木としてメガネ店にやってきた
衝動買いした芝生柄のパーカーが役に立った。撮影前日に妻が「もう着ない服」の箱に入れていたのだがまさかの大抜擢である。
細胞壁最高!細胞膜なんてダサいぜ!
メガネ選びはショップスタッフにアドバイスを請うことにした。
メガネは顔の輪郭に合わせて選ぶと言われているが、このような輪郭がわからない状況ではどんなメガネがいいのかさっぱりわからない。
「この状況だとしたらどんなメガネがいいと思います?」
正直に言おう。このとき、お店の人がちょっと困るかな、そういう写真が撮れたらいいなという気持ちはあった。
「ウッドトーンのフレームなら自然だと思います」「…………!」
「…………悪くない!」
木目調のフレームである。全体にナチュラルなトーンで統一されている。宮崎あおいみたいだ(イメージ)。
次に紹介されたのはレンズである。
フォレストとゴルフグリーンというレンズである。
フォレストという木にうってつけのカラーレンズが登場したが、別にここは木を相手にしたメガネ店ではない。JINS吉祥寺ダイヤ街店である。ただ、井の頭公園が近いから木がよく来る可能性はある(ない)。
あ、これいいじゃないですか!
気に入った。顔が出る範囲が狭い状況でアピールするにはこれぐらい強い印象でもいい。
「動けないのでこうやってキャラをアピールしてもいいかもしれません」
と店長の伊東さん。
なぜここまで木のメガネ選びに的確なコメントができるのかは謎である(もしかして木?)。おもしろいから伊東さんに乗っかっていくことにした。
伊東さんセレクトでべっ甲。これもいい。
カラーレンズ、べっ甲ともに木に寄せていくよりも、木としてのキャラクターを重視するという方向性である。
しかしどうだろう。このキャラの強いメガネ木は演出家に怒られるやつである。
「コラ、後ろの木!目立ち過ぎなんだよ!」
灰皿が飛んでくるかもしれない。あくまで脇役として主役を食わないようにして目立たなければならない。
そう話したところ持ってきてくれたのがこれ。
メタルフレーム!
「印象を弱くして、木に徹することができると思います」と伊東さん。
たしかに木らしい実直さを感じる。木のイメージに近いキャラクターだ。メタルフレームをかけている木なんて見たことがないのに謎の説得力である。
もっとハードコアに木
ここまでのチョイスは木が擬人化されているところがあった。カラーフレームでもっと外見から木に寄せていくのはできないだろうか。
グリーンのフレーム。うん、ビジュアル面で木に近づいた。
まったく違う色のフレームはどうだろうか。いたずらに赤を選んでみた。
伊東さん「実がなっている木だったら実の色にあわせてフレームを選ぶのもいいと思います」ん
そうかこれはリンゴの木だ。
リンゴの木だったらフレームが赤でもいいだろう。みかんの木だったらオレンジ、レモンだったら黄色だ。
なるほどね(写真にりんごの実を描き足しました)
赤いメガネをかけている人がたまにいるが、あのひとはりんごの木なのだ。教えてあげたい。
顔ハメにぴったりのメガネ
伊東さんが変わったメガネを見せてくれた。
テンプル(ツル)が短い。そして柔らかい
こうしてかけるのが正解だそうだ
耳ではなくほお骨のあたりに挟んでかけるメガネである。メガネをかけたまま寝転んでも痛くないし、寝てもずれないとのこと。
だが、それはあくまで人の話だ。僕はいま木である。
伊東さん「これならメガネが穴にぶつかっても痛くありません」
あ、ほんとだ!(穴に顔をぐりぐりしながら)
通常のメガネだとテンプルが顔の横に浮いているので、穴のフチにぶつかりやすい。ぶつかると鼻あてに衝撃が来るのだ。
この柔らかいメガネは顔に貼りついているのでその衝撃がない。
木の役専用メガネじゃないか。
メガネ業界は明らかに木を意識していると言っても過言ではない。過言ではないどころか、確信している。
まとめチャート
ここまでの話をチャートにまとめた。
これから木になる人は保存してスマホの待受け画面にしてほしい。
エイプリルフールだけど嘘がひとつもない記事です
本稿はエイプリルフール用の記事ではあるが、JINSの伊東さんとのやりとりは全部本当である。
やっぱり本当は伊東さんは木で、こんど訪ねたら「そんなスタッフ当店にはおりませんが…」と言われるかもしれない。
そして吉祥寺の駅前の街路樹が1本ニヤリとするのだ。
撮影協力
JINS吉祥寺ダイヤ街店
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-1
0422-21-5569
10:00~21:00(変更の場合があります)
当記事は許可を得ないで撮影しています。というのは嘘で許可を得ています。