特集 2016年5月17日

タピオカ粉で日々のQOLを上げる

タピオカ粉で生活の質は確実に上がる。
タピオカ粉で生活の質は確実に上がる。
好きな言葉は、と聞かれると「新食感」と答えている。

サクサクとかシャリシャリとか、そういう感じの音が大好きだ。モチモチ、とか最高じゃないか。モチモチ食感さえあれば、人間は生きる喜びを感じられる。

もっとモチモチ食感を楽しみたいので、タピオカ粉を買ってみた。これで生活のクオリティ(quality of life=QOL)が大幅に上がるはずだ。
1973年京都生まれ。色物文具愛好家、文具ライター。小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の人間がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文具を自慢する」という結論に辿り着き、そのまま今に至る。(動画インタビュー)

前の記事:たこ焼きはフランス料理のソースで食べても美味い

> 個人サイト イロブン Twitter:tech_k

意外と安く、かつモチモチ

当サイトでもうどんをモチモチにしたり、巨大タピオカを作ったり、意外と頻出素材であるタピオカ粉。どこで買おうかといろいろネットを検索したが、結局のところAmazonに頼った。

最近、Amazonとヨドバシドットコムとモノタロウでしか買い物をしていない。今の家に引っ越してまだ半年だが、ヤマトと佐川と郵便局の人が友達みたいなノリで荷物を届けてくれる。
「あー、はいはいまいどー」みたいな感じで佐川のお兄さんが届けてくれた、必要最低限の情報しかないパッケージのタピオカ粉。
「あー、はいはいまいどー」みたいな感じで佐川のお兄さんが届けてくれた、必要最低限の情報しかないパッケージのタピオカ粉。
通販では、1㎏あたり500円から1000円ぐらいまで価格のブレがあるが、なんにせよ食材としてそこまで高いものではない。

これでモチモチとした食べ物を手軽に作れるなら、人生かなりハッピーになるはずだ。
こねるだけで笑うぐらいモチモチ。
こねるだけで笑うぐらいモチモチ。
ということで、まずはタピオカ粉で作る代表的なモチモチ食品、ポンデケージョを作ってみたい。ブラジルの、モチモチしたパンである。

タピオカ粉を温めた牛乳とオリーブオイルと捏ねて、卵・チーズ・塩胡椒を入れてさらに捏ねたら、焼く。以上。やたらと簡単なレシピである。
この楽しさ。こいつはちょっとしたアトラクションだぜ?
この楽しさ。こいつはちょっとしたアトラクションだぜ?
しかもこの捏ねる手触りがもう、ふわふっわ、かつ超モッチモチなのだ。

つきたてのお餅のような感触で、それでいて手に粘りつくこともない。モチモチとした手触りだけを純粋に味わえるホビーである。もう、ずっと捏ねていたい。金なら払うから、という気分である。

そして、これがなんとタピオカ粉買えばいくらでも捏ねてOKなのだから驚きだ。
焼くと溶け出すチーズ。ぐんぐん高まるQOL。
焼くと溶け出すチーズ。ぐんぐん高まるQOL。
さすがにいつまでももっちもっち捏ね続けるというのも手が疲れるので、程良いところで丸めてオーブンで焼く。オーブンがなければトースターでもなんとかなる。
染み出してちょっと焦げたチーズが最高。あんた、アレだ、総理大臣。大統領。
染み出してちょっと焦げたチーズが最高。あんた、アレだ、総理大臣。大統領。
30分ほど焼き上がり。外はカリカリッと固めの歯応えで、そのまま噛むと、ムォチムォチムォチッ!!と暴力的なまでのモチモチ感。噛んだ歯がばるるるーんと跳ね返るほどの歯応えである。

表現としては品がないが、歯応えがエロい。しかも洋ピンっぽいエロさである。
このモチモチとした断面。これは食感界のポルノだ。
このモチモチとした断面。これは食感界のポルノだ。
荒くれたモチモチ感と、胡椒のピリピリと、チーズの旨味。

これがトータル40分ほどで簡単に作れてしまう。要するに簡単に言うと、タピオカ粉すげぇ、という話である。

モチモチとする豆腐

さて、よりQOLを高めるためにもう少し何か作ってみよう。
いまこの記事を書いているのが5月半ば。すでに夏日を越える気温の日もあり、なかなかにダルい。

で、なにかヒンヤリあっさりしたものが食べたいわ、という時にもタピオカ粉はいい働きをしてくれるのだ。
くず粉や片栗粉となどと比べて、タピオカ粉は冷やした時に固くボソボソになりにくい。つまり、冷やしてももっちり食感をキープしてくれるのである。

ということで、豆腐を作って、冷や奴を食べよう。モチモチしたヤツ。
豆乳とタピオカ粉で豆腐を作る。
豆乳とタピオカ粉で豆腐を作る。
しかし、豆乳ににがりを入れて固めて…みたいなちゃんとした豆腐は素人では作れない。
なによりモチモチしない。
そこでもっとシンプルに、豆乳にタピオカ粉を入れて固めてしまおうという手である。
弱火でずっとかき回さないと固まりすぎるので、地味に気は抜けない作業。
弱火でずっとかき回さないと固まりすぎるので、地味に気は抜けない作業。
豆乳にタピオカ粉を混ぜて鍋で煮たら、それをカタに流し込ん冷やす。

作り方でいうと、豆腐というよりもどちらかというと豆乳ゼリーとかそんな感じの食べ物である。
見た目はほぼ豆腐。しかしその実体は、モチモチすぎる豆腐。
見た目はほぼ豆腐。しかしその実体は、モチモチすぎる豆腐。
出来上がったものにカツオ節とワサビちょっと、そして醤油をかけていただきます。
豆腐味!でもモチモチする!豆腐なのにモチモチするよ!
豆腐味!でもモチモチする!豆腐なのにモチモチするよ!
かなり濃いめの豆乳を使ったので、まず口に入れると「味の濃い豆腐!」と思う。で、それを噛むと、もちもちもちっとした歯応えがくる。

噛んだ時の感触が豆腐じゃないけど、味は豆腐。うわーうわー、と軽く混乱するぐらいには変な豆腐だ。でも美味い。

文字で「モチモチした豆腐」って書いたら美味そうだろう。それがそのまんま、いま僕が食べてるやつだ。
これ、夏の暑い夜に食卓に出てたら、もうそれだけで「クワーッ」て言っちゃうくらい幸せだと思う。

もっとピュアに、モチモチ感だけを味わう

しかし、ただモチモチとした食感を味わいたいなら、豆腐にしなくてもいいだろう。

水とタピオカ粉だけでモチモチにすればいいじゃないか。
冷やした時のモチモチっぷりを感じさせる、この美しいとろみ。
冷やした時のモチモチっぷりを感じさせる、この美しいとろみ。
水とタピオカ粉を鍋で煮てカタに入れて冷やし固める。要するにタピオカ粉で作るわらび餅だ。

市販のわらび餅はだいたい片栗粉で作られているが、最近はタピオカ粉わらび餅も出回っているらしい。なるほど、みんな考えることは同じか。モチモチ好きなんだな。
つやつやで、ぷるぷる。そして間違いなくモチモチ。
つやつやで、ぷるぷる。そして間違いなくモチモチ。
わらび餅なんだからきな粉か何かかけてもいいのだが、せっかくなら純粋にモチモチ感のみを堪能したい。きな粉、邪魔だ。

このぷるぷるモチモチしたのを、そのままいただきこう。
素晴らしいシズル感。
素晴らしいシズル感。
あー。モチモチする…モチモチモチモチモチモチする…。味無いなー。
あー。モチモチする…モチモチモチモチモチモチする…。味無いなー。
スーパーで売ってる安い片栗粉のわらび餅も好きで食べるが、あれよりもかなりモチモチしてる。

そして、それをきな粉や黒蜜なしで食べることで、とにかく脳がモチモチ感を感じ取るのに専念できる。
歯にひんやりスベスベした断面が当たるのとか、噛んだ時の弾力を歯茎にかかる力で感じるとか、そういうのを読み取るのがとても面白い。

モチモチ食感が欲しいなら餅を食えばいい、というわけでもない。餅はモチモチするけど、歯に引っ付いたりして純粋にモチモチ感を味わうには良くない食べ物なのだ。

モチモチ感を純粋に堪能したいなら、純わらび餅が最高。超楽しい。
正直、甘味があった方が普通に美味しいとは思うけど。

ところでこれ、冷静に考えたら、四角く切っただけのタピオカだな。あの丸いヤツ。

タピオカ粉を買っておくことで、日々の暮らしがすごくモチモチにできることは分かった。これは間違いなく生活の質が向上したということで間違いないと思う。

モチモチ好きならタピオカ粉買って間違いなし。そして、いろんなものに入れてモチモチさせればいいのだ。
ごめん、やっぱりきな粉かけたら美味いわー。
ごめん、やっぱりきな粉かけたら美味いわー。
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