写真をツイートされていた。
うわぁ。やっぱりこれは怪獣だ。2メートルを超えるアーティチョーク、なんだか未知の外国人レスラーみたいでかっこいい。

あのサイズのつぼみとなると、こうなるよねー。来年は私も育ててみようかな。
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