不用品の交換ガチャをやりました
「いらないもの持ってきてください!」といってもただ持ってきてもらったわけではない。
当サイトが誇るいらないものの永久交換マシンである「いらないものガチャ」を実施したのだ。
「いらないものガチャ」とは、巨大ガチャを介していらないものが永久に人の間を回り続ける仕組み!
こちらがそのいらないものガチャ、3メートルあります
前に立っているのは当サイト編集部員の橋田。へんな服は彼女の趣味ではなく、「ガチャマスター」の証である。
いらないものといっても、ゴミはガチャには入れられない(当たった誰かが持って帰らなくちゃいけないから)。持ってきてもらったものがゴミかゴミでないかを判別するのが「ガチャマスター」の仕事だ。ゴミかゴミでないかを判別するというやってること事体は謎の仕事のため、権威を感じさせるためにキラキラした服を着ているのである。
カプセルは直径20センチ(このサイズに入りきらないものは目録を入れる)
申し送れましたが「CROSS2017」は横浜の大さん橋ホールで行われました(写真奥がホール入り口)
中もかっこいいぞ! 写真メインステージの後ろでガチャは稼動しておりました
一切分からないという興奮
さて、今回事前の告知では
「もう使わなくなったハードにソフト、教則本やガジェット類、メディア、歴史を感じるサービスのノベルティなど思い入れはあるけどもういらないものをぜひお持ちよりください」
というふうにアナウンスしてある。
どういうものが来たか。早速ざっぱーっと見ていこう。
(古い)CPU!
(古い)GPU!
(古い)光ファイバーとトランシーバ!
(古い)WiFi AP!
(古い)ヒートシンクがかっこいいグラフィックボード!
(古い)光スプリッタ!(業務用で買ったとき50万!)
(古い)コンソールサーバ!(もう私にはいよいよ何がなにやらだ…!)
……。
ここまで書いておいてなんだが私はコンピュータまわりのことに疎いのである。疎すぎて憧れが高じてこのような企画をついやってしまいがちなのだ(過去このCROSSで「
プログラム言語対抗綱引き」や「
古いメディア射的」などをやらせてもらっております)。
いや、正直もっと素人にもわかりやすいものが来るものと思っていたがなめていた。さすがプロの世界である。
現場では今回サポートとして待機してくださった日本UNIXユーザ会幹事の小山さんに何からなにまで解説いただいた次第だ。
これは古いな~とCPUを検分する小山さん。奥には同じくサポートについてくれたさくらインターネットの瀧本さんも。頼もしい!
素人でもはっとする興奮ポイントとしては、どれも3年~10年前にそこそこの値段を出して買ったものにもかかわらず現在はアキバのジャンク屋で投げ売られがちなものというところだろうか。
時間の流れの圧倒的な速さにしびれる。
私としては憧れのエンジニアのみなさんが丸くなって「あったあった笑」「懐かしいっすね~」「同じの使ってましたよ!」などと盛り上がっているのを隣でながめる最高のひとときであった。
個人的にたまんなかったのがこのキーボード! かっこいい!
もちろんエンジニアならずとも古さに親しめるグッズも多数寄せられた。
(古い)パソコン!
(古い)ノベルティ!(2000年くらいの)
FireWire!
おおっ! FireWireだ…! こういう古い規格のものに再会して興奮するというのは、歳をとっているからというだけで労せず体験できる数少ない感動だろう。
ちなみに上のDELLのパソコンにはこんな付箋が、さすが…(UbuntuというのはオープンソースのOSだそうです)
えっ!?「Oculus RiftのDK2ですか!?」
と、しばし談笑のひと時であったが、ある時間帯を向かえ会場の空気がとまった。
えっ!?「Oculus RiftのDK2ですか!?」
なんと高額のヘッドマウントディスプレイを「いらないもの」として持ってくる猛者があらわれたのだ。いいの!? 大丈夫なの!? あわてたが「めっちゃ酔ってしまって…」とのこと。
ありがたくガチャに投入しこれが完全に今回の台風の目となった。
Oculus Riftは脳波を読んで頭の上のネコ耳が動くカチューシャの「necomimi」を持ってきてくれた方が引きあてていきました
意外にも現役だけどいらない、というパターンはほかにも。次のページへ続きます。
現役だけど「いらない」というパターン
古くなったわけじゃないけど「いらない」というものはOculus Riftだけではなかった。
「光ファイバー…? あ、違う! フィラメントだ!」
フィラメント、あの3Dプリンタから出るあのやつである。「自分ところの3Dプリンタと相性悪かったんですよ」ということでの出品。
人として生きていくと相性の悪さで齟齬が起こることはままあるだろう。その未来版を見た思いである。
これがカプセルにぴったりなんだわ
ちなみにこのフィラメントを引き上てた方も最初「えっ? 光ファイバー?」というリアクションだった。本日2度目の「光ファイバー…? あ、違う! フィラメントだ!」である。
光ファイバーとフィラメント、えっ!? どっち!? という稀有な空間が創出できたことが誇らしい。
そして世界の広さよ
さらに、専門的すぎて分からないというわけではないのだが、ちょっと普通に生きていたら一生見られなさそうな物にも出会えた。
USBのケーブルなんだけど、LANになる(どゆこと!?)
リンゴとかバナナがキーボードになるおもちゃ(どゆこと!?!?)
マウス(形!? どゆこと!?!?)
サーバーレスの同人誌(へ~~っ!!)
同人誌はぜひ読みたいと思ったのだが、うっかりしている間にどなたかが引き当てていった。
表紙に「セキュリティ好きが伝える」と書いてある。セキュリティが趣味だという方が世の中にはいるのか(メジャーな趣味だったらすみません!)。
世界の奥深さはいらないものから見えてくる。
こちらはバーコードリーダー。なぜ!?
バーコードリーダーは理由を聞くと、自炊(所蔵本の電子データ化)が流行ったときに本のバーコードを読んで管理しようと思ったからとのこと。
その後電子書籍が普通に一般化したためそちらをそろえるようになってお役ごめんになったんだそう。理由を聞くと「なるほどな~」と思うものも多い。
ちなみに当たったときに「丁度よい」と絶賛されたのはノベルティのノート!こういう一般性がなかなか「いらないもの」にはないのだ
LOW TECH × HIGH TECH
エンジニアのいらないもの、きっと前時代のものが集まるんだろうなあ、ともくろんで企画した。
もくろみどおりだわい! わ~、懐かしい! というものも来たが、古いながらにゴリゴリに現役のものもあるようで「これまだ私は使ってますよ」なんていう声が上がったりするシーンもあったのが意外であった。
ノイズ対策のためにケーブルにかます「フェライトコア」はこの古いパッケージながら当日も会場で使っていたそうだ(イベント当日の2017/9/8は太陽フレアの影響で通信障害が心配されていたのだった)
で、これあとで気づいたのだが今回のこのイベント「エンジニアサポート CROSS 2017」のテーマが「LOW TECH × HIGH TECH」だったのだ。
運営スタッフのみんながエグザイルの映画(「HiGH&LOW」)みたいなかっこいいTシャツ着てんなと思っていたが…。
“単に時代の新旧に囚われる事のない技術の話題を交差させます。
“一見LOWと感じるテクノロジーでも、視点を変えればHIGHと捉えることができ、その価値が一変するような場面が数多く存在します。(
公式サイトより)
ということである。過去と未来の交差でまた価値が一変し新しくなる。今回の「エンジニアのいらないものガチャ」はイベントのテーマにささやかながらよりそってしまったのではないか(静かなるドヤ)。
参加くださったみなさま、ありがとうございました!
とはいえWide SCSIケーブルはやっぱりもう使わない気がする
ケーブルが血管を越える日
SCSIケーブルの勇姿を掲載したところで、やはり持ってきてもらったいらないもので一番多かったのはケーブルであった。
中盤は下手すると不要なケーブルを出品してガチャを引くと誰かの不要なケーブルが出てくるという寝ても寝ても見られない夢のような状況が続いたものだ。
体中の血管をつなげると地球2週半分の長さがあるとかよく言うだろう。エンジニアが生涯手にするケーブルがそれを超えてしまわないか心配である。
LANケーブル、アピールポイントは「折れない爪のやつです!」と。ほんとだ!