名前の由来は不穏すぎる東尋坊
しかし、東尋坊といってもなにがあるのかさっぱりわからない。崖とタワーがあるんだろうな……というぼんやりとしたイメージしかない。
福井駅からおはようございます
いちおう、カメラマン役の地主くんもスーツ姿で
暑い。
取材に行った日は、九月といってもまだアタマの方で、夏か秋かというと、まだじゅうぶん夏で、とにかく暑い。
福井市からレンタカーでいっきに東尋坊へむかう。
レンタカー屋のおじさんに、東尋坊へ行くと告げると、おじさんは東尋坊の名前の由来を教えてくれた。
それによると、そのむかし、永平寺の修行が厳しすぎて耐えきれなくなったお坊さんが、身を投げたから、そのお坊さんの名前をとって東尋坊と呼ばれるようになった。ということらしい。
自殺の名所としても名高い東尋坊だが、その名前の由来までそれ絡みなのか?
東尋坊はどこだー
東尋坊についたぞー
まずは東尋坊タワーに登っとくか
東尋坊の崖を訪れる前に、東尋坊タワーに登っておきたい。
よく南極の氷のなかには数万年前の空気が閉じ込められていると言われるが、東尋坊タワーは昭和時代の空気がそのまま閉じ込められている。
雰囲気は完全に昭和の観光地
お土産のネーミングもやけくそ気味
タワーのマグネット。「ほしい」「いらない」の当落線上ギリギリなところを突いてくる絶妙な商品
平日だったためか、観光客はとてもすくない。ぼくら以外には誰もいない。
TOJINBO?
フロアに「TOJINBO」と書いてあるパネルが飾ってる。これがあの修行が辛くて身投げした東尋坊だろうか? これから身投げするのかと思うといたたまれない。
指どうしちゃったの?
さらに、指先が矢印になってしまった東尋坊まであった。口紅を塗っているのもなぜだかよくわからないが、そもそも崖から身投げしたひとをキャラ化して大丈夫かだろうか?
エレベーターに乗ると、衝撃の事実が書かれていた。
おじさんから聞いた由来とまるで違う
レンタカー屋のおじさんから聞いた東尋坊のゆらいとはまるで違う由来が書いてある。
こちらによると、どえらい悪僧「東尋坊」を崖から突き落としたところから、その名前がついたということになっている。
もう、身投げとかそういう生易しい問題ではなく、明らかに殺人、事件である。
TOJINBOとかローマ字で洒落てるばあいではないのではないか?
ほーぅ
簡単には落ちないのはわかってる
落ちないのはわかってるけどちょっとこわい
東尋坊、名前の由来からタワーの造りまで、全体的に不穏な雰囲気があるのは否定できない。
展望室にあったらくがきノートを見てみる。
まだ使われはじめて間もない
「仙台から来たおばちゃん四人組で~す」みたいな能天気な書き込みに混じって「さようなら」などと大書してある。
オフコースかよ
私も記念カキコしときましょうかね
生きていて欲しい
サングラス購入
タワーであそぶのもそこそこにして、東尋坊に向かいたい。タワー横の路地を抜け、東尋坊に抜ける表通りに向かう。
東尋坊に向かいたい
あ、あれは?
福井県といえば、めがねの産地、鯖江
へぇー、売ってんだ
買った
急に写真が締りだす
タワーのあるあたりから東尋坊の崖までは土産物店や飲食店が立ち並ぶ。
賑やかだな~、なんだか視界が暗いけど
いかにも観光地といった賑やかさがある。アイスクリームや骨董品など、うっかりすると、目移りしてしまう。
チョコレートください
ベロベーロ
たむらけんじではない。西村です。
サングラスをかけてから、写真にグッとした締まりが出た。締まってもしょうがないのだが。
えーと、どれどれ
木刀ほしいなー
木刀欲しいなーと思ったものの、おかしな部分が多すぎて意味がわからなくなるからやめた。
土産物屋の商店街が終わると、そこには突然海が開ける。
あともう少しで東尋坊だ
はい、東尋坊つきました~
たしかに眺めはいい
平日にも関わらず、東尋坊は観光客で賑わっていた。もちろん、スーツで来てるやつなんてぼくだけだ。
自分で言うのもなんですけど、めっちゃかっこいいな
ちなみに、後ろの方に見えるのが雄島である。(ぼやけているが)
雄島も、東尋坊同様、柱状節理の岩が特徴的な島で、中には方位磁針が狂うほどの磁気を帯びた岩があるなど、観光名所のひとつである。
雄島をバックに記念撮影
雄島へは、雄島橋でつながっており、自転車や徒歩で訪れることが可能だ。写真の右側の赤い橋がそれだ。(ぼやけているが)
さて、肝心の東尋坊の崖の上に行ってみたい。
東尋坊の崖の上
東尋坊は、天然記念物なので、柵や手すりなどを設けることができない。
したがって、非常にあぶない。
前につんのめって倒れるといっかんの終わり
なんにもない
東尋坊、きました
スーツで柱状節理の上に乗る
犯人に自白させにきた刑事ではないが、スーツと崖は似合っている。松に鶴、梅に鶯、スーツに崖。でもいいのではないだろうか?
船に乗る
さて、崖の上から堪能した東尋坊。こんどはぜひ海上からも眺めたい。折よく、遊覧船の出発時刻になったので、乗り込むことに。
遊覧船に乗るぞー
カメラ目線で乗り込むぜぇ
出港~
遊覧船は、雄島や東尋坊の周りを30分ぐらいかけてぐるぐると周る。
ほー、これが柱状節理かー
案内のお兄ちゃんは、時折「ここから、北朝鮮が遥か彼方に見え……ませんが」みたいな、ためる冗談を案内に混ぜてわらわかそうとするものの、ことごとくスベっていた。
これが大池かー
さっき、崖の上からみおろした谷底が、この大池(おおいけ)と呼ばれる場所だ。
とりあえず、ここがいちばんの絶景ポイントである。
地主くんは船に乗って30秒ぐらいで酔い始めた。早い!
正装で出かける観光旅行
東尋坊にスーツで来ている観光客、ぼく以外には全くいなかった。
すれ違う度に振り向かれていたが、サングラスのおかげであまり気にならなかった。
いわゆる、ふざけてスーツで行ったわけではないということを強調しておきたい。ぼくたちはいたってまじめである。
大自然と真剣に向き合うという意味で、スーツの正装で観光地に出かけるというのはありかもしれない。
あと、記念写真がめちゃめちゃかっこよくなるので、スーツで観光旅行、本当におすすめしたい。