特集 2013年4月8日

ぬいぐるみに剃りこみを入れる

剃りこみ、入れてみました。
剃りこみ、入れてみました。
剃りこみ、というヘアスタイルがある。

額の両端を派手に上の方まで剃りあげるのだ。

剃りこみによって人はだいたい凄みが増すのだが、ではもとがかわいいものはどうなるのだろうか。

ぬいぐるみで試してみた。
行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。愛知県出身。むかない安藤。(動画インタビュー)

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> 個人サイト むかない安藤 Twitter

オールド不良スタイル

今ではどうだかわからないが、僕が中学高校の頃は不良がかっこよしとされていた。

不良とはグレることである。その兆候は主に見た目に現れる。

長い学ランを羽織り赤い靴下を履いて頭をキメる。自分が不良であることをわかりやすく世間に知らしめるためだ。
あくまで20年くらい前の話ですから。
あくまで20年くらい前の話ですから。
若かりし日の僕は、不良かっこいいな、と思いつつも親の目とかを気にしてグレられずにいた。気持ちの上では盗んだバイクで走っている想定で、ハンドルをちょっとだけ改造した自転車に乗ってサボらずに学校に行っていた。

そんなある日、上の先輩が剃りこみを入れてきた。

雑誌とかでは見たことあったが、生で見る剃りこみはすごかった。なんだそれは、と。どうしてそこ剃っちゃったんだ、と。先輩は眉毛もほぼ剃ってたのでもうわけがわからなかった。
その頃、僕はスポーツ刈りと呼ばれる準坊主スタイルだった。
その頃、僕はスポーツ刈りと呼ばれる準坊主スタイルだった。
髪型ひとつで、というか剃りこみ二つで、人の印象はこうも変わるものなのか。かっこいい悪いは別として、先輩の剃りこみには周囲を黙らせる説得力があった。

ところで剃りこみとは、もとを正せばリーゼントスタイルへの憧れがあるのではないかと思う。

サイドを整然と流し、前髪を巻き上げながら立ち上げてセクシーにキメるのがリーゼントスタイルなのだが、髪の長さや質、生え際の形などによってそれが決まる人と決まらない人とがいる。これはもう髪質とか生え際の形の問題なので仕方がないことなのだ。そしてたとえ髪質をクリアしても、リーゼントをかっこよくキメるためには髪をかなり伸ばす必要がある。なかなかハードルが高い。
そこで剃りこみである。
そこで剃りこみである。
前述のとおり、リーゼントをキメようとすると、がんばって髪を伸ばして、さらにパーマかけるなりしてきれいに整えなくてはいけない。中学生でグレる人たちはもっと突発的にグレるのだ。髪なぞ伸ばしているヒマはない、いますぐグレたい。

そこで剃りこみが発明されたんじゃないかと僕は踏んでいる。剃りこみならば思い立ったその日に自分を変えることができる。たとえ短髪でも、剃りこみを入れることで50メートル離れてみたらなんかリーゼントっぽい人に見えるのだ。
剃りこみは短髪をかっこよく見せる手段なのであった。
剃りこみは短髪をかっこよく見せる手段なのであった。
今日はこの剃りこみが、どこまで効果のあるスタイルなのか、検証してみたいと思う。

元がかわいいものに剃りこみを入れて、かっこよくなるのかどうか試すのだ。
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ぬいぐるみに剃りこみをいれる

今日はこれから、かわいいものに剃りこみを入れるとどうなるのか試す。
このかわいさに異論はないだろう。
このかわいさに異論はないだろう。
まずは100円ショップで買ってきたウサギである。

最初ミッキーマウスとかドラえもんとかに剃りこみを入れたかったのだが、どこかから叱られるんじゃないかと思ってとどまった。気にせず剃れる無鉄砲さがあったなら、僕もきっと中学くらいでグレられていただろう。己を知るとはこういうことか。

なにはともあれ、ぬいぐるみの毛を処理するなんて初めてのことである。それなりに高揚感はある。
同時に罪悪感もある。
同時に罪悪感もある。
人の頭で剃りこみを入れる場合、たぶんバリカンやカミソリを使うのだろう。

しかしいかんせんぬいぐるみである。柔らかい毛をきれいに処理するため、まずは毛抜きで一本ずつ抜いてみた。
わかりにくいですが、剃り入ってます。
わかりにくいですが、剃り入ってます。
僕がぬいぐるみに剃りこみを入れている間、後ろで編集会議が行われていた。
僕がぬいぐるみに剃りこみを入れている間、後ろで編集会議が行われていた。
処理しながら気がついたのだけれど、ぬいぐるみって地の色が毛と同じなのだ。
両方剃りこみ完了。しかし目立たない。
両方剃りこみ完了。しかし目立たない。
だから剃りこみを入れてもさほど目立たないのだ。分かりやすいよう、頭の部分だけ染め直そうかとも思ったが、その前に抜いた毛をリーゼント風に盛ってみることにした。
抜いた毛を利用しよう。
抜いた毛を利用しよう。

成功

剃りこみ+リーゼント、ぬいぐるみにはこれが抜群によかった。
かっこいい。
かっこいい。
横から見るとさらにかっこいい。
横から見るとさらにかっこいい。
これはもう完全にツッパリである。

自画自賛だが、かなりかっこいい。無個性だったぬいぐるみにしっかりとした意思の芽生えを感じる。剃りこみはかわいさをかっこよさに変える威力を持っていた。

もう少しサンプルを増やしてその実効力を確かめたい。
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アライグマに剃りこみをいれる

続いてはアライグマである。

今回手に入れたアライグマのぬいぐるみ、ウサギに続きこれもそうとうかわいい。しかしウサギに比べ、やんちゃさというかグレる下地みたいなものも読み取ることができる。素地としては期待できそうだ。
前述の中学の先輩がグレる前に似てる。
前述の中学の先輩がグレる前に似てる。
アライグマの毛はウサギのような綿毛と違い、密集していてしかも短毛だった。これならばバリカンが使えそうである。
積み木くずし。
積み木くずし。
バリカンを使うことで、よりシャープな剃りこみを入れることに成功した。
うす。
うす。

バリカン便利

しかしバリカン、おどろきの便利さである。2分くらいで両側剃れてしまった(毛抜きのときは1時間くらいかかったのに)。そしてなにより、ここでも剃りこみの効果はてきめんであった。もう、アライグマ、完璧グレた。

剃っただけでも十分不良に見えるが、せっかくなので落ちた毛をリーゼント風に盛ってみたい。。
この方法、人にも使えないかな。
この方法、人にも使えないかな。
わー。
わー。
前髪を盛ってさらに完成度が上がった。

これは間違いないと確信した。ぬいぐるみに剃りこみを入れるとかっこよくなる。人気が出そうな予感がする。

そういえばかつてつっぱった猫が人気者になった時代があっただろう。かわいい×ワル=かっこいい(人気者)、なのである。あれと同じ方程式がここにも成り立っているといえる。

最後に例外になりそうなサンプルも用意した。

ヒヨコである。
ワルから一番遠いところにある存在といえる。
ワルから一番遠いところにある存在といえる。
どう見てもグレるには程遠いと思われるヒヨコに剃りこみを入れてみたい。このベビーフェイスが剃りこみだけでどこまで変わるのだろう。
バリカン使いにも、慣れてきました。
バリカン使いにも、慣れてきました。
剃りこみを入れてスタイルを整えたあとはヘアスプレーでキープしています。
剃りこみを入れてスタイルを整えたあとはヘアスプレーでキープしています。
さすがに無理かと思っていたが、これが見事に
グレた。
グレた。
ヒヨコ先輩、かっこいいッス。

不良というか、どちらかというとねじりハチマキが似合う職人風情でもある。いずれにせよ元のヒヨコの弱々しさはみじんも感じられない。守りたい、より守ってもらいたい存在になった。

ぬいぐるみに剃りこみを入れるとかっこよくなる、これに例外はないようだ。
ウス!うす!ウッス!
ウス!うす!ウッス!

ぬいぐるみに剃りこみを入れるとかっこいい

もはやまとめるまでのこともないが、ぬいぐるみに対しての剃りこみの効果は抜群だった。

だからといってたぶん人にそのまま当てはまるものでもないから注意したい。
そもそも髪のないウルトラマンには先に植毛から始めたのだけれど、やはりうまくいかなかった。
そもそも髪のないウルトラマンには先に植毛から始めたのだけれど、やはりうまくいかなかった。
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