STOP!素朴詐称
「素朴な疑問」の8割くらいは素朴ではないといわれている。(自分調べ)
とはいえ、みんな悪意があって素朴を名乗っているわけではない。どんな質問が素朴であるかちゃんと定まっていないから、みんな謙遜して「素朴な質問ですが…」とか言ってしまうのである。
本当に素朴な疑問とはどんなものか。それを知ることで、無意識の素朴詐称を止めたい。
このコーナーでは、毎回、寄せられた疑問の「素朴さ」だけで優劣を決め、グランプリを選出する。
回を重ねるごとに、本当に素朴な疑問とは何か、その輪郭が徐々に明らかになっていく予定である。
傾向と対策
と、本題はここまでで、以下は補足である。募集開始に当たり、当サイトのライターたちに素朴な疑問を考えてもらった。こちらを参考に、素朴な質問を送ってほしい。
これは文句なしの素朴な質問である。
同様にこれも素朴だ。
「何味」はやはり強い。食いしん坊で、食べ物以外のことを何も考えてなさそうに見えるからだからだ。あと味の多様性を理解せず、全部「イチゴ味」「メロン味」とかに分類可能だと思っていそうな底の浅さもよい。
これがたとえば
だと味についての理解が進んでいて、素朴さが薄れる。さらに
だと素朴さゼロで、さっきの質問の後だとむしろ小ざかしい感じすらしてくる。
ほかにもこんな疑問があがった。
「なんでゴリラは格闘技に出ないの?」
(小柳健次郎)
これは味の話ではないが、社会の道理を理解できていない感じがよい。
総じて、アホっぽい質問は素朴なのだ。
考えない
アホっぽい質問は素朴だが、イコール簡単な質問ということではない。たとえば、
これは僕も答えられない難しい問題だが、素朴に思える。
「(奇祭で)おもちをどうして飲むの?」
(大塚幸代)
これも回答には民俗学的な素養が必要になりそうな難問だが、なかなかどうして素朴だ。
どちらも、質問者が、思いついたことを考えずにそのまま口に出してる。そんな雰囲気がよいのだろう。
だから、
こんな質問は素朴ではない。思ってから口に出すまで0.5秒以内の、鮮度の高い質問が素朴である。
論理展開ができない
「なぜおしっこをもらすとパンツをはきかえないといけないの?」
(大北栄人)
おしっこが漏れる→パンツが汚れる→パンツを履き替える、と容易に想像がつく3段論法だが、これが展開できない。この不器用さが素朴である。
事情が飲み込めていない
空気の読めなさは逆にピュアな感じがする。いいわ悪いかは別として。
おなじような疑問でも、
これは素朴な疑問ではない。責めの言葉である。
このように、同じような内容の質問でも、言い回しひとつで素朴さが変わってしまうことも注意してほしい。
以上、長々と書いてきたが、もちろん素朴のあり方ははこの限りではない。世の中にはたくさんの人間がいて、人間の数だけ素朴がある。まだ見ぬすばらしい素朴を目指して、ともに質問という名の大海原に漕ぎ出そうではないか。
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※疑問に対して回答はしませんのでご了承ください。