特集 2017年4月12日

横浜市中央図書館は六角形なのか四角形なのか

上から見ると六角形なのだけど……
上から見ると六角形なのだけど……
「箱物行政」という言葉がある。学校とか博物館とか、公共施設の建設を重視する政治のなんやかんやを指す言葉だけど、「箱」の部分がかわいいな、といつも思う。いの一番に段ボールを思い浮かべるからだと思う。

その「箱」なのだけど、常に四角い箱とは限らない。例えばこちら、横浜市中央図書館。六角形の箱が集まった建物なのだ。
1975年宮城県生まれ。元SEでフリーライターというインドア経歴だが、人前でしゃべる場面で緊張しない生態を持つ。主な賞罰はケータイ大喜利レジェンド。路線図が好き。(動画インタビュー)

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気を抜くと四角形に見えちゃう

取り急ぎご覧いただきたい。横浜市中央図書館、衛星写真で上から見るとこんなことになっている。
まるで蜂の巣のハニカム構造のように六角形の建物が集まっている。六角形のパーツごとに高低差まである。ここに蜂の子のように書籍が納められていると思うと興奮する。さっそく行ってみよう。
坂がきつい
坂がきつい
桜木町駅から歩くこと約10分。横浜市中央図書館は、なかなかにきつい坂の中腹に建っている。もうちょっと登ると野毛山動物園だ。入場無料だし、レッサーパンダがかわいい。でも今日は行かない。
エントランスの天井がやたら高くてかっこいい。
エントランスの天井がやたら高くてかっこいい。
市民の身長と比べてほしいのだけど、このエントランスの高さたるや、ちょっとしたパルテノン感があるし、2cmぐらい背筋が伸びたっていい。そしてエントランスのひさしの部分、六角形の感じが出てるじゃないですか。内角120度だ。
あれ?四角に見える……?
あれ?四角に見える……?
しかし、全景をとらえるために離れると、六角形っぽさがスッ……と失われてしまう。角度によっては普通の四角いビルに見えてしまう。前を通り過ぎるだけだと、六角形だと気がつかない人もいるかもしれない。
案内図を見ると確かに六角形が集まっている。推理小説の最初にある見取り図っぽい(綾辻行人『十角館の殺人』とか)
案内図を見ると確かに六角形が集まっている。推理小説の最初にある見取り図っぽい(綾辻行人『十角館の殺人』とか)
勢い余って向かいにある野毛山公園に登ってみるも、開花前の梅の枝に邪魔される始末。
勢い余って向かいにある野毛山公園に登ってみるも、開花前の梅の枝に邪魔される始末。
しかたないので逆に近くに寄ってみたら、それはそれで新たな発見があった。
六角形の中庭!
六角形の中庭!
花壇の内角も120度!
花壇の内角も120度!
建物自体が六角形なので、中庭や花壇など周辺のものも六角形に合わせざるを得ない場合があるのだ。いろんなものが120度になっていて、だんだん「あ!これも120!」と体が120度を発見できるようになってくる。その極めつけがこちら。
六角形が敷き詰められている!
六角形が敷き詰められている!
六角形のビルの地面に六角形が敷き詰められているなんて、衛星写真じゃわからない。見に来て良かった!

図書館なので館内は撮影禁止

館内は撮影禁止だったのだけど、書籍が並ぶフロアも六角形が集まった形になっていた。内装は六角形をさらに区切っているので、トイレが平行四辺形だったり、螺旋階段が三角形だったりする。かっこいい……。
ベンチには立派な鳩が鎮座していました。
ベンチには立派な鳩が鎮座していました。
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