ミルクロード
試される大地で知られる「北海道」は酪農王国である。生乳生産量の国内シェアは北海道が過半数を超えている。2個に1個は北海道なのだ。その中でも別海町を筆頭に道東エリアが熱い。人口より牛の方が多かったりするのだ。
道東エリアは牛と覚えてください
別海町では人より牛の方が7倍多い。人が7人いたら、実はそのうちの6人は牛なのだ。どういう計算をすればそうなるかは謎だけれど、牛の方が人より7倍多いのである。つまり酪農王国の首都が道東ということになる。
そこでソフトクリームです!
そんな道東にはミルクロードと呼ばれるものも存在し、さらにそこには牛乳を生かして、ソフトクリームのお店がたくさんあるのだ。そんなソフトクリームを食べ歩きたい。絶対に美味しいはずなのだ。だって、ここは酪農王国のメイン通りなのだ。
ということで、北海道の道東エリアに来ております!
めちゃくちゃ牛います!
雪景色のソフトクリーム
道東エリアを車で走りソフトクリームを食べて回る。中標津から釧路に向かい車を走らせる。牛が寒いのか、そうでもないのか、よくわからない表情で放牧されている。ちなみに人間は車の外に出ると寒い。寒い時こそ、ソフトクリームなのだ、たぶん。
明郷伊藤牧場(北海道根室市明郷101)に来ました!
はい、美味しそう!
まずやってきたのは「明郷伊藤牧場」。牧場産の牛乳を使った特製ソフトクリームを食べることができる。欲張って、2個も頼んだ。私の口はソフトクリームを渇望していたのだ。
美味しいです!
濃いのだ。牛乳が濃いのだ。徹夜して朝方に鏡を見ると普段より顔が濃く感じる。それだ。そのような濃さがある。ただ爽やかな要素が強いので、徹夜の顔の話は忘れてほしい。濃いというところだけ覚えてほしい。とにかく濃いのだ。
次は「あっかんべぇー」(北海道釧路市阿寒町中徹別38線37-4)
白が美しい!
直営牧場直送の牛乳で作られるソフトクリームを食べることができる「あっかんべぇー」。これは完全に推測だけれど阿寒にあるから、店名が「あっかんべぇー」なのだと思う。「べぇー」の説明はできないけれど、そういうことなのだ。
美味しいです!
ロケーションも最高です!
やっぱり濃い。袋ラーメンを作る時に、規定の量より水を少なく作ると味が濃くなる。そのような濃厚な濃さなのだ。ただ袋ラーメンと違い、塩辛い要素はないので忘れてもらってもいい。覚えてほしいのは濃いということなのだ。
お次は「森高牧場」(北海道厚岸郡厚岸町宮園1-375)
牧場直営のソフトクリームのお店「森高牧場」。チーズやシェイクなどもあるけれど、頼むのはもちろん「ソフトクリーム」である。もはや私がソフトクリームを求めているのではない。ソフトクリームが私を求めているのだ。ソフトクリームがそう叫んでいる。
純白!
食べる前から分かることがある。濃厚だろうな、ということだ。牧場直営と言われただけでときめくのだ。恋する中二女子のようなときめきだ。そして、濃いのだ。私が恋する白いあなたは濃いのだ。濃厚。美味しいと自然に口から発してしまう。
美味しいです!
変わり種ソフトクリーム
上記のように、王道を進むソフトクリームもあれば、変化球のようなソフトクリームも存在する。ソフトクリームの心は広いのだ。受け入れるのだ。器が大きいのだ。ソフトクリーム単体で勝負できるけれど、コラボも受け入れるタイプなのだ。
コンキリエ(北海道厚岸郡厚岸町住の江2-2)
はい、変化球!
コンキリエがある「厚岸」は日本で唯一、牡蠣を一年中出荷できる産地。その影響だろう、牡蠣のソフトクリームが存在する。ソフトクリームの横にカキフライとレモンが並び、ソフトクリームには青海苔がかかっている。
こう食べます!
牡蠣の持つ旨味と、ソフトクリームの甘み、レモンの酸味が絶妙なのだ。それぞれで食べても成立するだろう。しかし、主役級が揃うことで、食べ応え十分。オールスターのような一品なのだ。年に3回くらい唐突に食べたくなる味だった。
美味しかった!
次は鶴居村にあるソフトクリームを食べようと思う。鶴居村はその名の通り、タンチョウがいる村だ。タンチョウは一時期絶滅したと考えられていた鳥で、大正時代に再発見され、いまは一年を通して、道東で見かけることができる。
どれみふぁ空(北海道阿寒郡鶴居村鶴見台)に来ました!
そんな村で食べることのできるのが、「タンチョウソフト」である。村内のいくつかのお店で食べることができるが、どれみふぁ空はタンチョウソフトにラズベリーソースとポッキーでトッピングがしてある。タンチョウに模してあるのだ。
タンチョウソフトです!
タンチョウを見ながら、
美味しいです!
ソフトクリームにカラフルなチョコがトッピングされていたりすると、小学生の遠足前日くらいウキウキするタイプなので、このトッピングは好きだ。食べるとその濃さにも驚く。タンチョウを見ながらというのも贅沢だ。だって、貴重なタンチョウが群れているのだ。
群れてるね!
実はやっていない
実はいろいろなソフトクリーム店に行っていた。ただ、なのだ。北海道は寒い。寒いからだろう。全然、やっていないのだ。お店はやっていてもソフトクリームは4月から、みたいなのが多かった。ソフトクリームって幻かな、と思ったほどだ。
ソフトクリーム屋です!
やっていません!
ソフトクリーム食べるぞ、
7
やっていません!
ソフトクリーム大好き!
やっていません!
だいたいやっていないのだ。寒い中でソフトクリームを食べる人は少ないのだ。この辺りの気温は最高気温がマイナスだったりする。ソフトクリームどころではないのだ。ただ食べると美味しい。次に期待しようではないか。一番期待していたお店なのだ。
「コープはまなか(北海道厚岸郡浜中町茶内栄65)」にやってきました!
「コープはまなか」に意気揚々とやってきた。意気揚々なのには理由がある。このお店の近くにタカナシ乳業の工場があって、「タカナシ4.0牛乳」というものを作っている。これがあの高いけど美味しいで有名なハーゲンダッツの原料になっているのだ。
タカナシ乳業の工場で、
幻の「タカナシ4.0牛乳」が作られています!
「タカナシ4.0牛乳」がハーゲンダッツなのだ。そして、この「コープはまなか」では、その「タカナシ4.0牛乳」を使ったソフトクリームを食べることができるのだ。ハーゲンダッツのソフトクリーム版なのだ。期待せずにはいられない。
やっていません!
やってないのだ。冬なのだ。春の足音はもう少し先なのだ。食べればきっと美味しいと思う。でも、やってないのだ。代わりに「タカナシ4.0牛乳」を買って飲んだ。濃厚だった。濃かった。寝起きの私の顔を想像してもらいたい。それだ。濃いのだ。
美味しかったです!
ソフトクリームは春から秋!
ソフトクリームが大好きなので巡った今回だったが、ほとんどのお店がやっていなかった。でも満足だ。もっと食べたいと思うけれど、休みなのは仕方がない。そのような思い残しがあるから、また行きたい、となるのだ。
それに食べることのできたソフトクリームはどれも濃厚だった。関係ないけど、元カノが寝起きの私の顔の濃さを見て、「朝見たら吐き気がするね」と言っていた。ただソフトクリームを食べてわかった。濃いのは正義だ。