特集 2017年4月18日

ユンケルのお茶炭酸割りはカンパリソーダです

プリンに醤油でウニ、ユンケルにお茶と炭酸でカンパリソーダ。
プリンに醤油でウニ、ユンケルにお茶と炭酸でカンパリソーダ。
栄養ドリンクをキュッと一口で飲んでしまうのはもったいないしなんだか怖い。
酒のようにちびちびだらだら飲んでみてはどうだろうか。
最悪元気は出なくても構わないので。
1987年東京出身。会社員。ハンバーグやカレーやチキンライスなどが好物なので、舌が子供すぎやしないかと心配になるときがある。だがコーヒーはブラックでも飲める。動画インタビュー

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栄養ドリンクの味が知りたい。でも怖い。

高価な栄養ドリンクの味に興味がある。
キュッと飲む一口に2,000円とか3,000円とかかかっているのだ。
きっと経験したことのない味がするのだろう。

だがキュッと飲むのはもったいない。
もったいないし怖い。
眠れなくなったり鼻血が出たりしたらどうしようと思う。
眠れなくなって、朝方からやっと眠れて、そのせいで寝坊して会社に遅刻するのだ。
こんなかっこ悪い大人はいない。
箱がキラキラしていて憧れる。大人の飲み物だ。
箱がキラキラしていて憧れる。大人の飲み物だ。

酒のように飲みたいのだ

怖いのは、濃いからなのだ。
お酒のように、割ってちびちび楽しめたらありがたい。
検索すると栄養ドリンクを割る試みは実践されている方がたくさんいるが(「栄養ドリンク 炭酸割り」で検索)、もっと酒のようにだらだら飲む、という側面から割り方を模索してもいいのではないだろうか。

というわけで今回は、ロック、水割り、お湯割り、炭酸割り、お茶割り、カクテスサワー(お酒の割り材)割り、6種類の飲み方をそれぞれ合いそうな栄養ドリンクで試してみて、このおばあちゃんの知恵袋的な生活の工夫を見直してみることにした。
最悪元気は出なくてもいいので、だらだらと味を楽しみたい。
会社のグチや友達の近況をあてどなく話したい。
栄養ドリンクを飲みながら。

結果、7種類のお酒のような飲み物ができたので、ここから紹介します。

栄養ドリンクを初めて買った

買い出しに行ったドラックストアでは、飲み会の買い出しさながら大いにはしゃいだ。
まず箱が豪華でかっこいい。
実印とか卒業証書が入ってそうである。
せっかくなのでとやたらと高価なものばかり選んでレジに並んだ。
面接官が並んでいるような威圧感がある。
面接官が並んでいるような威圧感がある。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
左から、「ヘパリーゼ キングEX」「ユンケル皇帝液」「ユンケルスター」「活蔘28ROYAL」である。
それぞれ1,620円、410円、3,110円、1,420、合計6,560円である。
なんと飲み会に2回行ける。

ロック

まずはロックだ。
そもそも飲んだことがないのだ。こういう栄養ドリンク。
素の味を知っておきたい。
ロック。
ロック。
まずヘパリーゼを嗅ぐ。剣道部の部室みたいな匂いがした。
まずヘパリーゼを嗅ぐ。剣道部の部室みたいな匂いがした。
豪華な箱を開ける際はとてもドキドキしたが、いい匂いとは言い難かった。
化学薬品のように手で仰いで嗅いだ方がいいよと過去の自分にアドバイスをしたい。
だがこれが「効く」のだろう。
こぼさないよう、慎重に注ぐ。本当に化学の実験みたいである。
こぼさないよう、慎重に注ぐ。本当に化学の実験みたいである。
「一日一瓶だ」という怖い注意書きがあった。今回は、4本を本当に少しずつ飲む。興味はあるが怯えてもいるのだ。
「一日一瓶だ」という怖い注意書きがあった。今回は、4本を本当に少しずつ飲む。興味はあるが怯えてもいるのだ。
飲んだ。やはり剣道部の部室の匂いだ。そして写真だけ見ると完全に「酒」だ。公園で酒を飲む大人。
飲んだ。やはり剣道部の部室の匂いだ。そして写真だけ見ると完全に「酒」だ。公園で酒を飲む大人。
氷で少し薄まったとはいえ、ほぼ素のヘパリーゼの味だった。
これをキュッと飲んだら強烈だろうなあと思う。

ロックは、酒のようにちびちび飲むのに向いているかもしれない。
見た目がおしゃれだし。
「あちらのお客様からです」という感じでスッと出されても違和感がない。

そして、ちびちび飲まざるを得ない飲み物は完全に「酒」である。
掌でグラスを弄び、会話の空白を埋めるようにグラスを傾け、その芳醇な味わいに思わず遠くを見つめてため息をつく。
はい、これは酒である。
ウイスキーみたいできれい。
ウイスキーみたいできれい。
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<ヘパリーゼ キングEX × ロック>
飲みやすさ ★★☆☆☆
雰囲気 ★★★★★
ちびちび飲める ★★★★★
合いそうなおつまみ イカの塩辛
クセのある味なので、濃い味のおつまみが合うと思う。
ハトがずっと足元をうろうろしていた。あげられるものが本当にない。
ハトがずっと足元をうろうろしていた。あげられるものが本当にない。

水割り

ヘパリーゼの水割り
ヘパリーゼの水割り
ロックからだいたい想像はつくが、「剣道部の部室の匂いのする水」ができあがった。
「部室水」だ。
こういうクセの強い焼酎ってある。
ウーロンハイではない。ヘパリーゼ水割りだ。
ウーロンハイではない。ヘパリーゼ水割りだ。
<ヘパリーゼ キングEX × 水割り>
飲みやすさ ★★★☆☆
雰囲気 ★★★☆☆
ちびちび飲める ★★★☆☆
合いそうなおつまみ 鶏の唐揚げ
ビールの次に頼むタイプの酒だと思った。(酒ではないが。)
揚げ物で飲みたい。

お湯割り

次はお湯割りである。
水筒にお湯を入れて持ってきたのだ。
ここからヘパリーゼではなく、ユンケル皇帝液(シリーズの中の多分スタンダードなもの)を割ってみることにする。
箱を開けると、台に固定されたビンがスーッと出てきた。いい演出!
箱を開けると、台に固定されたビンがスーッと出てきた。いい演出!
やはり嗅ぐ。薬っぽいハチミツ、という感じ。
やはり嗅ぐ。薬っぽいハチミツ、という感じ。
お湯で割った。モワ~。
お湯で割った。モワ~。
お湯で割ると、ユンケル皇帝液の香りや風味が豊かになった。
ハチミツのような甘い口当たりの後に、有効成分(?)の苦味が広がる。
女子が好きなお酒だ。(酒ではないが)
外でお湯割りを飲むとお花見に来たような楽しい気持ちになる。
早くお花見がしたい。
早くお花見がしたい。
!
<ユンケル皇帝液 × お湯割り>
飲みやすさ ★★★★☆
雰囲気 ★★★★★
ちびちび飲める ★★★☆☆
合いそうなおつまみ チーズの盛り合わせ
ユンケルスターもお湯で割ってみた。
ユンケルスターもお湯で割ってみた。
スタンダードなユンケルと比べて色が濃く、味も苦味が増していた。
高価になると、効能に重きを置くようになるのだろうか。
春野菜の苦味を思わせるお酒(酒ではないが)だ。
<ユンケルスター × お湯割り>
飲みやすさ ★★★☆☆
雰囲気 ★★★★★
ちびちび飲める ★★★★☆
合いそうなおつまみ じゃがバター
お湯割りは、なんとなく外で飲みたい感じがする。
自然と屋台のじゃがバターが浮かんだ。
まだ少し肌寒い日曜日の昼下がり、早まって薄着しすぎてしまったことを後悔しながらじゃがいもをホクホクさせ、ユンケルスターのお湯割りをちびちび飲むのだ。
ユンケルスターが入った箱は、これでもかというぐらいギラギラしていた。
ユンケルスターが入った箱は、これでもかというぐらいギラギラしていた。

炭酸割り

次は炭酸割りだ。
炭酸のお酒はポップで飲みやすいものが多い。
期待が持てる。
次は炭酸割りだ。 炭酸のお酒はポップで飲みやすいものが多い。 期待が持てる。
次は炭酸割りだ。 炭酸のお酒はポップで飲みやすいものが多い。 期待が持てる。
炭酸水で割ったらビールのようになった。おいしそう!
炭酸水で割ったらビールのようになった。おいしそう!
これが本当に飲みやすかった。
ビールである。
爽やかなのどごしと程よい苦味のビール。

嘘だろと思い活蔘のパッケージを見ると「生薬の苦味をおさえた飲みやすいドリンクです」とある。
真っ赤なパッケージに高麗人参のシルエットがあって、さぞかし強烈な味がすると思っていたら、「飲みやすいドリンク」なのだと。
ヤンキーが子犬を助けるという、あの伝説のギャップ理論というやつで完全に好きになってしまった。
うまい…
うまい…
!
<活蔘 × 炭酸割り = ビール>
飲みやすさ ★★★★★★★★★
雰囲気 ★★★★☆
ちびちび飲める ★★★☆☆
合いそうなおつまみ 串揚げ
キメラ(合成獣)を作ろうとしたらうっかり百獣の王、ライオンが誕生してしまった。
長老みたいな猿がその子ライオンを天に掲げ、動物たちが大合唱している。
とにかく串揚げが食べたくてたまらなかった。

お茶割り

次はお茶割りである。
緑茶ハイのように延々飲める定番ドリンクができたらすごいなと思って用意した。
ユンケルをお茶で割る。
ユンケルをお茶で割る。
飲む。ぼんやりとした既視感。
飲む。ぼんやりとした既視感。
定番ドリンクにはならなかった。
薬っぽさが強いのにお茶もしっかり主張している。

飲んだことがあるのだ。このお酒。

大学生の時カッコつけて頼んで全然良さが分からなかった、そして今では第一印象の悪さからほとんど手をつけなくなってしまったあのお酒に似ている。
カンパリソーダだ!
慌ててソーダも投入。カンパリソーダになりました。
慌ててソーダも投入。カンパリソーダになりました。
!
<ユンケル皇帝液 × お茶・炭酸割り = カンパリソーダ>
飲みやすさ ★★★☆☆
雰囲気 ★★★★★
ちびちび飲める ★★★☆☆
合いそうなおつまみ ナッツの盛り合わせ
こんな形で再会するとは思ってもみなかった。
何がどうなってるか分からないが、確かに大学生の時「なぜこんなに薬っぽいのだ」と不思議に思った飲み物が目の前にある。
雰囲気が酒っぽいだけでなく、「酒」そのものになったユンケル皇帝液のお茶・炭酸割りであった。

カクテスサワー割り

最後は、レモンサワーを作るときの割り材で割ってみる。
炭酸割りがおいしかった活蔘を使ってみる。
炭酸割りがおいしかった活蔘を使ってみる。
しかしダメな机だ。左奥にある白いボトルがカクテスサワーである。初めて買った。
しかしダメな机だ。左奥にある白いボトルがカクテスサワーである。初めて買った。
飲むと、炭酸とレモンの爽やかな口当たりから、生薬の苦味が広がってくるお酒となった。(お酒ではないが)
レモンフレーバーのビール、という感じだろうか。
炭酸割りは万人ウケする手応えを感じたが、カクテスサワー割りは人を選ぶ通好みのお酒(酒ではない)となった。
!
<活蔘 × カクテスサワー割り>
飲みやすさ ★★★★☆
雰囲気 ★★★☆☆
ちびちび飲める ★★☆☆☆
合いそうなおつまみ ピザ

かなり酒のように楽しめた。

どれもかなり酒っぽかった。
全体的に、打ち上げでグイグイ飲む、というよりは晩酌でちびちび飲む雰囲気がどの酒にもあった。

しかし、用法・用量はしっかり守らなければいけない。
そもそも効きすぎそうで怖いという話から始まっているのだ。
つまり箱に載っている注意書きを読みながら晩酌でちびちび飲む、というスタイルがいいかもしれない。
まとめ。お酒お酒言っているが、酒っぽいだけで酒ではない。ちなみに栄養ドリンクを酒で割るのは危険らしいです。怖い。
まとめ。お酒お酒言っているが、酒っぽいだけで酒ではない。ちなみに栄養ドリンクを酒で割るのは危険らしいです。怖い。

好きなお酒が増えました

思いもしないところでカンパリソーダと出会えたのはなんだかとても嬉しかった。
後日友人の結婚式の二次会でカンパリオレンジを飲んで(ユンケルだ…!)とまた嬉しくなって何杯か飲んでいたら、カンパリの味がどんどんおいしく感じられてきた。
第一印象が悪くても、こういう盛り返し方をして好きになっちゃうパターンがあるのだ。
ときめきますね。
カンパリオレンジ。
カンパリオレンジ。
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