まず見た目が凄い
前もって言っておくと、私はラブホに詳しくない。
だから驚いた。町なかに堂々と、庭にヤシの木を生やしているラブホなんてあるのか! と。
通称チャペココこと「チャペルココナッツ」。ディズニーのホテルみたい。
最初に見た夜の光景はこんな感じ。ギョッとした。
ラブホって、もっとひっそり隠れてるものじゃなかっただろうか。。
しかしどうだ、チャペココは1Fがコンビニになっているマンションの真ん前に、堂々たる姿で妖艶な光を放っている。思わずコンビニで水を買いゴクリと喉を潤した。
一応車の目隠しはある。
567種類のメニューってどういうこと?
さて次に驚くのはこの看板だ。この看板を見つけた瞬間、取材せねばと思ったのだ。ラブホに24時間シェフがいるだって? しかも567種類のメニューって。
おいしそうだ
もちろん取材交渉に行くには勇気が要った。だってラブホだぞ。人目を気にして恥じらいながら入るカップルたちの秘密の花園だぞ。スタッフに怪訝な顔されて拒否されるに違いない。
だがここは福岡。なかなか来れない地であるし、好奇心にはあらがえない。
取材はあっさりOK。拍子抜け。
フロントがある!
チャペココには普通のホテルと同じようにフロントがあるのも驚いた。フツーにカップルに遭遇してしまうのだ。ジーパンにでかいリュックをしょったラブホに似つかわしくない格好の自分が、なんだか申し訳なくて縮こまってしまう。
フロントはあるけど画面からも部屋が選べるようだ。
取材交渉が簡単に済み、翌日昼の13時から20時までのDAY USEというお得な時間帯を予約した(休日の一番安い部屋タイプで約5000円)。帰りの飛行機があるから実際は5時間の滞在だ。さあさあ、堪能するぞー!
まずは改めて、ホテルの外観から紹介しよう。
まず駐車場から螺旋階段をあがっていくと岩が落ちてくる。(当たらない程度に)
で、2階部分へ。ジャングルみたいな中につり橋がかかっている。
夜だとこんな感じ。
リアル炎が灯っていて、その先にはチャペルがある。
夏に活躍しそうな屋根と椅子。他にバーカウンターみたいなところもある。
その下は滝が落ち、たくさんの鳥たちが。南国だ。いま真冬だけどここだけは南国だ!
そしてピンク色に染まるチャペココ
一人だからかもしれないが、いやらしい気持ちはゼロ。単純に面白い。普通のカップルにおいてはラブホに行ったら目的は一つのところ、ここにはエンターテインメントがたくさんあるようだ。
さあさあ、いよいよ内部へ潜入!
チャペココはテーマパーク
もはやラブホに来ているというよりは、テーマパークに来ているような感覚。ワクワクしながら部屋にむかった。
行き専用エレベーターで部屋に向かう。
トロピカルカラーのフロア
吹き抜けには鳥
部屋で記念撮影
部屋もさぞやトロピカルなのだろうと思って入ったら、意外とシックだった(部屋によるのだろうけど)。まずは三脚を立てて記念撮影をした。
福岡の人たちが皆知っている有名な地にやってきたのだ、記念に残さねばならない。
部屋とガウンと私。
その後、目に飛び込んできたスロットマシーンをやった。1回100円で3度だけ回せるのだが、やたらと「漢気」マークが並び数分楽しめた。さすがエンターテインメント性が高いチャペココだ!
と、この時は純粋な気持ちで楽しんだのだが、後で色んな人に「ラブホにはたいがいスロットが置かれている」「そして誰もやらない」と聞いた。勉強になった。(
なぜ置かれてるかはこちらが詳しい)
ラブホにスロットマシンはよくあるらしい。が、やる人はほぼいない。(ここにいたけど)
チャペココはとにかくアイテムが多い!
トイレは普通だったが、洗面所のアメニティが豊富なのはすごかった。化粧水や整髪料が並ぶのはあるあるかもしれないが、ドライヤー2種類とヘアアイロンも備わっている所はあまり無いんじゃないだろうか。
この日は雨で髪が跳ねていたのでヘアアイロンがあるのは地味に嬉しい。
「なんだその程度か」と思っただろうか。チャペココの凄さはここからである。
部屋に置かれた案内を開いてみよう。
快適すぎるアイテムラインナップ
最初はまあ分かるけど徐々に笑えてくる程のラインナップ。コンタクト保存液やベープ、アルコールチェッカーまであるぞ。
靴乾燥機からプラネタリウムまで! (ちなみに枕は12種類)
バランスボールに囲碁って、ラブホらしからぬ過ぎる。ちょっとまって、絵本まであるよ!
はっきり言ってラブホどころかホテル全体を見てもこんなにアイテムが充実した所は無いんじゃないだろうか。こりゃあ快適な時間を過ごせるわ!
実は女子会や子供連れにも人気
そう、実はチャペココはその快適さからなのかラブホにもかかわらず女子会(3人まで)や子供連れ、海外旅行客たちからも利用されているそうだ。だから絵本やおもちゃが充実しているのか。
一度体験してみたかったナイトスチーマー
一人でも楽しい黒ひげ危機一髪
私は靴が濡れていたので靴乾燥機が欲しかったのだけど、先約がいた。さすがに複数置かれているわけではなく、早いもの勝ちなのである。(絵本などは数冊あるようだ)
そして先ほどから私が着用しているように、コスチュームも借りられる。なんと100種類だ!
100種類もあると選ぶのが楽しい。が、ポリスとスッチーは貸し出し中だった。
私はいつもならコスプレが鳥肌が立つくらい嫌なのだけど、今回ばかりは着たくなった。それは一人だからというのもあるし、なんかとても楽しい気分だからだ。チャペココマジックである。
2着まで。畳んだものが部屋に届く。
とはいえ、ヘソ出しのセクシーものが多くて悩んだ。悩んだ末の「30番 本物ナース」である。本物のナースってこんなにピンクだっただろうか。
ちなみにここには載せるのが憚られるようなグッズのラインナップもすごかった(そっちは販売用)。
共通して言えるのは、「選ぶ楽しさ」が半端ないということだ。
料理もたくさん!
さあさあ、お次は気になっていた「シェフによる567種類のメニュー」である。ほんとだ、ほんとに多いよ~
オムライスですでに540通り
実際にものすごくメニューが多いのだが、ちょっとしたカラクリもあった。オムライスのごはんの種類、卵の量、ソースの種類などがバリエーションが豊富で、これだけでかけ合わせたら540種類にもなってしまうのだ。
だが、オムライス抜きで数えても350種類くらいあった。「567種類」と看板に出ていたのは語呂が良いからかもしれない。
せっかくなのでオムライスをオーダー。中はチーズリゾット、ご飯は小盛(30円引き)、卵は2個、かぶせタイプのトリュフソースにした。
デザートも豊富!
クオリティ高いよなあ。
カラオケBOXとかで出てくる冷凍ピザとか焼きそばとは比較にならないラインナップである。このメニューを見る限り、ファミレスである。しかも割と高級志向のファミレスのクオリティを感じさせるメニューだ。
写真そのままのものがきた! ワインにすれば良かったかな
シェフが作った料理が運ばれてきた。と言ってもテーブルに並ぶのではなく玄関で受け取る仕組みだ。
メニューの写真よりも本物が劣ることはよくあることだが、まんま、美味しそうな料理である。丸太に肉が乗ってるぞー!
収穫祭のプロシェット3種盛り990円。紅茶鴨にハーブと骨付きソーセージに厚ベーコン。安いなおい。
これで620円! どれもすごく美味しいのに安い。不思議だ
通常、ホテルの食事は割高なイメージであるが、ここはファミレスの値段設定によく似ている。でも味はお値段以上だと断言できるほど美味しい。最高じゃないか。
いちごのタルト480円、ホットコーヒー200円。
大満足です!
ゲームもあるし
カラオケDAMもあるし
競馬予想もある!
生放送のDJイベント
チャペココでは豪華賞品が当たるビンゴ大会(クリスマスイベントでは任天堂スイッチが当たった人も)や、競馬予想ゲームがライブで楽しめる。
無料だし、ちょうど競馬予想タイムだったので参戦することにした。
1着2着の馬を予想したら、自分のニックネームと共にDJブースにいる司会者に電話で伝える。
締切時間がきたらレーススタート。本物の馬ではなく競馬ゲームだ。ただ、司会者が臨場感たっぷりに実況してくれるので楽しい。
ドリンクが当たった!
3回目に見事1着2着を当てることができた。すると司会者が画面越しで「丸子さんおめでとうございます! お茶かお菓子どちらがいいですか?」と声をかけてくれた。その声が他の部屋にいるカップルの参加者にも届いていると思うと、ちょっとした一体感があって面白い。
冷蔵庫から好きな飲み物を2本取って良いと言われた。2本ももらっていいの?! と驚いたけど、普通はカップルだからか。ビールもあるぞ。
いやーほんとに楽しいなあ。福岡にきたら毎回泊まりたくなっちゃう。
チャペココ温泉で締める
色々堪能していたら、残り時間はわずかになってしまった。特にカラオケを1時間以上やってしまった。もっとやりたい。もっとこの部屋にいたい。美味しいものから何から、大人が好きなものが詰まったチャペココから離れたくないのだ。
バブルバスも堪能。泡で隠れているがオレンジも浮かせている。
アルカリ性単純温泉とはお肌に優しい「美肌の湯」と言われているやつだ。
名残惜しいが、色んな欲望を満たしてスッキリとした気分で部屋を出た。最後は帰り専用エレベーターで降り、自動精算機を経て最初のロビーに戻る。
取材をOKしたくれた方に挨拶をすると、ロビー階もぜひ見てください、と案内してくれた。
右や奥はフリースペース、左はカウンターバーになっている。DJをしていた司会の方がバーテンになり、楽しい話をしてくれるらしい。
先ほど部屋のモニターで見ていたDJブースもあった。
ミニコンビニも
宿泊者は外出もOKなので外に買い出しに行くこともできるが、簡単なものならここで買える。
オリジナルコンビニ「COCO STORE」。
ツマミやお菓子がたくさん並んでいる。が、やはり私はシェフが作る料理やデザートをお薦めしたい。
スタッフの方も「うちは料理に特に力を入れています」と自信をもって言っていた。力を入れる方向が美味しさだけでなく種類の豊富さにまで及んじゃっている所に敬意を表したい。
気になっていたブティックコーナー。
香水から望遠鏡から腕時計などいろいろある。
ブティックコーナーには、どんな人でもひとつくらい「あ、これほしいな」と思うようなものが展示されている。よく見ると商品の隣には商品の金額のほかにもう2種類の数字が書かれたカードが置かれていた。
これは、チャペココを利用することでたまるポイント、もしくは部屋に設置されていたあのスロットマシンでたまったコインと交換できる数字である。
任天堂スイッチはスロットの72コインで交換できる。(現金と利用ポイントは不可商品)
東京に帰ってから「スロットはラブホによくあるが、誰もやらないもの」と色んな人に聞いた。が、チャペココではスロットをやりたくなる仕掛けがあるのだ。
もしかしたらチャペココだけは例外的で、みんな部屋でスロットを回しているのかもしれない。
オープンな花園、チャペココ
滞在5時間が本当にあっという間に感じられたチャペココ体験だった。しかも後で福岡の友達に聞いた話によると、チャペココの近くには昔ながらの屋台が並んでいたり、「元祖長浜屋」という有名な博多ラーメンの老舗があるそうで、立地も良さそうだ。
そして余談になるが、この記事を書くにあたり確認の電話をしたところ、取材対応してくれた方とは別のスタッフに「こないだの福岡記事読みました!」と喜びの声をいただいた。どうやら皆で楽しみにしてくれていたらしい。なんか、色々な意味でラブホの概念が覆された旅だった。
部屋に置いてあったチャペココオリジナルマグカップ。欲しい!