事の経緯
1. ニフティの株主がノジマになる
2. ノジマはベイスターズのスポンサーなので、新たにグループに加わったニフティ社長に始球式を打診
3. 社長は固辞して林がやるのはどうかと指示
4. 僕は「社長という肩書の人が変わったことをするほうが面白い」と逆に提案
5. いい出した手前、なにか面白い状況を作ることに
会社の再編が風が吹けば桶屋が儲かる的な話になった。
感慨深くなっている場合ではない、とにかく面白い状況を作らなければならない。面白いといったら頭が大きくなっていることだろう。この2年ぐらいそればっかりやっている。
そこでペーパークラフトの頭を作ることにした。ついでに人数も増やそう。
社長がパンツを履かずに直接ズボンを履いてノーパン始球式という案もあったが見送りとなった。
始球式のようすをどうぞ
試合前、ニフティ社長が始球式を行うことをアナウンスされた。
「本日はみなさまからわかりやすいように顔を大きくしております」という説明も入っている。
これでベイスターズファンも納得だろう。ホスピタリティからのデカ顔なのだ。
(ナレーション原稿は自由に決めていいと言われたので僕が書いた)
そして社長ズの入場である。
ベイスターズのキャラクターたちも「?」という表情をしている
マウンドに並ぶ5人の社長
手前右にしゃがんでいるのはカメラマンである。このときのバックスクリーンの映像に注目して欲しい。
社長ズがあおりでかっこよく撮られている
全員で投球するが、ボールが出てくるのは中央の社長のみ
分身の術に惑わされたのか打席のベイスターズ乙坂選手は空振りであった(ありがとうございます)。
しかし社長がワンバウンドせずに100キロ近いボールを投げていたのは意外だった。「社長、すごいですね!」と普通にいってもおべっかみたいになるので言い方が難しい。
戻ってくる社長ズ
VIPルームで準備をする
成功のようすはお分かりいただけたと思うので、少し時計の針を戻して球場入りからの話をしよう。
始球式をするだけあって通されたのはVIPルームである。
この写真だとよくわからないのだが
バックネット裏の席の下である。
放送席があるような場所だ。下のフロアは審判が判定で揉めたときにマイクを受け取るところである。あの上か。
始球式とかどうでもいいからここで野球見ようぜ、などと言いだす
見たことのない近さでプロ野球が見られる。グラウンドで野球部が野球をやっているのを教室から見ているぐらいの近さである。
夏の教室気分でいたいが今日の仕事をしなければならない。
社長のマスクをかぶる仕事である。
ちなみに4人のダミー社長に入っているのは僕のほか、編集部から安藤と橋田、そして弊社同じ部の瀬津である。
唯一の全員の素顔が写っている写真
顔が小さい社長(本物)もパワーアップさせたいので今回のために作ったギブスを装着した。(べつやくれい作)
観客席からもギブスをつけていることがわかりやすいようにバネではなく、配管用のアルミパイプを使用している。
そのせいで大リーグ養成ギブズ的な機能はなくなり、飛べないように進化した鳥のようなものになった。
ギブスを付けてアメリカンプロレス的なポーズをとる社長
こういう写真、記事としてはとても助かるが社員としては少し不安になるところではある。
練習はブルペンで
始球式の前に練習ができるという。始球式での5人の動きも確認したいので我々もついていくことにした。
ビールの売り子さんがみっちりいる関係者通路を抜けると(若返りますな)
ブルペンだった
中継ぎ・抑えのピッチャーが投球練習するところである。横浜スタジアムの場合は、外野スタンド下にある。フェンスの一部がパカっとあいて車に乗った選手が出てくるあそこだ。
だからリリーフカーもある!(勝手に乗った!)
全員社長が乗ってしまって自意識の優勝パレードみたいになっているが、あの車だ。ひと通りはしゃいだら投球練習である。
コーチのように社長を見守る社長
先述したように、本物の社長がいい球を投げるのだ。ギブス装着してすごい球を投げると思わせておいてヘロヘロ~→スタジアム失笑、という流れを考えていたのだが、意外な展開である。
社長の合図で一斉に投げることを決めた。
写真を見ても社長のテイクバックがしっかりしているのがわかる。
投げ終わったら両手を振ってスタンドの声にこたえるところまで段取りを決める。
このような段取りと練習があって、冒頭にあるおもしろ始球式につながるのである。
マスク制作過程
さらに時間をさかのぼって、マスクの制作についても紹介しておきたい。
まず6つの角度から写真を撮る。
このとき、表情を同じにしてもらわないとデータを作るときに正面と横でつながらなくなってしまう。同じ顔でお願いした。
それをもとに、社長の輪郭に似せた3Dモデルを作り、画像を貼り付ける。
その3Dモデルをペパクラデザイナーというソフトに読み込ませて、展開図にして印刷。
簡単に書いているが、行間に「これどうやんだっけかな…」「どうしても鼻が裏返えるぞ」「コミカルになるように高さを減らそう」という試行錯誤があった。
しかも作業したのは僕ではなく、テクノ手芸部よしだともふみさんである。
翌日、べつやくさんが加わってギブス制作もはじまる
でっかいSIMを作っていた。
横浜ベイスターズが勝った場合、ニフティからMVP賞を授与することになっている。
その景品はNifMo(ニフティの格安スマホとSIMのサービス)である。
自動車が景品の場合はでっかい鍵が授与されているのを見る。ならばここはでっかいSIMだろう。あえていちばん小さいナノSIMを幅1.1メートルに拡大した。
これが刺さるスマホがあったら5階建てビルぐらいの大きさになる。わけもなく宇宙を感じさせる話である。
スタジアムでのレポートにこれを授与したという話がないことからも分かる通り、横浜ベイスターズは負けたのでこのでっかいSIMが日の目を見ることはなかった。
マスク、ギブス、でっかいSIM。フルオプション状態の社長
そして2日かけてマスクをもう3個作り4月5日の本番となった。おもしろにしましょうよ~とうかつな発言で時間をとられるのは毎度のことである。
社長マスクは持ち帰ってきた
社長のマスクは会社に送ったので誰でもかぶれるようにしようと思う。誰でも社長になれるのだ。こんなにフラットな組織はちょっとないと思う。