特集 2014年2月20日

猫がグイグイ来る島に行く

猫が積極的な島に行きます!
猫が積極的な島に行きます!
我々は猫に安心しきっている。猫は百獣の王「ライオン」と同じネコ科である。もはやライオンなのだ。それなのに猫をかわいいという。もっと危機感を持つべきなのだ。

そんな危険である猫がたくさんいる島が存在する。猫島である。ライオンと一緒と考えると日本のアフリカと言ってもいいかもしれない。そんな島に行ってみようと思う。
1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー)

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> 個人サイト Web独り者 彼女がいる風の地主恵亮

香川県の猫島

ライオンは自分よりも大きな生き物を狩ることがある。百獣の王と呼ばれる理由だ。ライオンと同じネコ科には、チーターやトラ、ヒョウなど獰猛な生き物が多い。ネコ科は怖いのだ。そんなネコ科がたくさんいる島がある。
香川県の多度津駅にやってきました
香川県の多度津駅にやってきました
香川県の多度津港から船で一時間ほど行ったところに「佐柳島(さなぎしま)」という島が存在する。この島には猫がたくさんいる。ライオンやトラと同じネコ科の猫がいるのだ。人はその猫を見てかわいい、と言うだろう。しかし私はそれに否を唱えたい。
この船で行く
この船で行く
船は轟音を響かせ海の上を進んだ。振動は肩こりをも治してくれそうな勢いだ。その先に猫がいる。皆がかわいいという猫。しかし猫は恐いのだ。噛むし、ひっかく。そのくらいのケガ、と言う人もいるだろう。違うのだ。ケガは嫌なのだ。痛いのは嫌なのだ。猫は恐いのだ。
冷たい風に潮の匂い
冷たい風に潮の匂い
しかし矛盾も抱えている。猫はかわいいのだ。かわいいけれど怖い。好きだけれど別れる、という淡い三文小説に近い感情を私は猫に持っているわけだ。要するに離れたところからは見たいのだ。かわいいから。しかしこの島の猫はそれを許してはくれなかった。
佐柳島に着きました!
佐柳島に着きました!

怖くてかわいい存在

乗った船は片手で足りるくらいの乗客でみな若い人だった。その人たち以外に佐柳島に人影はなく、小さな島が大きく感じられた。静かだ。しかし、しばらくすると黄色い声が響いた。それはアイドルを見かけた時のような声。猫がいるのだ。
すごいいる!
すごいいる!
さすが猫島。猫がたくさんいる。しかもその猫がグイグイと来る。考えてほしい。アフリカでライオンが人を見つけて寄って来たらと。怖いと思う。それと同じである。

コチラは友達でいたいのに、恋人くらいに差を縮めてくるのだ。猫をかわいいけれど、同時に怖いと思う私はそれを求めていない。でも、おかまいなし。猫はやってくる。
どん、
どん、
どん、どん
どん、どん
どどん!
どどん!
多くの人は喜ぶだろう。でも違うのだ。猫は恐いのだ。ライオンと同じなのだ。遠目で見るのがベストなのだ。ただしここの猫は人を見つけるとグイグイ来る。そこに迷いはない。こんな迷いのない人生を送りたいと思うが、現実問題として私は猫が怖い。
この猫を撮っていたのに、
この猫を撮っていたのに、
怖いとか言っていられないレベルで来る
怖いとか言っていられないレベルで来る

二つのお墓

これがライオンだったら命が危なかったな、という危機感を持って生活することが平和な日常を続けるコツだ。そんな危機感を抱かなくていい場所があった。お墓だ。この島では貴重な両墓制を見ることができる。ここにはなぜか猫がいないのだ。
猫がいないゾーン
猫がいないゾーン
両墓制は土葬が一般的だった時代のお墓で、埋める墓「埋め墓」と、手を合わせる墓「詣り墓」に別れている。と言っても、その二つのお墓の距離は近い。また土葬と言われると土を思い浮かべるが、ここでは小石がうずたかく積んである。珍しい光景だ。
埋め墓
埋め墓
詣り墓
詣り墓
お墓ゾーンを抜けると猫
お墓ゾーンを抜けると猫
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猫に馴れる

人は麻痺して行く生き物である。あきらめと言ってもいいかもしれない。もう黙っていても猫がグイグイ来るのだ。最初は怖くて逃げていたが、だんだんと逃げるのが面倒臭くなる。あきらめだ。
猫の写真を撮っているが、
猫の写真を撮っているが、
周りも猫だらけ
周りも猫だらけ
田舎の家と家くらいの距離で猫を見たいが、この島では猫が多くてそれは無理。どうしたって猫が周りに来るのだ。となると心の壁がだんだんと崩れてきてもはや猫が怖くなくなってくる。要はなれだ。きっとライオンもそうなのだ。食われなければだけれど。
子猫には触れるようになった
子猫には触れるようになった
でも、この距離が本当は適度!(90mmのレンズで撮っています)
でも、この距離が本当は適度!(90mmのレンズで撮っています)

大天狗と廃校

すれ違う人が猫よりも少ないこの島だけれど、かつてはもっと島民がおり、小学校も存在した。現在はその小学校も廃校となり、時間の止まった建物になっている。木造平屋の小学校。なかなか見れない小学校だ。
木造平屋
木造平屋
ザ・時間が止まった建物
ザ・時間が止まった建物
またこの島には「大天狗神社」という神社もある。天狗神社ではない。大天狗神社だ。「大変」だと手伝おうと思うが、「変」だけだともはや関わりたくない。それとほぼ一緒だ。大天狗神社なのだ。
行くのが嫌になるほど高い場所にある
行くのが嫌になるほど高い場所にある
山の上の方にあるので、そこまでの階段がまず大変だった。15分ほど登り続けた気がする。階段で15分はかなりである。さすが大天狗。もっとも辿り着いた大天狗神社はそんなには大きくは無かったが、ここまで来ることに大分疲れた。
大天狗神社
大天狗神社
間違いなく天狗だ
間違いなく天狗だ
こういうキツいところには猫はいない。猫も分かっているのだ。そんなに人はいない、だったら平坦で人がたくさんいるとこにいる方がエサを貰える確率が高いと。猫も賢い。しかし私にとってはセーフティーゾーンと呼べる。セーフティーゾーンは簡単には手に入らないのだ。
下の下(実に分かりやすいおみくじ。20円)
下の下(実に分かりやすいおみくじ。20円)

猫、猫、猫

大天狗神社で「下の下」というおみくじをひいてしまった。人は天狗になってはダメなのだな、と大天狗に言われたのだ。説得力がある。謙虚に控えめに生きることが大切なのだ。そんな教訓がこの島にはある。
でも猫は、
でも猫は、
全然謙虚ではない(グイグイ来てエサが貰えないと分かると去って行く)
全然謙虚ではない(グイグイ来てエサが貰えないと分かると去って行く)
グイグイ来る猫。これもまた生きて行くのに必要なことなのだろうと思う。積極性。そんな積極性を見せられると怖いがだんだんと小さくなり、かわいいが勝る。人間の心の掴み方を知っている。猫はずるい。かわいい。この感情をどうすればいいのだろう。抱きしめたい。小さくは怖いのでそれはしないけれど。
かわいい
かわいい
もう、好き!
もう、好き!

猫はかわいい

怖いのだけれどかわいい。それが猫だと思う。来なくてもいいのにグイグイ来るのだ。そんな空気の読まなさもまたいいのかもしれない。帰りの船でかわいかった、とつくづく思ったので怖さを上回るかわいさなのだろう。私もかわいくなろうと思う。かわいいが正義なのだ。
子猫には強い!
子猫には強い!
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