ヘジャンクッとは?
「ヘジャンクッ」のクッは、韓国語で「湯」つまりスープのことだ。へジャンは、漢字で書くと「解酲」または「解腸」と書く。酲は見慣れない文字だが「二日酔い・悪酔い」という意味の漢字らしい。
解腸と書くのも、腸の調子を整える。という意味だ。
二日酔いなどで、食事が摂れないようなときでも、スープと一緒なら食べられるだろう。体力が付きそうなものをスープと一緒に食べる。そういうときの食べ物らしい。
ソウルの光化門にあるヘジャンクッの専門店「チョンジンノッ」にやってきた。
元祖という文字……ほんとに元祖なのかどうかはききそびれた……
ヘジャンクッは、もともとお酒のおつまみとして飲み屋で出されるスープだったのが、戦後、二日酔いの酔いざましに効く料理として食べられるようになった。
もともと清進洞という町に、ヘジャンクッ通りというヘジャンクッを出す店が集まったところがあったらしいが、現在は再開発であまり店が残っていないという。
「ヘジャンクッ」徳サイズ12000ウォンというのもあるが、10000ウォンの普通のでじゅうぶんだ
牛の血の塊は韓国語で「ソンジ」と呼ばれており、このヘジャンクッはとくに「ソンジクッ」と呼ばれる。干しスケトウダラのスープはプゴク、もやしのスープはコンナムルクッといい、同じヘジャンクッでも具の種類により言い方が変わってくるようだ。
豆腐だ、赤い豆腐だ
さっそく1万ウォンのヘジャンクッを頼み、出てきたのがこちら。
つけ合わせのムウキムチ(大根のキムチ)、奥のネギはテーブル備え付けで、ヘジャンクッにザクザク入れていい
ホルモンがたっぷりはいっているにもかかわらず、そんなに脂が浮いてることもない。
一緒についてくるご飯、これはヘジャンクッの中にドバっと入れてもいいらしい。というか、入れて食べる人のほうがおおいのかもしれない。ぼくは別が良いので別で食べましたが。
さて、肝心の牛の血の塊はどこなのか、鍋の中をまさぐってみると……。
でた、これだ!
出たな牛の血の塊!
iPhoneじゃなくて、もうちょっと上等なカメラで写真撮ったらうまそうに撮れた
牛の血の塊はプルプルしており、食感は木綿豆腐とそんなにかわらない。見た目がレバーにそっくりだが、くさみがまったくなく、あっさりしていて、うまい。スープも辛くなく、牛骨スープの本当にやさしい味である。
普通に「赤豆腐のスープ」だといわれてもわからないと思う。赤豆腐ってなんだよって思うけど。
たしかに、血の塊なのかー……と、その出自を考え込んでしまうと、うまい・まずいの判断の前に脳が拒否する危険性がありそうだ。
しかし、あまり考え込まずにまず「かわった豆腐だな」とか「内蔵や血の滴るようなステーキ肉は食べられるのに、血は無理というのは理屈としておかしい」など、さまざまな自己暗示をかければ、そのうち本気で「うまいなこれ」と思えるようになる。
慣れである。
実際、ぼくはこれを平らげるまでに慣れてしまった。
ホルモンもたっぷりはいってる。普通に牛モツスープだ
牛の血の塊以外にも、ホルモン、そして、もやし、大根などの野菜もたっぷりはいっており、女性だと全部食べきるのが難しいかもしれない。
食べ終わったら、滋養がついたなーという実感はものすごくする。ただの満腹感かもしれないけれど。