特集 2016年10月20日

その寺はどこにあるのか?

地名になってるお寺に行ってみた
地名になってるお寺に行ってみた
高円寺、豪徳寺のように、なんとか寺っていう地名は多い。

でももとになった寺についてはよく知らない。駅の近くにほんとにあるんだろうか。

お寺には詳しくないけど、とりあえず見てきました。
1976年茨城県生まれ。地図好き。好きな川跡は藍染川です。(動画インタビュー)

前の記事:もしも伊能忠敬がスマホを持っていたら

> 個人サイト ツイッター(@mitsuchi)

高円寺はひたすら素敵だった

まずは高円寺に行ってみた。
これかー
これかー
寺としての高円寺は、中央線の高円寺駅から歩いて5分ぐらいのところにあった。商店街が終わって住宅街になるところ。

そして境内はひたすら素敵だった。
高円寺にこんなところが!
高円寺にこんなところが!
本当にお寺だったんだ、という謎の感慨
本当にお寺だったんだ、という謎の感慨
これが高円寺か
これが高円寺か
右下の青いピンが高円寺
お寺としての高円寺は、曹洞宗の宿鳳山(しゅくほうざん)高円寺というそうだ。阿波踊りの街だと思ってたけど、宿鳳山とか言われると急に格調高い。

お寺ができたのは460年前。鷹狩りのときに将軍が寄ったとかで徳川家と関わりが深く、葵の紋があったりする。
門の扉に葵の紋
門の扉に葵の紋
高円寺の駅ができるまでは、お寺のまわりには田んぼと、あとは家が点在していて、とくにお寺の周りが栄えていたふうではないようだ。

駅ができたのは100年前。それ以来、近くに道路や建物ができて栄えていったが、お寺としての高円寺はかわらず高円寺だった。「ちいさいおうち」のパターン。
高円寺データ

駅との距離 334メートル
場所の状況 商店街が終わって住宅街になるところ
備考 緑が多くてすてき
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豪徳寺は豪徳寺じゃないらしい

大谿山豪徳寺
大谿山豪徳寺
豪徳寺は小田急線の豪徳寺駅からひたすら遠かった。駅前の商店街を過ぎて、閑静な住宅街だ。

そして境内は広かった。東京ドームと同じくらい。
広い!(実際はもっと)
広い!(実際はもっと)
大谿山(だいけいざん)豪徳寺というそうだ。曹洞宗。できたのは540年前。

招き猫の伝説があるとかで、境内には大量の招き猫がある。
すごい数
すごい数
ところで、豪徳寺は豪徳寺駅からかなり遠かった。
下の青いピンがお寺。真ん中の緑のピンが駅。
じつのところ、みんなはここを豪徳寺だと思ってるんだろうか。すぐ西にある宮の坂駅のほうが近いじゃないか。

そこで、豪徳寺といえばここだよなー、という範囲をみんなに聞いてみた。結果はこんなふうになった。
みんなの思う豪徳寺の範囲(Googleマップの画面に加筆)
みんなの思う豪徳寺の範囲(Googleマップの画面に加筆)
赤い範囲が、その人が思う豪徳寺エリアの範囲。みんなの分を重ねてある。お寺としての豪徳寺は青い点のところ。

集計すると、お寺を豪徳寺の範囲に含める人が6割、含めない人が4割だった。コメントをいくつか紹介したい。

お寺は豪徳寺に含む派:
「お寺の豪徳寺があるため南へは伸びていますが、あれさえなかったら商店街の端っこの蕎麦屋で豪徳寺エリアは終わると思います」(じろまるさん)

お寺は豪徳寺に含まない派:
「豪徳寺(寺の方)は豪徳寺じゃないと思ってます。宮坂とか世田谷とかに入る感じ。」(ねこいさん)

お寺はかろうじて豪徳寺だけど、そうでないとしても違和感はない。そんな立ち位置のようだ。詳細はこちらから読めます。
豪徳寺データ

駅との距離 561メートル
場所の状況 完全に住宅街
備考 豪徳寺を豪徳寺だと思わない人が4割
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吉祥寺は駒込にある

諏訪山吉祥寺
諏訪山吉祥寺
寺としての吉祥寺は、吉祥寺じゃなくて駒込にある。

吉祥寺駅からはすごい遠い。
左の緑のピンが吉祥寺駅、右の赤いのが吉祥寺の寺
駅からお寺までは16km。「駅から遠いで賞」を進呈したい。

町としての吉祥寺は、信徒の人たちが移り住んだからということのようだ。吉祥寺信徒町、なら正確だったのかもしれない。
境内はとても広い
境内はとても広い
ところで、吉祥寺は曹洞宗のお寺だそうだ。

これまでに出てきた高円寺も豪徳寺も曹洞宗だった。そもそも曹洞宗ってなんだっけ?

曹洞宗の歌は南こうせつが作っていた

調べてみると、曹洞宗は禅宗の1つだそうだ。座禅するやつか。

経典は摩訶般若波羅蜜多心経。それはいいとして、詠歌っていうものが「まごころに生きる」となっていて、南こうせつ作詞作曲とのこと。

高円寺と豪徳寺と吉祥寺が、まさか南こうせつでつながっているとは知らなかった。
吉祥寺データ

駅との距離 16キロメートル
場所の状況 完全に住宅街
備考 吉祥寺じゃなくて駒込にある
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祐天寺は広くて立派だった

明顕山 祐天寺
明顕山 祐天寺
お寺としての祐天寺は東横線の祐天寺から歩いて10分ぐらい。駒沢通りを渡った先にあった。
右下の青いピンが祐天寺のお寺。左側に駅。
もともと増上寺にいた祐天さんという呪術師から来た名前だそうだ。
その祐天さんのお墓もある
その祐天さんのお墓もある
お寺はかなり広い。この塀の向こうがぜんぶ祐天寺。
お寺はかなり広い。この塀の向こうがぜんぶ祐天寺。
お寺ができたのは300年前。高円寺とかに比べると新しいほうだ。ところで、明顕山祐天寺みたいになんとか山ってつけるのはなんなんだろう。

調べてみると、もともとは同じ名前のお寺を区別するために、山寺の場合はお寺のある山の名前をくっつけたとのこと。ラーメン二郎を三田二郎、目黒二郎みたいに呼び分けるようなものか。

でも祐天寺に明顕山なんていう山はない。平野のお寺の山号はどうやってつけるんだろう。
祐天寺データ

駅との距離 532メートル
場所の状況 商店街と住宅街のキワ
備考 広くて立派
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国分寺は跡継ぎが頑張っていた

次は東京の国分寺に行ってみた。
武蔵国国分寺
武蔵国国分寺
国分寺は、中央線の国分寺駅から歩いて20分のところにあった。かなり遠い。
左下の青いピンが国分寺。駅は右上。
どこまでが国分寺の範囲か?というみんなのイメージと、お寺の位置を比較してみた。
みんなの思う国分寺の範囲(Googleマップの画面に加筆)
みんなの思う国分寺の範囲(Googleマップの画面に加筆)

赤いところがみんなの思う国分寺。お寺の国分寺は左下の青い点。だれも国分寺を国分寺だと思ってない。コメントはこんなふう。

「南側は殿ヶ谷庭園+駅前ターミナル周りまでが国分寺のイメージ」(dotetsuさん)

右側にある東京経済大は飛び地みたいに国分寺なのに、国分寺は国分寺と思われていないのがせつない。

もともとの国分寺はもうない

ここの国分寺は、全国にある国分寺の東京バージョンだ。もともとのお寺は1400年くらい前に作られたが、いまはもうない。
公園になってる
公園になってる
冒頭で見たのは、後継ぎにあたるお寺だ。もともとの国分寺はかなり大きかったらしい。
もともとの国分寺の広さ
えらい大きい。全国の国分寺のなかでも有数の大きさだったそうだ。

国分寺には跡地の公園しかないのかな、と思ってたけど大間違いで、大きかった敷地に作られたお寺がいくつも残っていた。
国分寺薬師堂
国分寺薬師堂
見返した景色もすてきだった
見返した景色もすてきだった
国分寺もかなり素敵だった。駅からかなり遠いけど、こんなところがあるのかと思った。
(東京の)国分寺データ

駅との距離 1.1キロメートル
場所の状況 完全に住宅街
備考 もはや国分寺とは思われていない

お寺、いい

都立大学駅なのに大学がない、みたいな罠はなくて、どの街にもちゃんとお寺があった。

今回、お寺いいなと初めて思った。高円寺にこんなところが!みたいな意外性がよかったんだと思う。

なお、記事のタイトルは「その橋はどこにあるのか?」の真似です。
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