特集 2015年4月9日

鍋焼きうどんではなく「鍋焼きラーメン」を食べる

歴史ある鍋焼きラーメンを食べます!
歴史ある鍋焼きラーメンを食べます!
鍋焼きと言われると「鍋焼きうどん」が浮かぶ。土鍋に入った熱いうどんのことだ。愛媛県松山市では、この鍋焼きうどんが有名で、市内には通年で鍋焼きうどんを出すお店も多い。

そんな愛媛のお隣の高知県の須崎市では「鍋焼きラーメン」が有名だ。ラーメンが土鍋に入れられ、熱々で提供されているのだ。ぜひ食べに行ってみようと思う。
1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー)

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須崎の名物

ラーメンと言えば、普通は丼に入っているものだ。しかし、高知県須崎市には「鍋焼きラーメン」という名物がある。ラーメンが、鍋焼きうどんのように、土鍋に入っているのだ。戦後の食糧難の時代に生まれた食べ物だそうだ。
須崎市にやってきました!
須崎市にやってきました!
須崎市は現在では絶滅種に指定されているニホンカワウソの最後の目撃情報があった場所でもある。ちなみに最後の捕獲は隣の愛媛県。鍋焼きうどんが愛媛の名物であり、鍋焼きラーメンは高知の名物。ライバルみたいだ。
鍋焼きラーメンの看板にもカワウソのキャラが!
鍋焼きラーメンの看板にもカワウソのキャラが!
須崎市にはこの鍋焼きラーメンを提供しているお店がいくつもある。少し街を走れば、鍋焼きラーメンと書かれたのぼりが、風に吹かれている。観光客だけが食べるB級グルメではなく、地元の人も普通に食べる料理だそうだ。
ミニーの隣が鍋焼きラーメン!
ミニーの隣が鍋焼きラーメン!

鍋焼きラーメンを食べる

須崎市の鍋焼きラーメンは、ラーメン屋さんはもちろん、スナックや食堂、喫茶店でも提供されている。感覚的に須崎市ではラーメンと言えば鍋焼きラーメンのようだ。まずは鍋焼きラーメン専門店を訪れた。
まゆみの店(高知県須崎市栄町10-14)
まゆみの店(高知県須崎市栄町10-14)
鍋焼きラーメンにはいくつかの決まりがあり、スープは鶏ガラで醤油ベースであること、麺は細麺ストレートであること、などがある。そんな決まりはあるが、各店で様々な工夫を行っている。
ということで、
ということで、
これが鍋焼きラーメンです!
これが鍋焼きラーメンです!
沸騰した状態で提供するのも決まりらしく、土鍋の蓋をあけたら、湯気が待ってましたと飛び出して、私のメガネを曇らせた。

ネギや生卵、チクワや鶏肉が麺の上に乗っていて、具としては、鍋焼きうどんに近い。しかし、その下にあるのはラーメンだ。
熱い!
熱い!
最初の一口食べて分かったのは、「美味しい!」ではなく「熱い!」だった。沸騰しているのだから分かるだろ、と思うけれど食べたいという気持ちが強くて忘れていた。鍋焼きラーメンは熱いのだ。急いで飲んだ水が美味しかった。
改めて食べたら美味しかった!
改めて食べたら美味しかった!
注意深く食べた鍋焼きラーメンは美味しかった。普通の醤油ラーメンよりもずっと和風で、ダウンを奪うようなパンチ力はないけれど、最後の一口までも美味しいのが特徴だ。風邪をひいた時にも食べたくなる感じだ。
いろんな味の鍋焼きラーメンがあった!
いろんな味の鍋焼きラーメンがあった!

うつぼの鍋焼きラーメン

高知では「ウツボ」を食べる文化がある。ウツボはウナギのように細長い生き物で、噛む力も強い。東京の居酒屋さんやスーパーでは見ない魚ではあるが、高知では普通に並んでいる。
スーパーに並ぶウツボ
スーパーに並ぶウツボ
そんなウツボの鍋焼きラーメンが食べられる「すさき駅前食堂」(高知県須崎市原町1-5-20)
そんなウツボの鍋焼きラーメンが食べられる「すさき駅前食堂」(高知県須崎市原町1-5-20)
名物に名物を乗せちゃおう、という考え方が大好きだ。食べ物で言えば「カツカレー」、懐かしいアイテムで言えば「サザエボン」、最近の家電で言えば、ワイヤレススピーカーとLED照明を供えたパナソニックのエアコンが、このウツボ鍋焼きラーメンだと思う。
これが「ウツボ鍋焼きラーメン」です!
これが「ウツボ鍋焼きラーメン」です!
熱い!
熱い!
多くの生き物が学習していくものである。しかし、食べ物の前では、学習はできないのだ。食べたいという気持ちが、ゴールを決めたいと必死のストライカーの様に全面に出て、熱いのだ。
ちなみにこれがウツボです!
ちなみにこれがウツボです!
ウツボは表面が炙られ、とても香ばしいものになっていた。その香ばしさが鍋焼きラーメン全体に広がり、美味しい。ウツボは弾力があり、空気がパンパンに入ったボールを地面に叩き付けたみたいな歯ごたえだった。
美味しい!
美味しい!
鍋焼きラーメンにはいろいろな食べ方があり、卵を土鍋の蓋にうつしてとき、そこに麺を付けて食べる「すき焼きスタイル」というものがある。卵の甘さを存分に感じることができて、かなりオススメの食べ方だ。
すき焼きスタイル
すき焼きスタイル

スーパーでも鍋焼きラーメン

須崎市や高知市にあるスーパーを見ていたら、「鍋焼きうどん」と並んで、普通に「鍋焼きラーメン」も売っていた。お土産用ではなく地元の人が食べる感じ。地元に馴染んでいる食べ物であることが分かる。
鍋焼きラーメン!
鍋焼きラーメン!
高知のスーパーは東京ではあまり見かけないものが多くて面白かった。鍋焼きラーメンもそうだし、マンボウが売っていたり、ウツボが売られていたり、鰹の叩きが異常な量売られていたりなど。地元以外に出かけたら、まずはスーパーだ。
こういうタイプもあった!
こういうタイプもあった!

しめにご飯

最後は喫茶店で鍋焼きラーメンを食べようと思う。喫茶店と言えばコーヒーやトースト、ナポリタンくらいの軽食な感じがする。ちょっと頑張ったところでカツ丼だと思うが、須崎市の喫茶店では鍋焼きラーメンなのだ。
千秋(高知県須崎市原町1-9-13)
千秋(高知県須崎市原町1-9-13)
鍋焼きラーメンは各店が工夫をしている、と先に書いたが、キムチ入りのものがあったり、塩味のものがあったり、カレー味のものがあったりもする。戦隊もののヒーローのように、赤色の王道「鍋焼きラーメン」の脇を固めているのだ。
これは赤レンジャーの「鍋焼きラーメン」
これは赤レンジャーの「鍋焼きラーメン」
もう分かっていた。熱いんだろうな、と。しかし、私はもしかしてを信じる。自分で確かめるまではそうでない可能性もあるのだ。だから水が上から下に落ちるように勢いよく、麺を口へと運んだ。
もちろん熱かった
もちろん熱かった
鍋と言えば締めだ。鍋焼きうどんに締めがあるのか知らないが、鍋焼きラーメンには締めがある。汁にご飯を入れるのだ。麺を食べ終わった後にお願いすると、お鍋を持っていて、ご飯を入れてくれるのだ。
一旦、鍋を持って行かれ、
一旦、鍋を持って行かれ、
やってきました
やってきました
お鍋のしめ!
お鍋のしめ!
炭水化物「ラーメン」の締めに、炭水化物「ご飯」。天国である。ラーメンの汁にご飯を入れると美味しいのは知っているが、品がよくない気もしていた。でも、鍋焼きラーメンではそれが許されるのだ。だって、鍋なのだもの。むしろ自然な流れだ。
そして、自然な流れで熱い!
そして、自然な流れで熱い!
もう鍋焼きラーメン3杯目であるが、全然食べられてしまう。それはこの鍋焼きラーメンが優しい味だからだ。パンチこそないが、そのおかげで飽きのこない味になっている。締めのご飯だってそうだ。全然食べられる。熱いけど。
このシャツ欲しかった!
このシャツ欲しかった!

ラーメンは鍋焼きで!

ラーメンと言えば「中華」という感じだけれど、土鍋に入れられると完全に日本だ。味わい深く、一杯食べても、まだ行けるよ、となる。もちろん量が少ないわけではないので、満腹だけれど、食べられちゃうのだ。美味しい証拠なのではないだろうか。
須崎で鍋焼プリンのお店も見つけたけど、数年前にやめたらしい!
須崎で鍋焼プリンのお店も見つけたけど、数年前にやめたらしい!
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