タバチューパーティー、開始!
2月とはいえよく晴れた、ポカポカ陽気の休日。
「タバチューパーティー」専用の道具一式を持って、家のすぐ近所の公園へとやって来ました。
専用の道具といっても、タバチューパーティーなんて本当はないので、すべて僕が勝手に考えたものですが。
タバチューパーティー一式
奥はタバチュー用の素材たちですね。
タバスコ(および類似ソース)8種類に、特別枠の「コーレーグースー」1本。
キンミヤ焼酎、炭酸水、ロックアイス。
グラスは、味が混ざってしまうと正確な判断ができないのと、いちいちすすぐのがめんどうなので、プラカップを用意しました。
手前は、まさかの生牡蠣。
生で食べられるやつをたっぷりと用意。
家が近いんで、冷蔵庫から出してすぐのものですし、心配はご無用です。
なぜこんなに生牡蠣を用意したかって、そもそもタバスコって、「生牡蠣を美味しく食べるために開発された」って説がありますよね。
今回の主題は「タバチュー飲み比べ」なんですが、加えて、タバスコが本来の使い方をした時の、それぞれの実力も把握しておきたい。
そこで、
このように
生牡蠣にシプルにタバスコのみをかけて味わう「オイスター法」と呼ばれる方法で確認しておこうというわけ。
あ、「オイスター法と呼ばれる」とか言いましたが、これも呼んでるのは僕だけなのでご注意ください。
タバチュー飲み比べのルール
まずは普段通りにチューハイを作ります。
今日は最低9杯は飲まなければいけないので、あんまりガブガブやってるとすぐ酔っぱらっちゃうだろうしということで、小さめのカップを用意しました。
ここに、適当に氷を入れて、
だいたい焼酎:炭酸水が4:6くらいかな~?
すいません、そもそもが酒飲み企画ですし、あんまり正確な比率とかは求めないでください。
そこに、瓶の口の形状にもよりますが(ドボっと出るのもある)、
サッサッサッとタバスコを10ふりくらいして、軽くステアしたら完成
今回はそれを、下記4項目につき、最大★5つで評価していきたいと思います!
あくまで個人的な好みであり、純粋な「美味しさ」というわけではないのであしからず。
・辛 さ →辛さです
・好み度 →個人的にどのくらい好きか
・特 徴 →他と比べて際立った特徴があるか
・本 来 →オイスター法による本来用途での好み
ではでは、飲み比べスタート~。
「島スコ ピパーツ」
・辛 さ ★★☆☆☆
・好み度 ★★★☆☆
・特 徴 ★★★☆☆
・本 来 ★★★★☆
僕がタバチューの可能性に目覚めたきっかけがこの「島スコ」。
「ピパーツ」とは「ヒハツモドキ」という植物のことで、沖縄の八重山諸島では「島胡椒」として地元民に愛される調味料だそう。
実際よく見ると、胡椒のような黒い粉が瓶の底に沈んでいます。
本来用途で食べてみると、これがうまい!
生牡蠣の中の一要素である清涼感がぐっと引き出され、南国の風を感じます。
ピパーツの他は、島唐辛子やシークワーサーなどを原料としており、柑橘系の爽やかな刺激がチューハイにもなかなか合う。
が、肝心のピパーツだけがちょっと慣れない味で、自分の中でなじむのにはまだ時間がかかりそうな感じがしました。
「タバスコ ペッパーソース」
・辛 さ ★★★☆☆
・好み度 ★★★★☆
・特 徴 ★★★☆☆
・本 来 ★★★★☆
基本に戻ってこちらから。
まずは生牡蠣と合わせてみると、納得のベストマッチ!
そりゃあ定番化するわっていう、もう僕からは何もアドバイスしてあげられることはないバランスの良さです。
チューハイに入れてみると、思いのほか嫌味がなくて飲みやすい。
けっこうな刺激はあるんですが、それが逆にアルコール感をライトな方面に持っていってくれるようで、普通におすすめできますね。
「タバスコ ハラペーニョソース」
・辛 さ ★★☆☆☆
・好み度 ★★★★☆
・特 徴 ★★★☆☆
・本 来 ★★★★☆
よく見るこの緑バージョンと赤バージョンの違いをそもそも知らなかったんですが、こちらは青唐辛子が主な原料で、辛さは赤の1/5だそうです。
へーあんまり辛くないんだー。
そう思って牡蠣と合わせてみると、辛味ではなく酸味やフレッシュさをより感じ、本当だ、ぜんぜん違う調味料だこりゃ。
チューハイで飲んでみても驚くような刺激はなく、ちょっと優等生的とすら。
まるでライムサワーのような味わいでもあるので「チリライム」とかいうカクテルとして出したら、間違って流行ったりしないでしょうか?
「マリーシャープス ハバネロソース ホット」
・辛 さ ★★★★☆
・好み度 ★★★★☆
・特 徴 ★★★★☆
・本 来 ★★★★★
これ、実は我が家の大定番ホットソース。
ソース自体に旨味がたっぷりで、パパッと簡単に塩コショウで炒めた肉なんかにふりかけるだけで、一段階上の味になります。
生牡蠣なんかにかけちゃった日には……う、うめ~! 旨味がすごい! 相乗効果!
チューハイで飲んでみると、原料にニンニクまで入ったこの力強さが逆効果になるかと思いきや、ぜんぜんイケる!
こういうカクテルとして成り立ってる感じ。
「クラマト」っていう、ハマグリエキスや香辛料の入ったトマトジュースがあって、それはカクテルの原料としても一般的ですが、そういう方向性のものととらえると、かなりありなんじゃないでしょうか。
ということはつまり、「トマトハイ」や「レッドアイ」なんかにたらしても美味しくなりそう!
「マリーシャープス ハバネロソース トマト ファイアリー ホット」
・辛 さ ★★★★☆
・好み度 ★★★★★
・特 徴 ★★★★☆
・本 来 ★★★★★
マリーシャープスは上のオーソドックスばかりだったので、辛そうなのを試してみました。
スキッとシャープな辛味は、オーソドックスなものと方向性が違って、どちらが辛いと比べるのが難しい感じ。
が、両方捨てがたいほどにうまいソースであることは間違いありません。
チューハイにたらすと辛味は若干穏やかになり、しかしキリッとした印象はそのままなので、「酒用」と考えるならこちらの法がおすすめかもしません。
トマトフレーバーも加わってるし。
「レモスコ」
・辛 さ ★★☆☆☆
・好み度 ★★★★☆
・特 徴 ★★★☆☆
・本 来 ★★★★☆
広島のこれとか、福岡の「ユズスコ」とか、一時期を境に居酒屋なんかでもめちゃくちゃ見るようになりましたよね。
大将が「これ、知ってる?」なんつって自慢げに聞いてくる。
で、実際うまい。
牡蠣にかけて食べてみると、華やかな酸味に思わず顔がほころぶ、「クラスの人気者」って感じの存在感。
そもそも原材料が、レモン、酢、青唐辛子、塩、で、無着色無香料保存料なしの調味料なので、チューハイに合わないわけがない!
ピリリとした辛味と苦味が大人の味で、普通に食べるほど華やかさを感じず、「酒に合わせました」ってな臨機応変さにもおそれいりました。
っていうかこのカクテル、広島のバーとかにもうありそう。
「スパイシーしょうゆ」
・辛 さ ★☆☆☆☆
・好み度 ★☆☆☆☆
・特 徴 ★★★★★
・本 来 ★★★☆☆
これにはびっくり。
「こんなのあるんだー!」と興奮してよく見もせずに買ったのが悪いんですが、「醤油風味のタバスコ」ではなく「タバスコ風味の醤油」。
しかも、限りな~く純粋なたまり醤油に近く、せめてもう少しタバスコ感があってほしかった。
いや、そういうものだと知って使う分には良いので、あくまで自分の責任です。
というわけで、チューハイにたらすと、飲み会でちょっと席を外した隙に友達が悪ふざけで醤油を入れたチューハイ、の味。
食べ物で遊んだ僕が悪いんですが、飲みきるのきつかったっす。
見た目は一番きれいなんすけどね。
読者のみなさん、スパイシーしょうゆをチューハイに入れるのはやめよう!
「コーレーグースー」(特別ゲスト)
・辛 さ ★★★★★
・好み度 ★★★★☆
・特 徴 ★★★★★
・本 来 -----
これをタバスコやホットソースの類としてまとめるのは無理があると思いつつ、「島唐辛子を泡盛に漬けただけ」、つまり、「辛い液体」の中で最も酒に近いということで、特別に。
まず、そのまま牡蠣にかけたんでは味もへったくれもなく、さっきのスパイシーしょうゆをちょいプラスでめちゃくちゃ美味しくなったので、純粋にオイスター法で見た時の点数はノーカウントとさせてください。
タバチューならぬ「コーレーグーチュー」にした時の相性ですが、いつも飲んでいるプレーンなものと比べてものすごく深みが出て、ぜんぜん違うんだけど「ブランデー?」って言葉がよぎるような、複雑な味わいになります。
うまい。
ただし、辛い! 辛すぎ!
コーレーグースーってこんなに辛いもんだったっけ? ってボトルを見て驚いたんですが、賞味期限が豪快に2年ほど過ぎてました。
原料が原料なんで、古酒みたいなもんで問題はないだろうけど、唐辛子の辛味が究極に出きった状態なんだろうなぁ。
「ブレアーズ サドンデスソース・ジョロキア」
・辛 さ ★★★★★(×100くらい)
・好み度 ★☆☆☆☆
・特 徴 ★★★★★
・本 来 ★☆☆☆☆
「ギネスブックで世界一辛い唐辛子と認定された「ブートジョロキア」を主原料として製造されました」だそうで、これはね、ダメ、NG。
こんなものだけで生牡蠣を食おうなんて、常人の考えることじゃないです。
チューハイに注ぐと、シュワー! じゃなくて、なんかブクブクブクブクと不穏な泡が……。
意を決して一口含んでみますと、かっらい! & 急にくしゃみが止まらない!
そもそも実はさっきから、辛さの蓄積で口の中がめちゃくちゃ痛いし、たまに対策として氷をほおばったりしてたのも悪く、それに加えて、調子に乗って薄着で来たからか、日が暮れ始めて急激に寒い! 激寒!
手足はかじかみ、体はガクガクガクガク震え、くしゃみと鼻水は止まらないし、あと実は、とっくにめちゃくちゃ泥酔してる! ダメだこりゃ、撤収撤収~!
ここからは余談です
僕からの結論としては、「タバチューは案外イケるけど、ガブガブは飲まない法がいい」ってところでしょうか。
飲み会なんかでちょっと気分を変えたい時とか、「実はこれ、割とうまいんだよ」なんつって友達と盛り上がるとか、そういう方向がいいんではないかと思いました。
ところで今回、企画として好き勝手に辛い酒を量産してみたわけですが、世の中には、唐辛子を使った「金魚」ってカクテルがあったり、ウイスキーに唐辛子を漬けてピリッと辛いハイボールを出しているお店があったりと、けっこう「辛い酒需要」ってのがあるんですよね。
そこで、「市販品ですでに辛いお酒ってないのかしら?」と思って調べてみると、青唐辛子(ハラペーニョ)がまるまる1本瓶に入った、メキシコ産の「チリビール」ってのがあるみたい。
ちゃんと作られた辛い酒の実力やいかに?
出しているお店を見つけたので、ちょっと飲みにいってみました。
大久保にある「ミラン」というインド・ネパール料理屋さん
さっそく「チリビール」とご対面!
入ってますね、ハラペーニョ
注ぐとするっとグラスへ
どのくらい辛いもんか、おそるおそる一口飲んでみますと、これがうまい!
ベースはクセのないすっきりとしたビールなんですが、まず唐辛子の青い香りが広がり、じんわりと口内を刺激する辛味の余韻がなんとも心地いい。
プロがちゃんと作った辛い酒、最高だな~!
で、さらに余談の余談になりますが、そもそもこの「ミラン」自体がめちゃくちゃいいお店!
本場の方がやってるんだけど、日本のお酒やつまみもいろいろ取り入れて、どんどん「飲める化」してるエスニック、最近増えてますが、ここもそれです。
「レタスチキンサラダ」(600円)
全然エスニックじゃなくて、もろ和風の味付けなんだけど、鶏と野菜がモリモリ食べられて、体が元気になる味!
「野菜パコラ」(400円)
こちら、スパイシーな衣でぽってりと揚げた、ナス、ピーマン、ジャガイモ。
ふわっふわのほっくほくで美味しすぎる~!
おっとすいません、最後は悪い癖で普通の居酒屋レポートみたいになり始めてしまいましたが、とにかく辛い酒には可能性を感じたので、これからも追求していけたらと思います。
今考えてるのは、チリビールがあるなら「チリホッピー」もいいんじゃないか? ということで、こんど唐辛子のキンミヤ焼酎漬けを仕込んで、それでホッピーを割ってやろうかと。