思い出の指輪とは
思い出の指輪というものが存在する。彼女との、彼氏との、一緒に過ごした時間が詰まった指輪のことだ。別れてからもふとその指輪を見ると一緒に過ごした時間が思い出される指輪だ。
思い出の指輪
問題はそんな思い出の指輪は誰もが持てるわけではないこと。指輪を買う仲の彼氏なり、彼女なりがいなければならないのだ。そのハードルの高さは飛んでいる飛行機の邪魔になるほど。しかし私はそのようなハードルを見事に飛び越える方法を発見した。
これが思い出の指輪になります!
ますは彼女との思い出を集める
世の中はとても便利なもので、女性のことを「彼女」と言う。たとえば「彼女は我が社のマドンナさ」のように、恋人でなくても彼女というのだ。つまり私たちの周りは彼女であふれているのである。
女性からお土産をもらう
思い出の指輪作りは、思い出の品や彼女からのプレゼントを集めることから始まる。これは別に難しい作業ではない。広い視野で考えるととても簡単な作業なのだ。
休暇明けなどに誰かに会うとお土産をくれることがある。多くの人に配るように買ってきたお土産であっても、女性からもらえば、彼女からプレゼントをもらったと言えなくはない。というか、言えるのだ。そこに嘘はない。これが「思い出の指輪」の第一歩である。
彼女からのプレゼント
お土産(プレゼント)だけではない。彼女と一緒にいる時間も思い出の指輪の材料となる。たとえば一緒に見に行った映画の半券を取っていたりする場合がある。一緒にいた時間の記録だ。ロマンチックではないか。このロマンチックな思い出も実は簡単に手に入る。
カフェで注文する
彼女と私の記録
女性の店員さん(彼女)にアイスティーを頼んだ。するとアイスティーとレシートを手渡してくれた。その瞬間、私と彼女は一緒の時間を過ごしたことになる。「ご注文は?」というような会話も交わしている。その思い出としてレシートを残すのはどうだろうか。彼女と行った映画の半券と全く同じことである。
彼女との思い出
このように彼女との思い出は簡単に手に入れることができるのだ。誰がなんと言おうと彼女との思い出であることは間違いない。あとはこれを指輪にすれば、それは間違いなく「思い出の指輪」である。思い出の指輪のハードルは低いのだ。
指輪を作ります!
思い出を指輪にする
集めた思い出を指輪にする。思い出は色あせるものなので、それを防ぐために思い出を樹脂で固める。彼女からのプレゼントである「ちんすこう」は腐るだろうし、思い出のレシートは文字が薄くなるだろう。それを防ぐための樹脂である。
レシートは切って、
樹脂で固める
思い出の指輪を作るには、彼女との思い出を集め、樹脂で固めて、その後に指輪の部分をくっつけるという流れになる。とても簡単だ。何も難しいことはない。我々は思い出の指輪を無駄に難しいものと考えていたのだ。
ちんすこうはせっかくなので少し食べて、
樹脂で固める
せっかくなので彼女との思い出ではないが、家にあったものも樹脂で固めてみた。秋田で買った「豆富カステラ」や「乾燥ワカメ」、「食べるラー油」など、樹脂は何でも固めてくれる。思い出であることには違いないので、これらも思い出の指輪だ。
時計も固める
腕時計も固めた。これは本当の彼女からもらった時計である。本当の彼女とは恋人のこと。大学時代に付き合っていた女の子で、彼女の家に行った時にこの時計を見つけて、「年季の入った時計だね」と言うと、「小学校の時に塾に行く時につけてたの」と彼女は言った。
そして、優しい笑みを浮かべながら「あげようか」と彼女は言い、私にその時計をプレゼントしてくれた。とてもかわいい優しい笑みだった。彼女はその直後に他に男ができたと言って私を振った。思い出である。現実の思い出は厳しいのだ。だから先述のような思い出の作り方は正しいと思う。
固まった樹脂に指輪をくつける
思い出の指輪の完成!
このようにして思い出の指輪が完成した。彼女たちとの思い出が詰まった指輪だ。こんなにも簡単に思い出の指輪を手に入れることができるならば、もっと早くから思い出を残しておくべきだった。
思い出の指輪たち
彼女との思い出のレシートはスターバックスのロゴを切り抜いたのだけれど、樹脂でインクが溶けたのか、ただの紙になっていた。早くも思い出が色あせている。でも、私は彼女との思い出を忘れない。指輪を見る度に思い出すだろう、あの日、一緒にスターバックスにいたという思い出を。相手は絶対に覚えていないだろうけれど。
思い出のネックレスもある(ちんすこう)
思い出の指輪は大きいので邪魔な時もある
指輪が大きいので日常生活に支障はきたすが、その大きさは思い出の大きさなのだ。だから日常生活に支障をきたしても仕方がない。思い出の指輪を持たない多くの者は知らないだろうけれど、思い出の指輪を手に入れた私には分かる。思い出の指輪とは邪魔なのだ。しかし、それを人は幸せと呼ぶのかもしれない。
もちろんこれでいいのか? と多少の疑問は感じていますが、考えないようにします
思い出の指輪はコンビニ感覚
普通に生活していたら意外にも女性との接点はある。逆も然りで、女性も男性との接点は多々あると思う。それを自分にいいように解釈して「思い出」と呼び、レシートを残したりして、樹脂で固めればいいのだ。思い出の指輪は安い。そして、着けると邪魔なので思い出の指輪なんていらない! となる。強がりではあるが、実際に作ったから言える強がりである。