特集 2014年5月7日

トリックアート風の記念写真を東京の観光地で撮る

エクトプラズム
エクトプラズム
観光地に行って記念写真を撮る時、ピサの斜塔を支えたり(こちら)タージ・マハルをつまんだり(こちら)した、浮かれた記念写真を撮るという文化がある。
あれ、楽しそうなのでぼくもやりたい。
鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。(動画インタビュー)

前の記事:難局においてはつい、楽をしてしまう~「いじわるなぞなぞ」の答えを考えてあげよう

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東京の観光地でもできないか?

こういった浮かれた記念写真は、ようするに遠近法を利用したトリック写真の一種だろう。
「ピサの斜塔 支える」で画像検索するとこの通り
「ピサの斜塔 支える」で画像検索するとこの通り
わりと手軽に撮れそうだし、何より楽しそうだ。

別にイタリアやインドまでわざわざ行かなくても、近場の観光地に行ってもこういうトリックアート風記念写真を撮ることはできるのではないだろうか。

ということで浅草にやってきた。
おなじみ雷門
おなじみ雷門
今回のこの記事は、東京に観光にやってきた人が、iPhoneで記念写真を撮る際にちょっと参考にしてもらえれば……という気持ちで書いている。
フォトショップなどの画像加工ソフトを一切使わず、上手くトリックアートっぽい記念写真を撮る方法を考えてみたい。

3点の距離をみきわめる

まずは被写体をどうイジるのか? を考えなければいけない。雷門で、パッと思いつくのは指で提灯をつまむ。というところだろうか?
こんな感じ?
こんな感じ?
……なんだかうまくいかない。まったく提灯をつまめてない。

被写体(提灯)に対して写る人(自分)が小さすぎるのだ。カメラに自分がもっと近づいてみる。
iPhoneを自分で持って撮影する
iPhoneを自分で持って撮影する
上手く行かない
上手く行かない
カメラ、映る人(私)、撮影対象物(提灯)の距離がうまくバランス取れてないからか、なかな上手く撮れない。

そのうえ、天気が良いので提灯の部分が影で暗くなり、手の部分と明るさが違いすぎてぜんぜんトリック写真っぽくなってない。
雷門前の観光センターで撮影してみよう
雷門前の観光センターで撮影してみよう
手の暗さを合わせるため、雷門前にできた観光センターの2階から撮影してみる。
うーん……
うーん……
提灯部分は明るくなったものの、今度は手前が暗すぎて手がボヤけてしまう。

うんこビルをつまむ

雷門はどう撮ってもトリックアート風になってくれない。うまくいかないことにいつまでもこだわっていても仕方がない。他に移動したい。

実は浅草でおもしろい写真が撮れそうな場所をもうひとつ見当つけてあるのだ。
スーパードライホール
スーパードライホール
ご存知、スーパードライホール。その形状から、通称うんこビルとも呼ばれ、親しまれているあれだ。ひと目見たら絶対忘れない、奇抜で印象的なオブジェ。これはいじりがいがある。ここでトリックアート風の写真を撮影してみたい。
ご存知、スーパードライホール。その形状から、通称うんこビルとも呼ばれ、親しまれているあれだ。ひと目見たら絶対忘れない、奇抜で印象的なオブジェ。これはいじりがいがある。ここでトリックアート風の写真を撮影してみたい。
ご存知、スーパードライホール。その形状から、通称うんこビルとも呼ばれ、親しまれているあれだ。ひと目見たら絶対忘れない、奇抜で印象的なオブジェ。これはいじりがいがある。ここでトリックアート風の写真を撮影してみたい。
お!
お!
明るい場所で撮ったのでなかなかの出来ではないだろうか? ただ、カメラにしても指先にしても、微妙に動くのでタイミングを合わせるのが難しい。

iPhoneのフラッシュはONにして、連写で撮影するのが良いかもしれない。

誰かに撮ってもらったほうがいい

次は口からエクトプラズムが出る風の写真を撮ってみる。
口から~
口から~
エクトプラズム!
エクトプラズム!
自撮りする場合、iPhoneの内側のカメラを使って、様子を見ながら撮ることは可能だが、ポーズによっては画面が見づらいのでなかなかいいショットが撮れない。
うげー
うげー
自分一人で写真を撮れないこともないのだが、やはり誰かに手伝ってもらって位置を調整しながら撮影してもらったほうが、うまく撮れる。

お尻からエクトプラズム

口からのエクトプラズムが成功したので、体の他の部分からもエクトプラズムを出してみたい。
指先
指先
なぜ笑顔なのか
なぜ笑顔なのか
お尻から吹き出すエクトプラズムは同行してくれたライターの地主くんに撮影してもらった。
あー、いいですよ、ちょうどいい感じです!あー、いいですよ、ちょうどいい感じです!
あー、いいですよ、ちょうどいい感じです!あー、いいですよ、ちょうどいい感じです!
……。
……。
ありがとう、浅草。
ありがとう、浅草。
まだ続きます。
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上野でも記念写真を撮りたい

東京の観光地といえば浅草だけではない。となり町の上野だって人気の観光スポットである。中でも西郷隆盛像は、東京観光できた観光客が必ず立ち寄り記念写真を撮影する、東京観光のイニシエーションみたいな定番スポットだ。その西郷隆盛像でうかれた記念写真を撮ってみたい。
ん~
ん~
おれでかすぎるな
おれでかすぎるな
西郷どんにチューをしようと思ったのだが、僕のほうがでかすぎた。これはちょっと無理があるかもしれない。
くっちまうぞー
くっちまうぞー
どうだろう? 掴んで食べようとすると、進撃の巨人みたいじゃないだろうか。進撃の巨人、読んだことないから巨人が「くっちまうぞー」なんて言うのかどうか知らないけど。

チュー写真が撮りたい

しかし、チューは惜しい。被写体の顔がもうちょっとデカければチューしてるように撮れるはず。……そうだ、上野といえば顔だけの大仏があったはず。あれならチュー写真が撮れるかもしれない。

ぼくが勝手に「顔だけ大仏」と呼んでいる上野大仏のある丘までやってきた。
よろしくお願いいたします
よろしくお願いいたします
バチがあたったら怖いので、懇ろにお念仏を唱えておく。
いいのか。いいのかこれ。といういささかの不安を感じつつ、ここは御仏の御慈悲におす
がりするつもりで、どーんといきたい。
んー
んー
チュー
チュー
あ、やっぱりいいかんじだ。
さすが大仏。顔のデカさはただごとではない。これ、もしかして前にかぶさるように写すともっといい感じになるかも……。
ブチュー
ブチュー
大仏さまの伏し目がちな表情がはにかんでいるようでリアルすぎる。しかし、恥ずかしさはこちらのほうが上だ。
あと、どうでもいいけど、この期に及んでお釈迦様が男性だったことを思い出す。

くじらがおしりに飛び込むとか

上野は顔だけ大仏だけではなく、他にもおもしろげな被写体が多い。例えば国立科学博物館のシロナガスクジラ。
あまり気づかないかも知れない
あまり気づかないかも知れない
このシロナガスクジラ、巨大さのわりにはあまり存在感がない。でもすごく変な形なのでトリックアート風記念写真を撮りやすいのではないかと思うのだ。
口に飛び込むシロナガスクジラ
口に飛び込むシロナガスクジラ
ほら、変なのが撮れた。
アメリカのカートゥーンだと、クジラを飲み込んだぼくが、ビヨーンとクジラの形になるパターンのやつだ。

お酒をガブガブ飲むことを「鯨飲」というらしいけど、まさにクジラを飲み込んでいる写真が撮れてしまった。
おしりに飛び込むシロナガスクジラ
おしりに飛び込むシロナガスクジラ
クジラの角度が絶妙で、おしりに入ったり、口の中に入ったりするような写真がすぐ撮れて素晴らしい。
浮かれた記念写真撮影において、東京国立科学博物館のシロナガスクジラは穴場スポットであることが判明した。
ありがとう、上野
ありがとう、上野

銀座の歪んだビルで記念写真

ところで、トリックアート風写真としてもう一つ撮りたいと思っているものが銀座にある。
最後にそこの写真をなんとか撮って終わりにしたい。
最初からゆがんでいる
最初からゆがんでいる
その撮りたいと思っているものはデビアス銀座ビルだ。数年前、突然現れたこのビルは、フォトショップで加工したとかじゃなく、最初からこういう形のビルなのだ。

この歪みを利用して、あたかも「手で歪ませた」みたいな写真を撮ってみたい。
あれ?
あれ?
デビアス銀座ビルの前の道は狭く、交通量も多いうえ、街路樹が邪魔でちょっとでも離れるとビルが見えなくなってしまう。

近づいて写真をとっても、光が反射して眩しく、うまく撮れない。

これはなかなか手ごわい。トリックアート風写真界のラスボスといったところだろうか。
こうか?
こうか?
指で押したら凹んだ!
指で押したら凹んだ!
微妙だけど、指でつっついて凹んだ。みたいにみえるようなきもしなくもない。そう、キャプションだ。キャプションに「指で押したら凹んだ!」って書いてあればそう見える。
見えるということにしたい。
このへんで写真を撮れば凹んだ風に撮れるぞ!
このへんで写真を撮れば凹んだ風に撮れるぞ!

東京でも撮れるトリックアート風記念写真

以上、長々と東京でトリックアート風記念写真を撮る方法を考察してみた。

今回は小道具を使わずに撮ったものばかりだけれど、玉こんにゃくが東京タワーに刺さってる風写真とか、フジテレビの展望台をビリヤードのキューで突いている風写真など、面白い写真がいろいろ撮れるかもしれない。
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