特集 2012年2月25日

27年前のガイドブックでラーメン屋巡り

27年前のガイドブックでラーメンを堪能します
27年前のガイドブックでラーメンを堪能します
「ラーメン」。
それは多くの者を魅了する食べ物だ。もちろん四半世紀前にもラーメン屋はあって、ガイドブックまで出版されていた。

今回は1985年に出版されたガイドブックに載っているラーメン屋を巡りたいと思う。27年という時を経ても残っているラーメンは絶対に美味しいはずだ。
1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー)

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27年前のガイドブック

本屋に行けば多くのガイドブックが並んでいる。流行のレストランを紹介するガイドブックもあれば、オシャレなカフェを紹介するガイドブックもあるだろう。そして、美味しいラーメン屋を紹介するガイドブックだって存在する。
1985年に出版されたラーメン屋を紹介したガイドブック
1985年に出版されたラーメン屋を紹介したガイドブック
今回は27年前に出版された「ザ・ラーメンガイドブック」というガイドブックに載っているラーメン屋を巡りたいと思う。27年前といえば1985年。首都圏でオレンジカードの利用が始まり、アメリカでは映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が公開された年だ。
僕の生まれた年でもあります
僕の生まれた年でもあります
出版されて27年が経っているけれど、内容は現在のガイドブックと変わらない。お店のこだわりや外観の写真、地図などが紹介されている。

果たして載っているお店は今もあるのだろうか。27年の時を経て現在もお店があるならば絶対に美味しいに違いない。ラーメンが好きなので血が騒いだ。
最初のお店は渋谷にある「平和苑」です
最初のお店は渋谷にある「平和苑」です

渋谷・平和苑

最初に訪れるお店は渋谷にある「平和苑」。ガイドブックによれば、渋谷のカップルはやっぱ東京醤油味だそうだ。渋谷にそういう掟があるとは知らなかった。万人の舌を満足させるラーメンとも書いてある。楽しみではないか。
ということで、渋谷にやって来ました
ということで、渋谷にやって来ました
せっかく80年代のガイドブックでラーメン屋を巡るので、80年代のファッションをすることにした。その第一弾が「派手なカラースーツ」である。今の感覚では絶対に流行る要素がない気がするが、当時は流行っていたらしい。バブルの匂いがするファッションだ。
現代でのこの格好は、とにかく浮く
現代でのこの格好は、とにかく浮く
もしガイドブックに載っているお店が今もあればこの格好はむしろ馴染むかもしれない。その時代を経験したお店なのだから。そう自分に言い聞かせガイドブックの地図とにらめっこして進む。

その道中で気がついたのだけれど、誰もこの格好の僕を見ない。もしかすると僕が思っているより現代に馴染んでいるのかもしれない。あるいは係わりを持たないように、見ないようにしているのだろうか。
地図はこんな感じ
地図はこんな感じ
ということはこの通りにあるはず
ということはこの通りにあるはず
「平和苑」がある通りに辿り着いた。井の頭線の駅のすぐ近く。果たして今もあるのだろうかと胸が高鳴るが、ふと自分の格好を見て27年という時間の長さを感じた。そして今はお店がない気がした。だってこのファッションは完全に今はないのだから。
昔の平和苑
昔の平和苑
現在の平和苑
現在の平和苑
平和苑はなくなっていた。別のラーメン屋になっていた。トンコツがメインのラーメン屋らしい。醤油だった平和苑とは正反対だ。2階の感じは平和苑と似ている気もするが別のお店。27年の間に僕の格好と同じようになくなってしまったのだ。残念。
地図にあるアメリカ屋靴店はコーヒー屋になっていた
地図にあるアメリカ屋靴店はコーヒー屋になっていた

フュージョン感覚「メルシー」

次は高田馬場にある「メルシー」に行くことにした。名前に惹かれたのがその理由だ。ラーメン屋なのにフランス語というアンバランスなフュージョン感覚が若者に受けていたらしい。フュージョン感覚という言葉に懐かしさを感じる。
店名にインパクトがある
店名にインパクトがある
地図を見ると早稲田駅からすぐ
地図を見ると早稲田駅からすぐ
ということで、渋谷からメルシーに移動する80年代
ということで、渋谷からメルシーに移動する80年代
高田馬場から東西線に乗り「早稲田駅」にやって来た。学生の街だ。ガイドブックにも学生に人気と書かれている。地図を見れば駅からはすぐなようなので、今度こそ27年の時を越えたラーメンに出会えればと思う。
昔のメルシー
昔のメルシー
現在のメルシー
現在のメルシー
メルシーはあった。しかも当時の趣を僕の顔の濃さのように濃く残している。それは外観だけではない。内装も当時の感じなのだ。なぜなら僕の派手な格好が馴染むのだ。大気圏を突破するかと思うほど浮いていたこの格好が。タイムスリップしたようだった。
馴染んでる80年代
馴染んでる80年代

27年前の味をいただく

ガイドブックを見ると320円からラーメンがあったようだが、現在はラーメンが400円となっている。昔も今も安い。店内はすべてテーブル席で相席が基本。27年前から時間が止まったようなお店だった。
ラーメンを注文しました
ラーメンを注文しました
太い麺に煮干や鶏がらを使ったスープが特徴の醤油ラーメン。もちもちの麺にこってりとしたスープが、横腹を不意に突かれた時に出る「あ~」のような驚きの美味しさを演出している。安くて美味しい! これ以上に何を望めばいいのだろうか。27年という時間が経ってもお店がある理由が分かった気がした。
美味しくてぶれる僕
美味しくてぶれる僕

永福町「栄龍軒」

次に訪れるのは永福町駅からすぐの場所にある「栄龍軒」。味噌ラーメンにお酒が入っているのが特徴のようだ。看板とのれんで「りゅう」の字が違うところに惹かれてこのお店をチョイスした。
「竜」と「龍」どっちが正しいのだろうか
「竜」と「龍」どっちが正しいのだろうか
地図を見ると駅からすぐ
地図を見ると駅からすぐ
ということで、永福町を目指します(矢印の先が僕です)
ということで、永福町を目指します(矢印の先が僕です)
服装を変えた。
80年代ファッションの第二弾である。ケミカルジーンズにキャラもののトレーナー。トレーナーからは襟を出している。僕は80年代をあまり知らないので、もしこれが80年代のファッションでなかったらごめんなさいである。
永福町にやって来ました
永福町にやって来ました
地図が「行けたら行くよ」みたいにアバウトで、地図の辺りを歩いてみたのだけれど、「栄龍軒」を見つけることができなかった。そこで道行く人に「栄龍軒」の場所を聞いて、どうにか「栄龍軒」に辿り着いた。
昔の栄龍軒
昔の栄龍軒
現在の栄龍軒
現在の栄龍軒
花屋になっていた。道を教えていただいた方の話によれば10年ほど前に無くなったのだそうだ。ラーメン屋が花屋に。ガイドブックのキャッチには「一味違う」と書いてあったけれど、今は全く違うものになっていた。
地図にある三井銀行はドトールコーヒーになっていた
地図にある三井銀行はドトールコーヒーになっていた

笹塚駅「代一元」

夕暮れも迫ってきているし、ファッションに砂漠地帯の降水量よりも興味がない僕が、この格好にはさすがに恥かしさを感じ出したので、次のお店で最後にすることにした。笹塚にある「代一元」という当時から歴史あるお店だ。
ガイドブックの時点で歴史あるお店らしい
ガイドブックの時点で歴史あるお店らしい
笹塚駅の近く
笹塚駅の近く
昭和20年頃からあるラーメン屋のようだ。ラーメン屋はサイクルが早い気がするので老舗と言ってもいいかもしれない。ガイドブックにもラーメン屋としては老舗と書いてある。果たして今もあるのだろうか。
笹塚にやって来ました(トレーナーが派手なのが恥かしい原因だと思う)
笹塚にやって来ました(トレーナーが派手なのが恥かしい原因だと思う)
地図を見ながらまずは甲州街道を目指す。その道中には地図にある「ライフストア」が今も営業していた。この辺りは変わっていないのかもしれない。この格好では初めてのラーメン屋に出会えるのではとドキドキして甲州街道を渡った。するとそこに「代一元」は存在した。
昔の代一元
昔の代一元
現在の代一元
現在の代一元
パンダが爪楊枝をくわえて出てきそうな外観からスッキリした外観になっていた。27年という時間が流れたのだから当然の変化かもしれない。

味はどうなのだろうと思う。ガイドブックには、オススメメニューを聞くと「全部です」と言われた、というエピソードが載っている。
現在の値段(安い!)
現在の値段(安い!)
27年の時を超え、お店の人にオススメを聞いてみると「もやしとか、味噌ラーメンがよく出るね」とのことだった。27年という月日がたったのだ。外観以外にも変化はあるのだ。オススメにしたがって「もやしそば」を注文した。
オススメのもやしそば!(ボリューミーで嬉しい)
オススメのもやしそば!(ボリューミーで嬉しい)
細めの麺に鶏がらを使った少し酸味を感じる醤油ラーメン。適当に買った三段ボックスが隙間にピッタリはまった! というような絶妙な美味しさだった。僕の心の合奏団が大地讃頌を歌いだした。そりゃ老舗になるわ、と納得する味なのだ。
関係ないけどやっぱりお店に来るとこの格好が馴染む
関係ないけどやっぱりお店に来るとこの格好が馴染む
お店の人に話を聞くと、どうやら現在のこのお店は平成元年頃に移転したものらしい。平成元年だから僕の格好がギリギリ馴染むのだろう。ちなみに100メートルくらいの移転だそうだ。さらにちなみに一歩外に出ると光の速さで僕の格好は浮いた。
矢印の辺りにガイドブック当時はお店があったらしい
矢印の辺りにガイドブック当時はお店があったらしい

27年で初めての地主祭です!

今回は27年前のガイドブックでラーメン屋を巡った。やっぱり残っているお店のラーメンは文句なしに美味しかった。そして無くなったお店を見て27年という月日に長さを感じた。27年はやはり長いのだ。ちなみに僕も今年27歳だ。

そんな27年の僕の人生で初めての出来事が3月3日に行われます。それは「デイリーポータルZのサタデーナイトお台場地主祭」です。地主祭なんてお祭りは27年間の人生で初めて。2月27日発売の「昔のグルメガイドで東京おのぼり観光」の記念イベントでして、ライターさんに「昔」「昔と今」「50年」などをテーマにプレゼンしていただきます。ぜひお越しください。(詳細はコチラ
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