特集 2015年9月10日

この街にいちばん昔からある建物

街でいちばん古い建物をさがします
街でいちばん古い建物をさがします
バージニア・リー・バートンの「ちいさいおうち」。家のまわりがどんどん街になっていった結果、ちいさいおうちはその街で一番古い建物になった。

どんな街にも、一番昔からある建物がある。それはその街の「ちいさいおうち」だ。

それを探してみたい。
1976年茨城県生まれ。地図好き。好きな川跡は藍染川です。(動画インタビュー)

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一番昔からある建物を探す

その街のちいさいおうちを探したい、などとうっかりロマンチックなことを口走ってしまったが、やってることはいつもどおり地味なのだ。
たとえば渋谷駅前
たとえば渋谷駅前
ヒカリエはもう見慣れた感じがするが、できたのは2012年。つまり4年さかのぼると渋谷にはまだこの建物はなかった。

そんな感じで時間をさかのぼりながら、その当時にはまだなかった建物を視界から順番に消していくと、最終的に残るのが「ちいさいおうち」、つまりその街でいちばん昔からある建物だ。

イメージとしてはこんな感じ。
2015年現在の渋谷宮益坂の建物のうち、
2015年現在の渋谷宮益坂の建物のうち、
30年前もあったのはこれだけだ。
30年前もあったのはこれだけだ。
30年さかのぼるとずいぶん建物が少なくなってるのが分かるでしょう。こうやってさかのぼっていって、最終的に1つの建物が残るようすが分かったら痛快だなと思うのだ。

で、そのための仕組みを作った。

具体的には、渋谷の宮益坂周辺の建物ができた年を不動産サイトで1つ1つ調べて、地図に載せた。そうやってできたのがこれだ。

このすぐ上にある「昔にさかのぼる」というボタンを押してみて下さい。

2015年からどんどんさかのぼって、最終的に1つの場所が赤く残るのが分かるでしょう。

一番昔からある建物を見にいく

1950年付近までさかのぼっても残っている建物は2つある。

そのうち1つはこれだ。1953年にできた宮益坂ビルディング。
これです
これです
地上11階建て。いまでは普通の階数だが、当時は驚きの高層高級アパートとして憧れの的だったそうだ。「渋谷の上空に、棲まう。」みたいな広告も出ていたのかもしれない。
「古ビル探訪</a>」より
古ビル探訪」より
このビルにはすでにライターの梅田さんが2007年に訪れていた。住人が各階でポストに出した郵便物が、筒を通って最終的にこの白い集荷箱に集まるようになっているそうだ。すごい仕組み。

老朽化のため建て替えの話も出ているようだが、「ちいさいおうち」にならうならビルごと郊外に引っ越させてあげたいとも思う。

そして一番古いのはここ。
渋谷のんべい横丁
渋谷のんべい横丁
渋谷の宮益坂周辺は1945年にいちど丸焼けになっているが、のんべい横丁ができたのはその5年後。1950年。

渋谷駅のそばにやたら古びた飲み屋街があるでしょう。あそこです。
おでん屋さん
おでん屋さん
おでん屋さんの「なだ一」の建物は、1952年築。宮大工さんが建てたのを今でも使っているそうだ。

その後、すぐ隣を流れる川はフタがされ、地下鉄もなぜか空中を走り出し、若い人が大勢やってくる東京一の繁華街になった。いまや「ちいさいよこちょう」といっても過言ではない状況だが、まあ楽しそうなのでこのままここにいてほしいなと思う。
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