コラボ企画 2014年1月31日

着ぐるみなしでゆるキャラになる方法

別の切り口のラーメンマン。
別の切り口のラーメンマン。
ゆるキャラが人気である。

できることなら自分もゆるキャラになってちやほやされたい。しかし、いざなろうとするとどうしても着ぐるみがいるのだ。この着ぐるみ、作るとなるとデザインして発注して、と、なかなかハードルが高い(欲しくて調べた)。制作費だってばかにならない。

そこで我々は今回、着ぐるみなしでゆるキャラになる方法を考えた。これで手軽に人気者である。
1975年愛知県生まれ。行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。(動画インタビュー)

前の記事:おいしい水のおいしさを見える化する

> 個人サイト むかない安藤 Twitter

はじまりはイオンの新しいカップ麺

そもそもなぜ突然ゆるキャラになりたがっているのか。

事の発端はイオンが新しく発売するカップ麺「ジェーカップ」である。今回のコラボ相手だ。なんでもこのカップ麺、パッケージが人気投票をもとに作られた数量限定のものとのことで、見せてもらったところ、顔だった。おいしく食べている顔を表現しているのだとか。

なるほど確かに良い顔してる。
なるほど確かに良い顔してる。
このパッケージを見て、これならそのまま大きくするだけでゆるキャラになれるんじゃないかと思ったのだ。すでにキャラクター化されているので改めてデザインするまでもない。

というわけでこうなった。
赤はしょうゆ!
赤はしょうゆ!
ピンクはとんこつ!
ピンクはとんこつ!
青はとりしお!
青はとりしお!
三人そろって!
ジェーカップ!!!(すみません、装置とスタッフの都合上、3人並ぶことができませんでした)。
ジェーカップ!!!(すみません、装置とスタッフの都合上、3人並ぶことができませんでした)。
ゆるキャラもジェーカップの色に合わせて3色展開してみた。赤は戦隊ものでもよくある頼れるリーダー、ピンクはかわいく、青は知的に。単にパッケージに手足を付けただけなのに、見事にゆるキャラ化している。

ゆるキャラに詳しい二人で撮っています

ちなみに今回の企画は以前「ゆるキャラになりたくて」という記事を書いた僕が担当している。あの記事、実は他のライターさんの記事が間に合わなくて急きょ書いたものだったのだが、世の中何が起こるかわからない。

それから当サイトでゆるキャラといえばもう一人外せない男がいる。ライター西村さんである。
ふたりとも今年39才(ジェーカップの一つ後輩)。
ふたりとも今年39才(ジェーカップの一つ後輩)。

西村さんは以前、子どものふりをしてゆるキャラに年賀状を送り、返事をもらった上で罪悪感から謝りに行った経緯を記事に書いている(「年賀状をくれたゆるキャラに謝罪しにいく」)。ゆるキャラならおれたちに任せろ、という布陣で臨むコラボ記事である。謝る準備はできている。

撮影たねあかし

すでにお気づきの方もいるかもしれないが、我々が作ったジェーカップのゆるキャラ、これは実は合成写真である。合成といってもフォトショップとかを使うのではなく、現場で、アナログに合成した。

つまりこういうことだ。
撮影側。
撮影側。
!
今回の場合、ジェーカップが顔の役割を担っているので、僕は頭を隠した方がいいのではないかということになった。いやそれでは誰が入っているのかわからなくて残念だろう(おれが)と思ったのだが、考えてみると頭が出ているゆるキャラってホタテマンくらいしか見たことない。きっとこれでいいのだ。
というわけで頭は隠すことに。
というわけで頭は隠すことに。
遠近感を利用した簡単な手法に見えるが、きれいに合成するには実はいろいろコツというか工夫があったので、そのあたりを次のページで説明します。

どうやってカップ麺を浮かせるか

手前のジェーカップと後ろにいる人とを合成させるには、ジェーカップが宙に浮いている状態の写真を撮る必要がある。

どうやって浮かすか、これは悩んだ。
いろいろ試してみた結果。
いろいろ試してみた結果。
こんなのとか。
こんなのとか。
こんなのとかを経て。
こんなのとかを経て。
こうなりました。
こうなりました。
透明のアクリルの上にジェーカップを乗せることで、浮いているように見せるのだ。

カメラの設定にも気を付けたい部分がある。
どうしてもピント面を外れるとボケる。
どうしてもピント面を外れるとボケる。
手前のジェーカップと奥に立つ人との両方にピントを合わせるため、カシオのデジカメに付いている全焦点マクロという機能を使った。ピントをずらして撮影した写真を合成し、手前から遠方まで全面にピントを合わせてくれる機能だ。この機能を持つカメラがない場合にはピンホールレンズを自作してもいいと思う(ピンホールレンズで撮影すると手前から遠くまでピントが合います)。

もう一つ工夫したのは台座となるアクリル板への写りこみである。
そのまま撮るとどうしてもパッケージがアクリルに反射して写りこんでしまうのだ。
そのまま撮るとどうしてもパッケージがアクリルに反射して写りこんでしまうのだ。
そこでレンズの前にPLフィルターを入れた。
そこでレンズの前にPLフィルターを入れた。
PLフィルターはガラスへの写りこみや水面の乱反射なんかをカットしてくれる偏光レンズである。これでアクリルへの反射を消すことができる。

役者は揃った。

驚きのコストパフォーマンスの高さ

ここで強調しておきたいのはこのゆるキャラ撮影法のコストパフォーマンスの高さである。

今回用意した材料はざっと以下。
・カメラ 私物
・アクリル板材 1200円
・小型三脚 1700円
・PLフィルター 2000円くらい(私物)
・ジェーカップ 85円
新規購入品は全部で3000円くらいである。ゼロからゆるキャラになるために着ぐるみを発注したら、たぶん数十万円になるだろう。ジェーカップの85円という桁外れの安さも手伝って、思いつきでできる程度の支出に抑えられていると思う。みんなやるべきだ。
ただ、調整しながらの撮影にはかなり手間がかかりますが。
ただ、調整しながらの撮影にはかなり手間がかかりますが。
それからこういうことを外でやると恥ずかしさで関節が伸びきらないものだが、撮影場所として選んだお台場のこのあたりは休日ともなるとコスプレの人が随所で撮影会を行っており、僕らは少し違うのだが、おかげであまり気にされなかった。

というわけでこの通り、気ぐるみなしで見事ゆるキャラになることができた。
パーフェクト。
パーフェクト。
まるで巨大なジェーカップの気ぐるみを着ているかのような完成度である。ジェーカップに限らず、これからは商品が絡むコラボは全部手足を生やす方向で提案できないだろうか。車だろうが缶コーヒーだろうが、みんなゆるキャラにしたら可愛くなると思う。

次のページではその可能性について探ってみた。

ジェーカップ以外でもいけるのか

今回はたまたまジェーカップのパッケージが顔のイラストだったので簡単にゆるキャラになることができたが、では別の商品ではどうなのか。

いくつか試してみた。たとえばおにぎりなんてどうだろう。
「あー、これはすごいですよ。」
「あー、これはすごいですよ。」
撮影していた西村さんがおにぎりの向こう側でうなり声をあげる。

「うーん、これはすごい。これはいい。」

急いで駆け寄ってプレビュー画面で写真をチェックして驚いた。
確かにすごい。
確かにすごい。
なんというか、これはゆるくないだろう。幼稚園の学芸会でおむすびころりんをやるとしたらおにぎり役はきっとこういうことになると思う。子どもならばかわいいで済ませられるかもしれないが、我々は大人であり、例えばおにぎりメーカーとのコラボでこれを持っていくのはリスク高がすぎる。

そもそも顔が出ているのがひょうきんすぎるのだろうか。

隠してみた。
キシャー!
キシャー!
せんべいから手足を生やしてみたのだけれど、もう夢に出そうだ。前にアンパンマンとかドラえもんとか、子どもに人気のあるキャラはみんな丸い、と聞いたことがあったのだけれどおかしいな。

別の問題が発生したケースもあった。
ダリか。
ダリか。
たまごはそのフォルムから、手足が生えると可愛くなるんじゃないかと思ったのだけれど、このくらい白いとアクリル板への写りこみが偏光フィルターでも消し切れなくなるのだ。結果、シュールレアリズムみたいになってしまった。

他で試すと、やはり元のボディがある程度かわいくないとこの方法は成り立たないということがわかる。なんでもかんでもそのままキャラになるほど世の中甘くないのだ。

それでは最後にもう一度、完成度の高いゆるキャラとしてジェーカップ先輩に登場してもらい、締めのあいさつにかえたい。

顔に見えるパッケージはゆるキャラ向き

今回の試みでジェーカップのようにパッケージ自体が顔に見える商品はそのまま手足を生やせばゆるキャラになれることを確認した。ハトサブレとか銘菓ひよこなんかも手足を生やすと絶対かわいいと思うので、興味があったらやってみてほしい。早まって気ぐるみを作っちゃう前にこの手法で試してみるのもアリだと思います。
撮影後にはおいしくいただきました。
撮影後にはおいしくいただきました。

ジェーカップについてより詳しい情報はこちらの記事でも。

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