ギンナンを拾いにいってきた
ご存知の通り、ギンナンというのはイチョウの実。日本国内では街路樹としてそこらじゅうに植えられているイチョウだが、世界的にみると大変珍しい種であり、絶滅危惧の扱いを受けていたりする。
そんなイチョウには雌雄があり、メスの木は晩秋になるとギンナンをたわわに実らせて、その恵みを落としてくれる。
ギンナンがウルトラマンに似ていることを証明すべく、その実を拾いにいったのは、昨年10月の台風一過。強風のあとはギンナンがたくさん落ちているサービスデーなのである。
北海道っぽいけど埼玉、ポプラっぽいけどイチョウの木。
ミカドコーヒーというコーヒー豆屋さん(おいしい)の焙煎工場前がオススメのポイント。
木が高すぎてよくわからないが、あの黄色いのが全部ギンナンなのだ。
目論見通り、地面には大量のギンナンが落ちていた。腐る前はそこまで臭くない。
写真を見ていただければわかると思うが、この状態ではまだウルトラマンには似ていない。この中身の種部分が似ているのである。
ところでギンナンはイチョウから落ちてくる実だけに、独特の好ましくない匂いを放っている(イチョウ=胃腸というダジャレ)のだが、この場所は焙煎工場の前なので、コーヒー豆の香ばしさが勝っているという珍しい場所だったりする。
ちなみに直売所でコーヒーを買うついでに聞いてみたら、ギンナンは柵の外でなら好きなだけ拾っていいとのことだった(臭いから)。
この実の中にウルトラマンの顔が隠れているのである。素手で拾うとカブレるので注意。
いくらでも拾える量が落ちていたが、この後が面倒なので程々にしておかなければならない。
ウルトラマンのために実から種を取り出す
収穫してきたイチョウの実がウルトラマンに似ていることを示すためには、ここから種を取り出さなければならない。
収穫してすぐは取り出しにくいので、ギンナンの入った袋に水を入れて、口を縛って果肉部分が腐るのを待つ。
水を入れて袋を縛って放置します。
そして一か月ほど寝かせたものがこちら。なかなかの臭さです。
これをなんやかんやがんばって、丁寧に種を取り出してよく洗えば、見覚えのある形が見えてくるはずだ。
ほらほらほら、この形!
よーく洗って、しっかりと乾かす。なんだかウルトラマンの卵に見えてきた。
ベランダで数日乾かしたギンナンは、もはや塗装を控えたウルトラマン人形の頭にしか見えない。
やっぱりギンナンはウルトラマンに似ている!
この状態のものを買ってくれば楽なのだが、やはり自分で収穫したギンナンのウルトラマンっぽさは格別である。
ギンナンにウルトラマンの顔を描こう
こうして手間暇かけて手に入れたギンナンは、このままでもかなりウルトラマンっぽいのだが、今回はよりウルトらしくするため、目と口と耳をチョチョチョっと描いてみた。
わざわざ塗装までしなくても、もう十分にウルトラマンに変身したといえるだろう。
ほら、ウルトラマンだ!
頭頂部と耳の凹凸は若干足りないものの、輪郭は完全に一致!
ちなみにギンナンに棒を刺すための穴を開ける方法だが、いろいろ試してみた結果、茹で玉子を作る際に穴を開ける道具がベストという結論に至った。
茹で玉子を剥きやすくするために、小さな穴を開ける道具が最高。
この穴に竹串を刺せば、ギンナンが100倍持ちやすくなる。
そしてギンナンはウルトラマンだけではなく、他のキャラクターにも似ているようだ。
屁のツッパリはいらんですよ。
ウルトラマン商店街にやってきた
このように落書きをしたギンナンを持ってやってきたのは、ウルトラマンを生み出した円谷プロダクションのあった祖師ヶ谷大蔵。
この駅周辺にあるウルトラマン商店街で、ギンナンのウルトラマンっぽさを試してみたいと思う。
駅前にあるウルトラマンの像にギンナンをかざせば……
やっぱりピッタリ!
後頭部もバッチリ!
なにをしているのかというと、遠近感を利用してウルトラマンの顔にギンナンを当てはめ、コンデジで写真を撮って遊んでいるのだ。
実際にやってみるまではそこまで自信がなかったのだが、これが見事にハマった!
こうして『ウルトラマンギンナン』が、祖師ヶ谷大蔵の地に誕生した。
そんな私をウルトラマンと同じポーズの警察官が見つめてい。
いろいろなウルトラマンに当てはめてみよう
ギンナンは平面ではなく立体物なので、角度を変えるればどんなウルトラマンにも当てはめることができた。
この遊び、すっごく楽しい。ピントをギンナンに合わせるべきか、ウルトラマンに合わせるべきか、カメラのオートフォーカスが迷うところもまた楽しい。
駅前の地図にいたウルトラマンに合体!いけ、ウルトラマンギンナン!
遠近感を利用すれば、壁画のような大きなものにも小さなギンナンが合う!
ポスターにだってバッチリだ!この3つって全部同じポーズですね。
スペシウム光線のポーズにもピタリとキマる!くらえ、臭い汁光線!
写真よりもイラストの方が味わい深いかな。
鳥だ!飛行機だ!いや、ウルトラマンギンナンだ!
角があるタイプだってへっちゃらだ!俺はギンナンから生まれたギンナンタロウ!
ウルトラマンギンガの新作映画にもなじむウルトラマンギンナン!
シンボル化されたウルトラマンにも、これこの通りである。
なんだったら違うキャラもウルトラマンにできるぞ!
こういうコーヒーの広告、あったような気もする。
ハ~イ、私がウルトラのママよ。
ウルトラの自撮り。
せっかくなのでストーリーも作ってみよう
こうなってくると、せっかく生まれたウルトラマンギンナンを使ったオリジナルストーリーを作ってみたくなるのは自然な流れ。
ちょうど持っていたギンナンの殻を割る道具が、有名な敵役のアレにピッタリだった。
オープニングテーマを口ずさもう。
ウルトラマン商店街をパトロールするギンナン。「このあたりはウルトラマンの街路灯が見守っているから安心だ!」
「よし、こっちはタロウががんばっているな。それにしてもカット690円は安いな!」
「おや、あの街路灯はなんだろう?この商店街はすべてウルトラマン型のはずでは……」
「おまえは、宿敵バルタン異星人!」「フォッフォッフォ、祖師ヶ谷大蔵のウルトラマン商店街をバルタン商店街にしてくれるわ!」
「そんなことをさせるものか!う、うわぁ~」「フォッフォッフォッ、このハサミでお前の頭を砕いてやる!」
「やられたー!」
「(変身が解けたおかっぱ頭の童顔な少年の顔で)誰か~助けて~!」 ※加熱していないギンナンの中身に目と口を描きました
「む、誰かの助けを呼ぶ声が聞こえる!」
「ウルトラマンギンナン チン登場!バルタン異星人、俺が相手だ!」 ※あのハサミ部分はクルミを割るためのもので、ギンナンはこの写真にある左下の丸い部分を使います
「フォッフォッフォッ、なにがチンだ。お前もこうしてくれるわ」「ギャー!」
「フォフォ?さっきのやつとは正体が違うようだな」
「そう、俺は宇宙エネルギーでチンされたギンナン、ウルトラマンギンナン チン!」
「くらえ、レンチンギンナンアターック!」「フォ、フォー!」
ドカーン!!!
こうして祖師谷大蔵の平和は守られたのであった。
やっぱりウルトラマンとギンナンは似ていた!
小芝居におつきあいいただき、ありがとうございました。ギンナンはおいしいのですが、食べすぎると中毒を起こすことがあるので気を付けましょう。
撮影で使用したギンナンは、スタッフがおいしくいただきました。