特集 2013年4月10日

飛び出す雑誌を作りたい

広告効果もバツグン!
広告効果もバツグン!
雑誌やチラシなんかが飛び出す絵本の様になっていたら面白い。

しかし仕掛けが難しそうだ。なんとか簡単にできないだろうか。
東京葛飾生まれ。江戸っ子ぽいとよく言われますが、新潟と茨城のハーフです。
好きなものは犬と酸っぱいもの全般。そこらへんの人にすぐに話しかけてしまう癖がある。上野・浅草が庭。(動画インタビュー)

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時代は3D

いま時代は3Dだ。映画もゲームもカメラもみんな3D流行り。皆飛び出てくるものが大好きな時代なのだ。

と言う訳で今回は、飛び出す絵本をヒントにして身近にある紙媒体をどんどん飛び出させてみようと思う。流行るかもしれない。
これが飛び出す絵本。想像以上に凄い!
これが飛び出す絵本。想像以上に凄い!
図書館で飛び出す絵本を借りてきた。あれ?こんなに凝った作りだったっけ…。もっと簡単だった気がしたけれど、それは文具店で見た飛び出すカードの記憶だったかな。昨今の飛び出す絵本てとてもクオリティが高いんですね。
絵本を借りる前に作っていた飛び出すチラシ
絵本を借りる前に作っていた飛び出すチラシ
前もって作っていた自作の飛び出すチラシがかなり貧相に感じる。 見ての通り、ただカッターで切って折っただけなので仕方ないといえば仕方ない。
いったん畳んでしまうとあまり起き上がらない
いったん畳んでしまうとあまり起き上がらない
言うまでも無いが、こんな作りでは一度畳んでしまうと次に開いた時には起き上がらない。なぜか一部元気に起き上がったものもあったが、時間の問題だ。次に畳んだ時には起き上がる保証はない。
このように元気に起き上がるのもあったが、次は分からない
このように元気に起き上がるのもあったが、次は分からない
そこでヒントを得ようと、図書館で飛び出す絵本を借りてきた訳だ。しかし開いてみるとこのクオリティの差、見てられない。ようやく首がすわった赤ちゃんを背負ってX JAPANのライブに連れて行くくらい残酷な現実だ。私がここから学べることはあるのだろうか。
これだもの。意味が分からない
これだもの。意味が分からない
しかし一点気づいた。絵本をよく見てみると、飛び出すものはどれも本の中心の谷折り部分をまたがるように配置してある。ページを開く時、その谷折りが広がることで畳まれていたものが飛び出す仕組みなのだ。なるほどねー
こうすれば良いかな
こうすれば良いかな

違いはあるものの何とか飛び出た

飛び出す絵本の場合は既に立体のモノがあり、それをうまいこと畳んでいるイメージ。しかし私がやりたいのはただカッターでくり抜いた部分を立ち上げようとしているので同じ様にはできない。それでもなんとかならないかといじっていたら、上の写真のような折り方をすればある程度飛び出る事が分かった。
飛び出た!
飛び出た!
せっかくたくさん顔が並んでいるので頑張る
せっかくたくさん顔が並んでいるので頑張る
ちなみにこちらは女性用ウィッグの広告だ。飛び出す技術でさらに商品をアピールしたい所だが、果たして成功するだろうか。
いったん広告です
たくさん飛び出た~!
たくさん飛び出た~!

広告効果バツグン

見事飛び出させる事ができた。こうなると女性一人一人の顔をより一層見たくなるため、広告効果は高いだろう。

誰も手前左の人のウィッグがやたら値段が高い事に気づかない。値段よりも本来見て欲しいのはウィッグであり、目線を女性達に向ける事が大事。そして顔が面白いから何度も閉じたり開いたりをしてみたくなる。これは購買欲求を刺激される事間違いない。

大きな問題点

しかしこの方法で飛び出させる場合、1つ問題があった。谷折りにした線上にあるものだけしか飛び出させられないのだ。
これはいい感じでピザが飛び出てるけど(縦一列に綺麗に並んでるから)
これはいい感じでピザが飛び出てるけど(縦一列に綺麗に並んでるから)
バラバラに配置されてると飛び出させられるものは限られる。
バラバラに配置されてると飛び出させられるものは限られる。
飛び出させたいモノが谷折りの上に並んでいる場合この方法は向いていると言えるのだが、そうでなくバラバラに配置されている場合は適当ではない。谷折りをたくさん作りすぎると紙がしわくちゃになって何が何だかわからなくなってしまうし…。
やはり単純に立たせる方法で行こう
やはり単純に立たせる方法で行こう
それに縦長の文章なんかを飛び出させたい場合、真ん中が折り曲がっていては非常に読みにくい。

という事で早くも原点にかえり、単純に立たせるだけの方法に戻す事にした。畳んでもまた立ち上がる様に工夫する方向で考えよう。

雑誌にトライ

飛び出させる素材探していたらライターきだてさん発見。
飛び出させる素材探していたらライターきだてさん発見。
いい素材は無いかと探していると偶然にも当サイトライターのきだてさんが写っているBUN2(ブンツウ)という文具に関するフリーペーパーを発見。内容は「ネオ芸道旗揚げ!消しゴム香道」の催しのレポートだった。よし、これを次のサンプルに使わせていただこう。

クリアファイルの切れ端で

後ろにクリアファイルの切れ端を貼ってみる
後ろにクリアファイルの切れ端を貼ってみる
飛び出させたいモノの後ろにクリアファイルを細長く切ったものを貼りつけてみた。こうすればファイルが元の形に戻ろうとする反動で一緒に起き上がるハズだ。
これは何もしないで一度畳んだ場合。一つも起き上がりません
これは何もしないで一度畳んだ場合。一つも起き上がりません
そしてこれがクリアファイルを後ろに貼ったもの(動画)

縦文字が飛び出るとカッコいい

開く前から若干雑誌が浮き上がっているがそれは気にしないとして、全てきちんと立ち上がってくれた。飛び出し方は思ったより地味だったけれど、縦文字がスクッと立っている姿はスマートでカッコいいじゃないか。心なしか奥の方にいるきだてさんも誇らしげに見える。
なんかかっこいい!
なんかかっこいい!
大事と思われる部分、興味を引く部分を飛び出させてみた。しっかりと読む時間が無い人はこれだけでもだいたい内容が把握できる。まさに「目に飛び込んでくる」文章と写真。画期的仕組みである。

もっと勢いが欲しいとき

次はバネで飛び立たせたらどうだろう
次はバネで飛び立たせたらどうだろう
クリアファイルの切れ端を使って飛び出させる事が出来たのは嬉しかった。しかしさらなる欲求が出てきた。もっと勢いが欲しいのだ。
いったん広告です
先ほど飛び出させたテーマは「香道」であり、ゆっくり立つ位でちょうど良かったが、よりインパクトを高めるために勢いよく飛び出させるべきテーマもあるだろう。例えばボディビルディングの雑誌だ。
これは勢いが必要だろう
これは勢いが必要だろう

飛び出すボディ

余談になるけれど、この種の雑誌を見つけるのに意外と苦労した。どこに置いてあるのか分からず本屋を巡っている間に貧血になり10分くらい立ち上がれなくなるハプニングもあった。そんな貧弱な人間とは対局にいるボディビルダー達の為の雑誌。そこまでしてようやく見つけたのだ、なんとか成功させたい。(結局古本屋で発見)
バネでパンプアップ
バネでパンプアップ
もの凄いアピール力
もの凄いアピール力
これはボディビルダーの大会の結果が載っている号のようだ。何もせずともインパクトがあるが、こうして飛び出させる事で大会を生で見ているかのような臨場感がほんの少しだけ味わえる。思わず「キレてる、キレてる!」と心の中で声援を送った。
ひいきがないように皆にバネを仕込む
ひいきがないように皆にバネを仕込む
テープを持ち上げるくらい強い彼ら
テープを持ち上げるくらい強い彼ら
無駄な贅肉を削ぎ落し、極限まで鍛えぬかれたマッスルボディ。たとえ薄っぺらい紙であっても、飛び出す効果によって、その抑えきれない逞しさを読者にもっと伝えたい。さて果たしてうまく飛び出させる事ができるだろうか?
動画でどうぞ
ビョン、という感じでナイスポーズが飛び出た。いや飛び出たっていうか、もう飛び出てた。そもそもバネの厚みでうまく雑誌が閉じられないし、バネがキレイに縮まないしで、思ったようには行かなかったのだ。

もっとかっこよく、勢いよく飛び出させたかったのだが…私にはこれが限界である。しかしどうだろうか、立ち上がった彼らの顔は2次元の時より晴れやかで、満足げに見えるじゃないか。
絵本と並べたら城を守ってる戦士みたいになった。さすがインパクトは負けてない!
絵本と並べたら城を守ってる戦士みたいになった。さすがインパクトは負けてない!
横から見ると弱そうですけどね
横から見ると弱そうですけどね

もっとクオリティが高ければ

全ページじゃなくていい。毎日開く新聞や雑誌やチラシの写真・文章が、こんな風にたまに飛び出てきたら読むのが楽しくなるだろう。そして見ての通り広告効果は絶大。このご時世にバネというのは無いだろうと自分でも思うけど、いつの日か飛び出す紙媒体が流行ればいいな、と期待している。
この飛び出し方もアリだったな
この飛び出し方もアリだったな
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