特集 2013年10月25日

20kmひたすらまっすぐな道を走ってみた

地形を無視してひたすらまっすぐ通っている道。これを走ってみました。楽しかった。そしてすごーくたいへんだった!(写真は三土さん撮影)
地形を無視してひたすらまっすぐ通っている道。これを走ってみました。楽しかった。そしてすごーくたいへんだった!(写真は三土さん撮影)
神奈川に奇妙なぐらいまっすぐな道路があるのをご存じだろうか。ぼくは知らなかったです。

その長さ20kmほど。あんまりにまっすぐなので、走破してみました。

いやあ、あんなに楽しくもしんどいとは予想していなかった。
もっぱら工場とか団地とかジャンクションを愛でています。著書に「工場萌え」「団地の見究」「ジャンクション」など。(動画インタビュー

前の記事:「うろおぼえマッピング」が楽しい!

> 個人サイト 住宅都市整理公団

どれだけまっすぐか見ていただこう

まずはそのまっすぐな道を走りながら定期的に撮った写真をGIFアニメにしてみたので見ていただこう。
街を、野を行き、高架をくぐり、山を登り谷を越え、ひたすらまっすぐ!
街を、野を行き、高架をくぐり、山を登り谷を越え、ひたすらまっすぐ!
この道はなんなのかというと、「横須賀水道道」という道だ。今回はその一部分である厚木から藤沢までを自転車で走った。

地図でみるとこんなだ。
赤い線が今回走ったまっすぐな部分。大きな地図で水道道の全体をご覧いただけます(経路はあんまり正確じゃないです)。
このスケールで見ると「そんなにまっすぐじゃないじゃないか」と思うかもしれない。東海道新幹線が同じように空気読まずにまっすぐなため、それと比べちゃうとふつうに見えちゃうのだ。しかし新幹線と比べちゃだめだ。あいつはおかしいのだ。

拡大してみるとこの道の奇妙なまっすぐっぷりがしっかりとわかると思う。
ほら!ちょっとおかしいでしょ?(大きな地図で表示
このまわりの道筋とまったく無関係に、あらぬ方向にひたすらまっすぐ走っているさまはどうだ。時速200kmとかで走るわけでもないのに。

ぼくは地図でこれを見つけて、ふるえた。

これは行ってみなければならない。ふるえたらやみくもに現地へ、というのがデイリーポータルZの信条だ。たぶん。

「こんなのがあるよ!」と話題にしたら同じようにふるえたのがライター仲間の三土さんと西村さんだ。うん、そうだよね、って感じのメンバーだ。すぐに地図とか地形とかを記事にしちゃういつもの顔ぶれだ。
やみくもに厚木駅に集合。ひじょうにおっさんくさい集まりとなりました。「ガッツポーズワークショップ</a>」の成果が活かされております。
やみくもに厚木駅に集合。ひじょうにおっさんくさい集まりとなりました。「ガッツポーズワークショップ」の成果が活かされております。
この道を自転車で走ってみませんか、とTwitterで参加者募集したところ、三土さんと西村さんのほかにデイリーポータルZの愛読者であるお二人もふるえ(上の写真はそのうちのお一人・高橋さんが撮ってくれたため、彼は写っていません。ありがとう、すまん、高橋さん)、計5名での「まっすぐサイクリング」が執り行われた。
駅からすこし移動して、相模川沿いのスタート地点(前記地図・赤い線の北端)へ移動。そこから見た風景。思わず「おおー!」って声を上げてしまった。ほんとうにまっすぐだ!
駅からすこし移動して、相模川沿いのスタート地点(前記地図・赤い線の北端)へ移動。そこから見た風景。思わず「おおー!」って声を上げてしまった。ほんとうにまっすぐだ!
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ところで「水道道」はなにか

その道中の様子の前に、そもそもなんでこの道がこんなにまっすぐなのかを説明せねばなるまい。

この「横須賀水道道」は、その名の通り水道の道。この道の下に水道管が埋められているのだ。「道」+「道」っていうのがいい。水道道を極める流派とかあったら「水道道道」になるな。

前ページの地図にあるように、中津川という川の上流の方から水を取り、この埋められた水道管を使って、横須賀の逸見という場所まで流している。その距離、50kmあまり。ただし、現在は使われていないそうだ。
スタート地点のすぐ後ろは相模川なのだが、その岸辺になにかがある。
スタート地点のすぐ後ろは相模川なのだが、その岸辺になにかがある。
そして、なにがびっくりって、これ自然流下なのよ!自然流下っていうのつまりポンプとか使ってなくて重力のみで流しているということ!50km先まで!すげー!

Wikipediaの「横須賀水道道」の項に詳しいが、なんせこれを作り始めたのが1912年(明治45年 / 大正元年)という歴史の深さ。100年前だ。「日露戦争後の軍備増強の結果、走水系統では供給が間に合わなくなった」ため、当時の海軍によって引かれたというしろものだ。水の確保ってたいへんなのだなあ。
相模川を越える水道管の橋が続いているのだった!壮観。赤のカラーリングもかっこいい。
相模川を越える水道管の橋が続いているのだった!壮観。赤のカラーリングもかっこいい。
この柵の向こう側に上の水管橋がある。そして注目すべきは…
この柵の向こう側に上の水管橋がある。そして注目すべきは…
管理が横須賀市であること。ここ海老名市なのに。さすが「横須賀水道道」!
管理が横須賀市であること。ここ海老名市なのに。さすが「横須賀水道道」!
で、なぜまっすぐなのかというと、貴重な位置エネルギーを無駄にしないためと、地面を掘り起こして管を置いて埋め戻すという作業をしなければならない、というふたつの理由により、なるべく最短ルートをとったほうがいいからだ。
三土さんによる「荒玉水道道路」を走った記事「道のまっすぐ具合を確かめる</a>」
三土さんによる「荒玉水道道路」を走った記事「道のまっすぐ具合を確かめる
この水道道はこの横須賀水道道だけではなく、全国にたくさんある(Wikipediaの「水道道路」に主なものが載っています)。

実はわれらがデイリーポータルZでも、2007年に三土さんが(やっぱり三土さんが!)「道のまっすぐ具合を確かめる」というタイトルで「荒玉水道道路」を記事にしている。さすがだ。

その三土さんの様子がなんだかおかしい

とまあ、まっすぐな道に惹かれがちなわれわれなのだが、その三土さんのようすがおかしい。
13時に自転車持って厚木駅集合だったのだが、スタート地点にやってきた三土さん、すでにへとへと。
13時に自転車持って厚木駅集合だったのだが、スタート地点にやってきた三土さん、すでにへとへと。
なんと、三土さん、ゴール地点である藤沢市から自転車でやってきたのだ。

…えっ!?
乗ってきた自転車を見たら「藤沢市」と!
乗ってきた自転車を見たら「藤沢市」と!
しかもフリーの身であるぼくにとってすごく不吉な名前(→「なんだか気になるママチャリの名前調べ</a>」)
しかもフリーの身であるぼくにとってすごく不吉な名前(→「なんだか気になるママチャリの名前調べ」)
ぼくを含め他の面々は折りたたみ自転車を電車にのせてやってきたのだが、三土さんはお持ちではなかったようで、レンタサイクルを利用。

「これから厚木まで行くんですよ、ってお店の人に言ったら『えっ!?』って言われました」とのこと。そりゃそうだ。

しかもママチャリ!変速なし!JOB NO!だいじょうぶかしら(だいじょうぶでないことが後に分かります)。
つまり、すでに本日のコース相当を走ってきてしまっているわけだ。往復だ。だいじょうぶかしら。
つまり、すでに本日のコース相当を走ってきてしまっているわけだ。往復だ。だいじょうぶかしら。
ちなみに西村さんは今回のために折りたたみ自転車を購入。いったいどちらが賢いのか。(ぼくをふくめ、だれも賢くありません)

「つらくなったらやめましょう」という方針の下、まっすぐサイクリングが始まりました。
後にこんなことになるとは、このときは誰も予想していなかった。
後にこんなことになるとは、このときは誰も予想していなかった。
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序盤、なかなかまっすぐ行けない

地図で見たように、水道道はまわりの道筋とまったく関係なくずばっと走る(まわりの道路はおおむね地形に従っている)。

実際走ってそのことを実感したのは、まず道路脇に建つ建物の向き。
建物が斜めというより、グリッドの住宅街を傍若無人に水道道が横切る、って言った方が正確か。
建物が斜めというより、グリッドの住宅街を傍若無人に水道道が横切る、って言った方が正確か。
このように、玄関が道路に面していない例が多い。

あるいは田んぼの中を斜めに走った結果、その周囲にいわゆる「ヘタ地」ができちゃったりする。ぐっとくる。
水道管の上は田んぼにできなかったので、不思議に斜めに走るあぜ道として残っている。
水道管の上は田んぼにできなかったので、不思議に斜めに走るあぜ道として残っている。
その田んぼの中になにやら標石が。
その田んぼの中になにやら標石が。
見ると「水道」と書いてある!おおー!こういうのうれしい!(一緒にポールが刺してあるのは稲が育つとこの標石が見えなくなっちゃうからだろうか)
見ると「水道」と書いてある!おおー!こういうのうれしい!(一緒にポールが刺してあるのは稲が育つとこの標石が見えなくなっちゃうからだろうか)
逆に、水道道がしばしば道路や線路によって斜めに遮られることによっても「ああ、傍若無人に走ってるんだなー」と実感する。
線路によって行き止まりになっているではないか。
線路によって行き止まりになっているではないか。
この道路(比較的新しい)ができる前はきっと線のように水道道がつながっていたはず。もったいない。
この道路(比較的新しい)ができる前はきっと線のように水道道がつながっていたはず。もったいない。
GPSロガーで記録した今回の移動ログ。前半部分はこのようにところどころ道がとぎれて迂回した(大きな地図で表示
斜めの道って、迂回するとすぐに見失うってことがわかった。
斜めの道って、迂回するとすぐに見失うってことがわかった。
一方、住宅街の中に不自然に斜めの道として一部だけ保存(?)されていたりもして、うれしい。
一方、住宅街の中に不自然に斜めの道として一部だけ保存(?)されていたりもして、うれしい。
あたらせっかくのまっすぐな道をもったいない。海老名市におかれましては、もっと水道道を大事にしていただきたい。横須賀市のものだからアレか。

そうそう、この「海老名市にありながら横須賀市のもの」っていう事実がところどころに見られて、それもおもしろかった。
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海老名市なのに!

スタート地点の水管橋が、海老名市にありながら横須賀市のものだったのと同様、この水道道全体がどうやら横須賀市の管轄(あるいはかつてそうだった)らしく、そこかしこに横須賀を主張するものが見られた。

たとえばマンホール。
さすが西村さん。見逃しません。
さすが西村さん。見逃しません。
「このマーク、横須賀の「ヨ」と「コ」を組み合わせたものですよ」へー!
「このマーク、横須賀の「ヨ」と「コ」を組み合わせたものですよ」へー!
海老名市で不法投棄すると横須賀市に怒られる。
海老名市で不法投棄すると横須賀市に怒られる。
途中、未舗装の区間があって、みると路面にロープが。
途中、未舗装の区間があって、みると路面にロープが。
「これって、駐車場みたいじゃないですか?」と興奮する西村さん。
「これって、駐車場みたいじゃないですか?」と興奮する西村さん。
すこし行くと看板が。おお、確かに駐車場だ!さすがだ西村さん。そしてその管理者はなんと横須賀市水道局。横須賀市が、というのもびっくりだが、そもそも水道局が貸駐車場を、というのも驚きだ。
すこし行くと看板が。おお、確かに駐車場だ!さすがだ西村さん。そしてその管理者はなんと横須賀市水道局。横須賀市が、というのもびっくりだが、そもそも水道局が貸駐車場を、というのも驚きだ。
一方、この看板は海老名市と横須賀市の連名。いろいろあるなあ。
一方、この看板は海老名市と横須賀市の連名。いろいろあるなあ。
こういう「横須賀市マーク」を見つけるたびに「海老名市なのに!」と驚いていたが、考えてみればインフラには「供給先の名義で他の市・県に出張っていっちゃう」というケースがたくさんある。ここんところ話題の東京電力の発電所なんかもそうだし。都営地下鉄が千葉県まで行っちゃうとかも。
ぼくが実際見に行ったことがあるものだと、埼玉県に東京都水道局の浄水場があった【→建設MiL「いちばん身近な大量生産品」】。

つまり、都市の巨大さは、それを支えるインフラが遠くまで出張せざるを得ない、という距離に現れているのだ。この横須賀水道道はその嚆矢とでもいうべきものなのかもしれない。お、なんかいいこと言ったぞ、いま。

申し訳ない

その水道局による駐車場エリアの水道道を走っていたら、前方に坂が!
その水道局による駐車場エリアの水道道を走っていたら、前方に坂が!
さて、最初のうちは迂回をさせられるものの、平坦だったので鼻歌交じりのサイクリング気分だった。 これなら三土さんもそんなにつらくなかろう、と思っていた。

しかし、とんでもなく甘い考えだったのだ。

上の写真にある最初の上り坂を皮切りに、このあとアップダウンに悩まされることになる。
最初の坂。「最近筋肉痛がなかなかとれないんですよねー」なんて言う余裕がまだあった。ずっと向こうに小さくちらっと見える木々がスタート地点。
最初の坂。「最近筋肉痛がなかなかとれないんですよねー」なんて言う余裕がまだあった。ずっと向こうに小さくちらっと見える木々がスタート地点。
自転車って坂になったとたんやっかいものになるよね。
自転車って坂になったとたんやっかいものになるよね。
すでに20数キロを漕いできた三土さん。だいじょうぶかしら。
すでに20数キロを漕いできた三土さん。だいじょうぶかしら。
しかも三土さんの自転車だけ変速機なしのママチャリ。

これ実は、ぼくのミスなのだ。twitterでやりとりをしているなかで「ママチャリでも大丈夫ですか?」と訊かれたぼくは、よく調べもせずこう答えたのだ。
自分のてきとうさを反省。ごめん、三土さん。
自分のてきとうさを反省。ごめん、三土さん。
ふだん地形地形言ってるくせにこのときはちゃんと調べてなかったのだ。まあ、厚木から藤沢への向きだったら、全体的に下りでしょ?ってぐらいの甘い見積もりだった。この場を借りて、改めて三土さんにお詫び申し上げたい。
背後に見えるのは東名高速道路。そしてみんなの苦笑いの先に見えるのは…
背後に見えるのは東名高速道路。そしてみんなの苦笑いの先に見えるのは…
「極端な坂はない」つったか、お前。
「極端な坂はない」つったか、お前。
おっさん5人、すでにへとへと。しかしまだ序の口だった。
おっさん5人、すでにへとへと。しかしまだ序の口だった。
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まっすぐに道を引くとはこういうことか!

考えてみれば「まっすぐに道を引く」ということは、地形を無視しているということだ。ということは、山を越え谷を跨ぎ、ということだ。いったい何年地形趣味やってるんだ自分。
たとえばこのすてきなV字の峡谷も
たとえばこのすてきなV字の峡谷も
丘の上に水道管を、位置エネルギーを無駄にせず埋めるために切り開いた跡なのだった。
丘の上に水道管を、位置エネルギーを無駄にせず埋めるために切り開いた跡なのだった。
このV字峡谷周辺は地形が複雑で、すぐ脇が谷戸になっていたり。
このV字峡谷周辺は地形が複雑で、すぐ脇が谷戸になっていたり。
脇に切れ込んで落ちていく地形とかほんと魅力的。そしてそこに木からタイヤをぶら下げた自作ブランコが!
脇に切れ込んで落ちていく地形とかほんと魅力的。そしてそこに木からタイヤをぶら下げた自作ブランコが!
乗りました!楽しい!今年41歳です!
乗りました!楽しい!今年41歳です!
また、この少し先にはその名も「水道みち公園」という小さな公園があって
また、この少し先にはその名も「水道みち公園」という小さな公園があって
公園の中にダイナミックな高低差があった。これも楽しそうだ。
公園の中にダイナミックな高低差があった。これも楽しそうだ。
せっかくなので水の気持ちになってみました。来月41歳です。
せっかくなので水の気持ちになってみました。来月41歳です。
そして、せっかく登ったのに、また下る。そして下ったらまた登る…
そして、せっかく登ったのに、また下る。そして下ったらまた登る…
こうやって写真で見る限りでは、実に魅力的な地形群だ。

しかし現場では次から次へと繰り出されるアップダウンにへとへとだった。下るということはすなわちその後登るということを意味している。幸せと不幸は常にセットである。大きな幸せはいらないから平坦な人生をお願いしたいと思った。
かっこいい給水塔が見えたので、あれを見る事を励みにこの難局を乗り越えようとした。
かっこいい給水塔が見えたので、あれを見る事を励みにこの難局を乗り越えようとした。
下りきった向こうに、次なるエベレストが。そしてよく見るとなんかへんだ。
下りきった向こうに、次なるエベレストが。そしてよく見るとなんかへんだ。
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よく水道通したよな

いやはや、走るだけでもたいへんなのに、よくぞ水道管通したよなー、と感心することしきり。

この3つめの坂の部分などはさぞかしたいへんだっただろう。
よく見ると坂の途中に塀のようなものがあって行く手を阻んでいる。ように見える。
よく見ると坂の途中に塀のようなものがあって行く手を阻んでいる。ように見える。
どうやら不安定な場所らしく、崩れるのを防ぐために擁壁が立てられている。これもまた豊かな地形ならではの現象だ。
どうやら不安定な場所らしく、崩れるのを防ぐために擁壁が立てられている。これもまた豊かな地形ならではの現象だ。
登ってみてダメだった、はつらいので地図を調べたりするが、よくわからない。
登ってみてダメだった、はつらいので地図を調べたりするが、よくわからない。
幸い、このときそばにすぐ横のお宅に住んでいるらしき方がいらっしゃったので「ここ、行けますか?」と訊いてみたところだいじょうぶだとのこと。なんのためにわざわざここ行くのか怪訝そうではあったが。
擁壁の突き当たりに行ってみると、うん、まあ、たしかにに行けなくはない。
擁壁の突き当たりに行ってみると、うん、まあ、たしかにに行けなくはない。
みんなで「JOB NO」を持ち上げます。
みんなで「JOB NO」を持ち上げます。

つかのまの平坦な人生

さて、この3つめの坂のあとは4kmほど平坦な水道道が続いた。道が平坦であるとは、こんなにありがたいことだったのか!と思った。
ありがたい。
ありがたい。
坂もさることながら、幹線道路などを無視して走っているために、沿道にコンビニなど商店がないのも困った点だった。喉が渇いてきたし、トイレにも行きたい。ちょっとお腹も減ってきた。

ようやく一軒コンビニをみつけたときはうれしかった。
以前加藤さんが「元コンビニ」について記事にしていた</a>が、これも元コンビニではないのか。元コンのコンビニ。
以前加藤さんが「元コンビニ」について記事にしていたが、これも元コンビニではないのか。元コンのコンビニ。
なぜかチーカマを選んだ三土さん。
なぜかチーカマを選んだ三土さん。
平坦楽しい。
いままでになく「細い道」にも出会ったが
いままでになく「細い道」にも出会ったが
平坦なのでへっちゃらだ。
平坦なのでへっちゃらだ。
そりゃそうだろうと思う。
そりゃそうだろうと思う。
前述の新幹線と交差する地点も、この平坦な区間にあった。来てみると、ものすごく低い高架ですてきだった。「大人の低ガードツアー」に負けない低さだ。しかも新幹線。すばらしい。
安藤さんがやっていた</a>ように裏側から新幹線を楽しみたい、と列車が来るのを待った。「来た!」って西村さんが走ったが、間に合わないほど新幹線は速かった。すいごいな新幹線。そりゃあれだけまっすぐに線路引くわ。(というか、そもそもこの高架はコンクリート床板で裏からは見えないのでした)
安藤さんがやっていたように裏側から新幹線を楽しみたい、と列車が来るのを待った。「来た!」って西村さんが走ったが、間に合わないほど新幹線は速かった。すいごいな新幹線。そりゃあれだけまっすぐに線路引くわ。(というか、そもそもこの高架はコンクリート床板で裏からは見えないのでした)
この平坦エリアで悔しかったのは、この「股くぐり鉄塔」。水道道がその股下を走っているのでワクワクしながら近づいたのだが、いすゞ自動車工場の敷地内だった。無念。
この平坦エリアで悔しかったのは、この「股くぐり鉄塔」。水道道がその股下を走っているのでワクワクしながら近づいたのだが、いすゞ自動車工場の敷地内だった。無念。
背伸びして見てみると、工場内にちゃんと水道道は続いていた。
背伸びして見てみると、工場内にちゃんと水道道は続いていた。
いつかいすゞさんにおねがいしてここを走ってみたい。
いつかいすゞさんにおねがいしてここを走ってみたい。
しかし、この幸せな平坦にも終わりの時がやってくる。4つめの大きな坂だ。
これまたすごい坂だ…
これまたすごい坂だ…
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三土さん、橋を架ける宣言

さすがに三土さんにも限界の色が見えてきた。
さすがに三土さんにも限界の色が見えてきた。
ほぼやけくそで挑んだこの4つめの坂。「ぼく、お金持ちになったらこの谷に橋架けますよ!」と言った三土さんの目は本気だった。

いやもうほんとに限界だった。

が、だめ押しのようにこの後、最後かつ最大の坂がやってくるのだった。
登り切ったら、また、谷。
登り切ったら、また、谷。

なぜか遭難しかかる

しかも、それだけではない。この最後の坂に挑むはずが、気がつくとなぜかぼくは薮を漕いでいたという事態に。
最後の坂は境川という川が削った谷。その底には国道一号線藤沢バイパスが走っていて、そこのどてっぱらに急坂の水道道が横切っているのが見えるのだが…
最後の坂は境川という川が削った谷。その底には国道一号線藤沢バイパスが走っていて、そこのどてっぱらに急坂の水道道が横切っているのが見えるのだが…
ここに上の写真の水道道に通じる道があるはずなのだが…どう見ても不法投棄が盛んな薮にしか見えない。とりあえず自転車を置いて偵察に。
ここに上の写真の水道道に通じる道があるはずなのだが…どう見ても不法投棄が盛んな薮にしか見えない。とりあえず自転車を置いて偵察に。
無理無理。ここは自転車行けない!
無理無理。ここは自転車行けない!
不法投棄の一部のようになってしまっている三土さん。やばい。もうまじで限界だ。
不法投棄の一部のようになってしまっている三土さん。やばい。もうまじで限界だ。
すっかり陽も暮れてきたタイミングで、つまり道に迷ったのだ。だって、地図にはちゃんとここが道として描かれていたんだもの。

さいわい、地元民たちが行き来している抜け道を発見し、なんとか水道道に辿り着くことができた。

できた、のだが。ここからが坂本番だ。
とうてい漕いで登れない急坂。しかも真っ暗でなんだか怖い。ひとりだったら絶対あきらめてる。
とうてい漕いで登れない急坂。しかも真っ暗でなんだか怖い。ひとりだったら絶対あきらめてる。
停めてあるクルマが転がっちゃうんじゃないかというぐらいの急勾配。
停めてあるクルマが転がっちゃうんじゃないかというぐらいの急勾配。
なんでこんなことやってるんだっけ?って気持ちになった。
なんでこんなことやってるんだっけ?って気持ちになった。
ついに頂上に辿り着いた!「疲れ果てているところを撮ってください」ってお願いしたが、演出するまでもなくほんとうにへとへとでなぜか笑いが出た。
ついに頂上に辿り着いた!「疲れ果てているところを撮ってください」ってお願いしたが、演出するまでもなくほんとうにへとへとでなぜか笑いが出た。
写真ではうまく伝わらないのが悔しいが、この坂はやばかった。この先にもうひとつ坂がある、とかだったら絶対リタイヤしていた。

が、これであとはゴールの藤沢まで下るだけだ!やったー!
ゴールまでもうあとすこし!
ゴールまでもうあとすこし!
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最後にすてきなプレゼント

ゴールが見えた!
ゴールが見えた!
ひどく疲れた顔なので小さめの写真でお送りします。
ひどく疲れた顔なので小さめの写真でお送りします。
ついにゴール!感無量である。

水道道自体は、まだまだここから横須賀の方まで続いているのだが、今回のゴールは東海道本線に突き当たったこの場所までにした。この先はあんまりまっすぐじゃないし、なによりこれ以上坂登るの無理。

そしてこの突き当たりの空き地におもしろいものがあった。まるでぼくらへのプレゼントのように。
一角に石碑が建っていた。
一角に石碑が建っていた。
「海軍用地」とある!
「海軍用地」とある!
冒頭で説明したように、この横須賀水道道は海軍が引いたもの。てきとうに決めたゴールにまさかこんなものが待っていたとは。ここは確かに水道道なのだ。

あらためてちゃんと地形を見てみよう

三土さんを中心に、われらを悩ませたアップダウン。あらためてちゃんとその地形を見てみよう。
国土地理院の5mメッシュ数値地図を「カシミール3D」で表示したものをキャプチャ・加筆(以下同様)。スタートが厚木駅付近、ゴールが藤沢駅付近。走った距離は22km強。
国土地理院の5mメッシュ数値地図を「カシミール3D」で表示したものをキャプチャ・加筆(以下同様)。スタートが厚木駅付近、ゴールが藤沢駅付近。走った距離は22km強。
ログの再生動画。地形図にのせたもの。平坦エリアの移動が速い。
断面図。これも同様に国土地理院の5mメッシュ数値地図を「カシミール3D」で表示・加筆。最後の谷がやっぱりすごい。
断面図。これも同様に国土地理院の5mメッシュ数値地図を「カシミール3D」で表示・加筆。最後の谷がやっぱりすごい。
こうして地形図を見るだけで、いろいろな思いが去来する。やっぱり実際走ってみないとね。つらかったけど。でも楽しかったよ。ップダウン。あらためてちゃんとその地形を見てみよう。
ゴール地点でふと振り返った見たら、あたりまえなんだけど、そこにはまっすぐな道が続いていた。
ゴール地点でふと振り返った見たら、あたりまえなんだけど、そこにはまっすぐな道が続いていた。
ゴールから走ってきた方を見て、なぜだか神妙な気持ちになった。このまっすぐ先にあのスタート地点があるんだなあ、と思うとすごく不思議な気分だ。

水はほっとくとまっすぐには流れないけど、いざ人間が効率よく流そうとすると直線にならざるを得ない。自然なんだか人工なんだかよく分からないけど、すごく貴重なことのような気がした。

たぶん疲れていたんだと思う。

またやってみても…いい…かな…どうかな…

これだけページ数費やしても書ききれなかったおもしろいものがまだまだたくさんあった。つかれたけど、ほんとうに楽しかったので、また走ってみよう。たぶん。きっと。おそらく。

(記事中、三土さん、西村さん、高橋さんの撮影した写真を使わせていただきました。ありがとう!)
ゴールから、さらに三土さんの自転車を返しにレンタサイクル屋さんに向かう途中、地図を見ていたら、むこうに花火が!青春っぽい!(今年41です)
ゴールから、さらに三土さんの自転車を返しにレンタサイクル屋さんに向かう途中、地図を見ていたら、むこうに花火が!青春っぽい!(今年41です)

【告知】「路上の七人」「ジャンクションさんぽ」「団地団トーク!」

11月頭はいそがしいです。イベントが3つもあるのです。DPZではいつもGPS地上絵でお世話になってる石川初めさんと路上ネタでトークする「路上の七人」が11月4日、秋風に吹かれながら川沿いのジャンクションをまとめて5つ鑑賞して回る「ジャンクションさんぽ」が11月9日(土)、そしてなんとWOWOW主催のイベント「Talkstock2013」に「団地団」として登壇します!こちらは11月10日(日)。

そして11月3日はぼくの誕生日です!

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