特集 2012年1月5日

古都鎌倉の真髄は城壁にあり

鎌倉は壮大な城壁によって囲まれた城塞都市なのです
鎌倉は壮大な城壁によって囲まれた城塞都市なのです
中世に源頼朝が幕府を開いた古都鎌倉。

そこには今もなお、鶴岡八幡宮や鎌倉大仏、それに鎌倉五山を始めとする寺院が密集しており、都心に近い観光地として賑わっている。

その為、鎌倉といえば寺社ばかりが有名であるが、しかしご存知だろうか。南を海に面し、それ以外の三方を山によって囲まれた鎌倉は、いわば天然の城塞都市。

鎌倉の真髄はその城壁部分、すなわち山にこそあるのである。
1981年神奈川生まれ。テケテケな文化財ライター。古いモノを漁るべく、各地を奔走中。常になんとかなるさと思いながら生きてるが、実際なんとかなってしまっているのがタチ悪い。2011年には30歳の節目として歩き遍路をやりました。2012年には31歳の節目としてサンティアゴ巡礼をやりました。

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城塞都市としての鎌倉

鎌倉という町を語るに際し、その地形を抜きにする事はできない。

頼朝が鎌倉に幕府を開いたのはその堅固な地形ゆえだし、寺社もそれらの山々が織り成す谷戸(小規模な谷)の地形をうまく利用して建てられている。

この地形、山々があってこその鎌倉なのだ。
由比ヶ浜から西を向いても山
由比ヶ浜から西を向いても山
東を向いても山
東を向いても山
また鎌倉は世界遺産への登録を目指しており、今月中にはユネスコに推薦書が提出される予定だが、その指定範囲は寺社のみならず山々も含まれている。

鎌倉は寺社よりもむしろこの山々の方が重要……といっては過言かもしれないが、まぁ、どちらもどっこいどっこいに重要なのである。

いささか前置きが長くなってしまったが、要は鎌倉を鎌倉たらしめるその城壁、すなわち鎌倉を取り囲む山々を、ぐるっと一周してみたいというワケです。
こんな感じに歩きますより大きな地図で表示

スタートは稲村ヶ崎から

まずは鎌倉城壁の西端、稲村ヶ崎から歩き始める事にしよう。

鎌倉幕府を滅ぼした新田義貞はこの稲村ヶ崎から攻め込んだというし、私もそれに倣おうと思うのだ。そう、鎌倉を攻めるには稲村ヶ崎から。
鎌倉は崖好きにもオススメです
鎌倉は崖好きにもオススメです
それではスタート
それではスタート
鎌倉の城壁を歩くというのが趣旨である以上、できるだけ山の上を行きたいところであるが、しかし稲村ヶ崎は国道134号線によりぶった切られており、そこから山伝いに進む事はできない。

なのでまずは住宅街を歩き、霊山山(りょうぜんさん)という山を目指す。霊山山の山頂には遺跡があるそうなので、登る道もきっとあるはずだ。

が、その山頂へ至る道が見当たらない。そんな高そうな山でもないし、とりあえず登れそうな場所から無理矢理アタックしてみる事にした。
ん、ここから登れそうな予感
ん、ここから登れそうな予感
と思ったら、そうでもなかった。しかし強行突破
と思ったら、そうでもなかった。しかし強行突破
急斜面を登り、藪を漕ぎ、しょっぱなから満身創痍
急斜面を登り、藪を漕ぎ、しょっぱなから満身創痍
尾根に出たら、細い道が伸びていた
尾根に出たら、細い道が伸びていた
おぉ、眼下には鎌倉の町並みが
おぉ、眼下には鎌倉の町並みが
うん、どうやら正しい道は他にあり、私はイレギュラーな場所から登ってしまったようである。

しかしまぁ、登り切ってしまったからにはこっちのもの。所々から見える鎌倉の景色を楽しみながら、山道を歩いていく。
正規ルートにはちゃんと目印があったんだな
正規ルートにはちゃんと目印があったんだな
しばらく歩くと、江ノ電の極楽寺駅前に出た
しばらく歩くと、江ノ電の極楽寺駅前に出た
全身に木の葉や笹をくっつけながら、ようやくひとけのある場所に出れてほっと一息。おそらく、ここから登るのが正しいルートだったのでしょうな。

なお、霊山山から続いていた山はこの極楽寺付近で一度切断され、再度北へと伸びていく。この辺りの山は登れそうにも無いので、谷戸に作られた住宅地を北へと進む。
鎌倉の住宅街って、瀟洒という言葉がぴったりだ
鎌倉の住宅街って、瀟洒という言葉がぴったりだ
谷戸の最深部から再び山に入る
谷戸の最深部から再び山に入る
程なくして、山道が鎌倉大仏から続く道路と交差する地点に出た。

鎌倉には、山を切り開いて道を通した「切通し」と呼ばれる古道がいくつか存在する。特に重要な七つの切通しは「鎌倉七口」と呼ばれ、そのうち五つが今もなお良好な状態で現存する

ここにはそのうちの一つ、「大仏切通し」が存在する。当サイトにおいても、過去に編集部の安藤さんがここを訪れ、俳句を詠んでいた(参考記事「おれ奥の細道」)。
良いよね、大仏切通し
良いよね、大仏切通し
連なる山々の要所要所に穿たれているこれらの切通しは、いわば城門のようなものである。

いずれもわざと道幅を狭めたり、また道の真ん中に岩を置いたりして、大勢の人馬が一気に攻め込んでこれないような工夫が見られる。
確かに、岩ごろごろで通りにくい
確かに、岩ごろごろで通りにくい
大仏切通しの西端にはこんな崖もあって圧倒される
大仏切通しの西端にはこんな崖もあって圧倒される
また平地の少ない鎌倉では、崖をくりぬいて作られた、やぐらと呼ばれる横穴式の墓も数多く見受けられる。この崖にある穴もそのやぐらだ。

鎌倉のやぐらについては、これまた過去に安藤さんが記事を書かれているので、そちらをご参照下さい(参考記事「鎌倉『穴場』スポット探訪」)。

さて、切通しを堪能した後は、再び元の山道に戻ろう。この大仏切通しから北へ行く道は「裏大仏ハイキングコース」として整備されているので、気軽に歩く事ができる。
とはいえ、こんなんだけどね
とはいえ、こんなんだけどね
なかなか雰囲気がある山道ですな
なかなか雰囲気がある山道ですな
山を上ったり下りたり
山を上ったり下りたり
ゴールは向こうの対岸。まだまだ先は長い
ゴールは向こうの対岸。まだまだ先は長い
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