特集 2014年6月25日

ドライヤーがかっこいい!

えーと、目がアレですがこういうことです…
えーと、目がアレですがこういうことです…
この春、ドライヤーが壊れた。突如うんともすんとも言わなくなった。2001年に購入して13年。

私のあかぬけない頭部にむかって暖かい息を吐き続けた13年間。心からご苦労様でしたといいたい。

そして新しく買ったドライヤーは光線銃みたいでかっこよかった。ドライヤーをもっと鑑賞したいと思った。
1975年神奈川県生まれ。毒ライター。
普段は会社勤めをして生計をたてている。 有毒生物や街歩きが好き。つまり商店街とかが有毒生物で埋め尽くされれば一番ユートピア度が高いのではないだろうか。
最近バレンチノ収集を始めました。(動画インタビュー)

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これが壊れたドライヤー(SANYO製)。葬送曲とともに。
これが壊れたドライヤー(SANYO製)。葬送曲とともに。
13年ぶりのドライヤーショッピング。

このペースだとまたドライヤーを買い替える13年後、私は50歳を過ぎている。

その時にまだドライヤーを必要としているとは思えない。有り体に言えば、すっぱり禿げているに違いない。

次は無いと考えて、悔いのないドライヤー選びをしよう。熟孝を重ね、決意した。「いちばん銃っぽいドライヤー買おう」そして購入したのがこれだ。

テスコムのTID1000
先端から平べったいレーザー光線を出しそうな、SF味のあるフォルム。
先端から平べったいレーザー光線を出しそうな、SF味のあるフォルム。
決め手はデザインだけではない。吹き出し口のところがなんと…
ピカーッと。
ピカーッと。
光るのだ。青く光るのだ。

敵を殺傷せずに生け捕りにして拷問に持こむ必要がある、相手は味方もしくは親類縁者が侵略者に脳を操られている状態なのでいたづらに殺傷するわけにもいかない、みたいな時に便利な峰打ち用の弱い光線が出るに違いない。

かまえてみた。歳を考えずに架空の敵に向かって。
なんと気持ちいい。かまえるよろこび。
なんと気持ちいい。かまえるよろこび。
この高揚感はどうしたことか。地球を征服する悪いやつ。自転車の鍵穴にガムを詰める悪いやつ、松本清張「わるいやつら」みんなみーんな動くな、手を挙げろ。おれのブラスターが火を吹くぜ。

みんなのも見せてもらった

ただ髪を乾燥させる器具として生涯を終えさせるのはもったいない。彼らはもっと鑑賞されるべきだ。

みんな、おらに温風をわけてくれ!

というわけで、当サイトのスタッフのみなさんに事情を話し、ドライヤーを見せてくださいと頼んだところ、ハードボイルドなやつらが結集したのである。
編集部安藤さん
TESCOM TID134

うお!光線銃だ!パヨパヨした光線がでるぞ!
うお!光線銃だ!パヨパヨした光線がでるぞ!
流線型のフォルムにいい感じのボリューム感!これは構えがいがあるのではないか。

オーナーのコメント
「出口の形状がハンパないです」
私と同い年(ことし39さい)です。
私と同い年(ことし39さい)です。
かっこいい。この一眼レフカメラのフードのような先端はかなり強力なパヨパヨ光線を照射しそうだ。

メーカーのサイトによると、この隙間より外気を取り込みながら乾かし、温度が上がりすぎるのを防ぐらしい。しかしこちらの体温は上がりっぱなしである。


編集部古賀さん
National EH5441
うおー、これも出るわ。シャーって出るわ。
うおー、これも出るわ。シャーって出るわ。
2008年にパナソニックに統一され姿を消したナショナルブランドの逸品。

古賀さんいわく「完全に波動砲出るやつです」

すごいぞ、髪をかわかすどころかガミラス一網打尽だ。

いざ構えると女スパイ!かっこいい。
その、冷戦のバランスがどうにかなるマイクロチップをこちらにいただくわ。
その、冷戦のバランスがどうにかなるマイクロチップをこちらにいただくわ。
古賀さんからはもう1点

IZUMI DR310
いちいちスペースシップ。
いちいちスペースシップ。
これまたレトロフユーチャーな味わいにあふれている。

後ろにくっついているドーム状のフィルターにも思わず「ほほう」となる。
「蚊帳だ」送られた画像を見てとっさにつぶやいた。
「蚊帳だ」送られた画像を見てとっさにつぶやいた。
昭和の食卓だったらこの中にメザシとご飯、みそ汁、納豆などの小鉢が収納されて、出勤前の団らんを待ち受けていたに違いない。

ライターさくらいさん
Panasonic EH-NA94
みんなアングルを工夫しはじめました。
みんなアングルを工夫しはじめました。
さくらいさんからはパナソニックのナノケア。

「私は2~3年前までドライヤーを使う習慣がなかったのでこれが初めてのちゃんとしたドライヤーです」

「ちゃんとした?」そう、ちゃんとしていないやつは持っていたのだ。もう捨ててしまったので前に撮っておいたという(撮ってんのかい!)写真を見せてくれた。
なんか骨付き感が…
なんか骨付き感が…
いろいろ言いたいことがあるが、取り急ぎ目が笑っていない。首のあたりを持ってONスイッチを押すと、まあドライヤーなので口の先から温風を出すわけなのだが…
苦しそう…
苦しそう…
ターボにする時は「ものすごく強く握る」とかだったら嫌だな。そしてしっかり2カット撮影しているさくらいさんも尋常ではない。

編集部石川さん
National TURBODRY 1200 EH5211


石川さんも謎のメッセージと共にドライヤー写真を送ってくれた。「会社にすごいボンド(接着剤の)っぽいドライヤーの写真があるはずなので明日送ります。」

なんだボンドっぽいって。なんで会社にあるんだ。翌日送られて来た写真がこれだ。
あーわかる、わかるぞ!
あーわかる、わかるぞ!
こういうことか!速乾
こういうことか!速乾
ゲルっぽいカラーリングのノズルはまさに接着剤のキャップ。とどめはボディに貼られたセールスポイント「速乾」。ドライヤーとボンドがこんな形で接続されるとはゆめ思わなかった。

どうですかドライヤー。なんかよくないですか。
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プロ仕様も光線銃のように

さらに興味の矛先はプロフェッショナル方面へ。

美容院や理容店で使われている業務用ドライヤーである。詳しい事はわからないがあれ、すごいじゃないですか。なんかえらい勢いでボワーってすぐ乾くじゃないですか。ほのかな香りが立ちこめて、気がついたらトンって鏡おかれて「えり足とかどうですか」ってなるじゃないですか。

あれはかまえがいがあるに違いない。

行きつけの美容院で頼んでみよう。なんて頼もう。

たびたび登場する私の故郷、神奈川県厚木市の奥の方。植栽タイポが美しい鳶尾団地の近くにある美容院「びゅうてい アミー」
春はコントラスト全開で見ごたえあります。
春はコントラスト全開で見ごたえあります。
友人のお母様が経営していた関係で中学の頃より通い始め、東京に出た今でも通っている。

おかげでもう20年近く「長め、短め」以外の髪型の注文をした事がない。
クラシカルな調度品がエレガント。
クラシカルな調度品がエレガント。
ここでしか読む機会のない「女性自身」を堪能しながら現在、メインでカット、スタイリングを担当している高山さん(イケメンの男性)に聞いてみた。

「美容院のドライヤーってかっこよくないですか」

なに言ってるのとっとと帰りなよー。とか言われるかと思いきや、「お、ドライヤーなら少し前に買ったやつも捨てずに取っておいてるよ」

なんでみんなそんなにドライヤーに後ろ髪を引かれているんだ。
ドライヤー祭り。
ドライヤー祭り。
シンクロナイズドドライヤー。現在使用しているのは右側のシルバー2種。
シンクロナイズドドライヤー。現在使用しているのは右側のシルバー2種。
ずらりと揃ったドライヤー達、まずは現在使っているシルバーのドライヤーを見せてもらう。

■ TASHIN イオナイザーTS3200

流線型のスタイリッシュボディから死ぬ程イオンを出すよ!
流線型のスタイリッシュボディから死ぬ程イオンを出すよ!
--あー名前がいいですねー。「イオナイザー」僕のいいたいかった事はこれなんですよ。

「そこはよくわかんないけどいわゆる業務用ドライヤーにしてはゴツさがないよね」

--ちなみに家庭用ドライヤーと業務用ドライヤーの違いは何ですか?

「今は家庭用も性能が上がっているので一概には言えないけどパワー(風量)と耐久性かな」

業務用のドライヤーはお客様の髪を痛めないように、熱というよりも強い風で乾かす。耐久性に関しては1日に何人もの髪を乾かすのだから言わずもがなだ。

--ドライヤーを選ぶポイントは?

「持ちやすさはもちろん、髪をセットする時に冷風を当てるのでCOLDへの切り替えスイッチが押しやすい位置にあるかどうかというのは重要なポイントです」
なるほど!風の強さを切り替える(TURBOとか)のとは別になっているのが使いやすいらしい。
なるほど!風の強さを切り替える(TURBOとか)のとは別になっているのが使いやすいらしい。
「ちなみにこれを選んだ理由はもうひとつあって…」

--お、もうひとつあって?
スイッチオン!ピカー
スイッチオン!ピカー
「光るんだよ」

--おお、光るのいいですね!僕も光るの好きです。
ありがたいですよね光って。

「厚木っぽいかなー」

--厚木っぽいですねー。
※厚木出身のおっさん同士による心あたたまる偏見なのであまり気にしないでください。

--じゃあ銃みたいに持ってもいいですか。
やはり持ちでがある。
やはり持ちでがある。

■Nobby specialist NB1900

あーこれはいいわー、実にいいわ。
あーこれはいいわー、実にいいわ。
シンプルな直線と円形で構成された、武骨なガンタイプのプロポーションにシグナルレッドが映える。

冒頭で紹介したテスコムの業務用ブランド「Nobby」の製品で2~3年程前まで使用していたもの。

業務用ドライヤーとしては老舗ブランドで、軽量かつ高性能、耐久性にもすぐれ、サロンスタッフに広く支持されているらしい。
ギリギリのバランスで長いボディがすばらしい。
ギリギリのバランスで長いボディがすばらしい。
ファンの部分にはフィルター付き
ファンの部分にはフィルター付き
--ではすいません、銃のように…
持った瞬間気持ちがすごく入ってきた。テンションが流入してきた。
持った瞬間気持ちがすごく入ってきた。テンションが流入してきた。
「あーこれでやるとコンセプトがわかる気がする」

--ですよね、レーザー出る気がするんですよすごく。

「かっこいいけどなんかセーターとコーディネートしましたって感じがハードボイルドさを削ってるね」

■ヴィダルサスーン VSD-1200

ヴィダルサスーン!シャンプーだけじゃなかったのか!
ヴィダルサスーン!シャンプーだけじゃなかったのか!
知ってる!これはビューティーが東京だとしたらブエノスアイレスぐらい遠いところで生きて来た私でも知っているぞ。

おしゃれなおじさんがおかっぱの女性の髪を両手でわしゃーってやるCMを覚えている。女性が笑顔で首を左右に振るとまたもとのスタイリッシュなおかっぱに復帰するのだ。
これは後ろからのスタイルがすてき。バーニヤ感が。
これは後ろからのスタイルがすてき。バーニヤ感が。
向こうが先に撃ってきた感じで。パヨパヨ熱戦銃で反撃だ!
向こうが先に撃ってきた感じで。パヨパヨ熱戦銃で反撃だ!
あとヴィダルサ・スーンなのかヴィダル・サスーンなのかよくわからなかったけど正しいのは後者だということがわかった。
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ラスボス出てきた

いやあ、こんなわけのわからない話に付き合っていただいてありがとうございました。とおいとましようとしたところ、「そういえばこれもドライヤーだよ」と高山さんは壁を指差した。
え、これ!?
え、これ!?
「乾かすというよりはセットするためのもので、たとえば女性がパーティーなどの特別なイベントや着付けの際に髪を持ち上げてアップスタイルを作る時に使います」
オオヒロ「クレセント」。なんかもっと髪型を一から生成する感じの機械かと思っていた(なんだそれ)
オオヒロ「クレセント」。なんかもっと髪型を一から生成する感じの機械かと思っていた(なんだそれ)
「カーラー等で巻いた髪にこの機械でまんべんなく適温を当て続けてクセづけをします」

--なるほど、それをハンドドライヤーでやろうとしたら…

「できない事はないがえらく手間になって負担も大きいよね。このフォルムは効率よく全体に風を当てるためのものなのです」
ハッチも開くよ!
ハッチも開くよ!
--なるほど、そのためにドライヤーがこんなディスカバリー号で船外作業ができそうなくらいに大がかりになっちゃうんですねー。

装着してみた

あらためて見ると、どこかレトロSFを思わせる味わい深いプロダクト。
操作パネルもかっこいい!
操作パネルもかっこいい!
「ちょっとやってみる?」

見とれていたらかぶらせてもらえる運びとなった。
パイルダー
パイルダー
オン!
オン!
これはすごい。こんなものをかぶって視界をさえぎられるなんて大変なことだ。脳波で何か操縦できるじゃないかと思ったが、めまぐるしく顔~頭全体を撫で付ける、今までに無い風の感触にすっかり気を乱されてしまった。
妖怪「頭だけSF」
妖怪「頭だけSF」
偶然、私以外お客さんがいなかった休日の午後(ほんと偶然ですからね)、ドライヤーとの狂乱は続いたのだった。
■取材協力
びゅうてい Amie(アミー)
神奈川県厚木市

次は名物理容店のドライヤー事情を

友人のご両親が理容店を営んでおり、「ドライヤーを見せてはくれませんか」とお願いをしてみたところ、「別にいいよ」との事だったので神田へと向かった。
神田駅のガード下を線路沿いに秋葉原方面へ。
神田駅のガード下を線路沿いに秋葉原方面へ。
味わい深い高架下。看板の文字もすてき。
味わい深い高架下。看板の文字もすてき。
神田ふれあい通りのガード下の2階建てに店をかまえる藤井理容店。2階では飲食店「レスト」も営んでおり、そのユニークなスタイルや店主の藤井 泉さんの人柄が何度かテレビや雑誌でも取材されている名物店である。
スライド鏡のカウンターにパノラマ水槽。お客様の目を楽しませてくれる。着想から構造まですべて藤井さんのアイディアだ。
スライド鏡のカウンターにパノラマ水槽。お客様の目を楽しませてくれる。着想から構造まですべて藤井さんのアイディアだ。
2階の飲食店「レスト」カウンターも藤井さんの手作り!
2階の飲食店「レスト」カウンターも藤井さんの手作り!
そんなところに「いや、まあドライヤーなんですけどね」としょうがない話をしにあらわれた私を藤井さんは気さくに迎えてくれた。
こちらが藤井さん。お店は定休日「そんなおもしろいのかねえこれ」
こちらが藤井さん。お店は定休日「そんなおもしろいのかねえこれ」
「ドライヤーねえ、昔、はタオルでパタパタパターってやって乾かしたりしてそうねえ、昭和40年くらいなんて特に一般の人はあんまり持ってなかったよね。電気屋とかにも置いてなかったね。」

昭和47年に独立して理容店を開業。住み込みの頃から数えると理容師として50年近いキャリアを持つ藤井さん。

ドライヤー話の間にちょくちょく挿入されるバイタリティの高い昭和話もまた興味深い。早速お店のドライヤーを見せてもらった。

■万雄(ばんゆう) DY-3500

およそ10年程前に購入。経年を感じるモスグリーンが渋い。カモフラっぽくなっている。
およそ10年程前に購入。経年を感じるモスグリーンが渋い。カモフラっぽくなっている。
構えにかなり照れが入る。
構えにかなり照れが入る。
「俺が今一番使ってんのはこれだね」
とひときわ味のある1台を取り出した。
形は見た事あるけど…ずいぶんと年季が。
形は見た事あるけど…ずいぶんと年季が。

■Nobby NB-1000

ノビーだ!ちなみに向こうにいるのは看板猫のタマちゃん。
ノビーだ!ちなみに向こうにいるのは看板猫のタマちゃん。
--あ、これノビーだ。結構昔のやつじゃないですか。

「メーカーはよく知らないね。詳しくはおぼえてないけど20年以上になるかなあ。今はこれが一番使いやすいね」

--に、20年!丈夫ですねー。

「まあ見た目はさっきのなんかとくらべて武骨っていうかさ、古いけど昔のはやっぱ丈夫だよね」

--ここのロゴマーク?もかわいいですね。
NobbyのN(n)かな?
NobbyのN(n)かな?
「ああ、髪の毛と左のはなんだろうね、床屋のサインポールかな」

--ああ、言われてみるとサインポールですね。
あとやっぱこう、ずしっと重いですよね。新しいやつとくらべると。

「そうそう、重くて安定感があるよね。しっくりくるっていうかさ、これなんかはなんていうか近代的すぎて私は使わないね」
テスコムのイオンドライヤー(型番不明)奥様が使用している軽量モデル。
テスコムのイオンドライヤー(型番不明)奥様が使用している軽量モデル。
「あと最近のはさ、モードがいちいち多くてね。俺は普通にドライがあればいいけどね。クールもあんまり使わないし、ターボもいらないね」
当然だけど我々のホットなドライヤートークに心の底から興味がなさそうなタマちゃん。
当然だけど我々のホットなドライヤートークに心の底から興味がなさそうなタマちゃん。
おおよそ古い順に並べてみた。楽しい。
おおよそ古い順に並べてみた。楽しい。
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そしてお宝鑑賞

「これだって結構古いよ」
わ、美容院に続いてボスキャラっぽいのが。
わ、美容院に続いてボスキャラっぽいのが。
わー、ジャワ族から買ったんですかこれ(興奮)
わー、ジャワ族から買ったんですかこれ(興奮)
「これは遠赤外線当ててね、パーマ液を浸透させるんだよね。パーマのお客さんはこれで定着させるんだよ。風なんかも出るしね。これも20年くらい前かなあ」

しかも製品名が「ジュピター」って。これぜったいそっち意識してるでしょう。
ゴシュジンサマノ、パーマヲ、クルクルニ
ゴシュジンサマノ、パーマヲ、クルクルニ
話がドライヤーの範疇からはずれかけたところでたたみかける(もどせよ)

--このイスもかなり使い込んでますよねえ。

「ああ、それは床屋はじめた時だから、昭和47年に買ったやつだね。3台あったんだけど平成3年にこっちに移る時に1台手放したんだよ」
質実剛健。下のベースを塗り直した以外、特に大きな故障もないとの事。
質実剛健。下のベースを塗り直した以外、特に大きな故障もないとの事。
エンブレムの字体もかっこいい。
エンブレムの字体もかっこいい。
--変な話40年も壊れないイス作っちゃったらメーカー大変じゃないですかね。

「どうだろうね。そのぶん床屋を増やしてるんじゃないか」
手放した1台のプレート。こういうの取っておくのすごいなー。
手放した1台のプレート。こういうの取っておくのすごいなー。
「これだって40年代のやつだよ」

まだ引き出しがあるのか!藤井さんがなんだか懐中電灯の親分みたいなものを持ち出した。
「これは美顔器だね」
「これは美顔器だね」
「これでさ、赤外線であてて化粧品とかさ、浸透させるんだよね」

おもに奥様がお客さんに使っているものだそうだ。「美顔器」というにはあまりにも迫力のある1台。
取っ手の存在感。メーカーなどは不明。
取っ手の存在感。メーカーなどは不明。
エネルギー充填。ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ…
エネルギー充填。ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ…
「これドライヤーの記事じゃないのか」

あ、そうですそうです。純度の高いオレンジの光に吸い込まれそうになっていた私はドライヤーを手に取った。
最後はノビーで決め!
最後はノビーで決め!
■取材協力
藤井理容室
東京都千代田区

落ち込んだ時はドライヤーを握ろう

新旧のドライヤーをいろいろ鑑賞して理美容用品の意外に武骨なかっこよさに魅了された。

さあ、両手にかまえて目をこらそう。見えてくるはずだ、ドライヤーの先端から鮮やかな色彩を放ちながら放出される正義の光が。
友人のお父さんとサシでしっぽりいく展開に。
友人のお父さんとサシでしっぽりいく展開に。
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