特集 2011年11月10日

まっすぐな道

向こうまでまっすぐな住宅街の道
向こうまでまっすぐな住宅街の道
まっすぐな道が好きだ。

それも細ければ細いほどいい。二車線よりは一車線。一車線よりは歩道。

ただ、実際に見てみるとそれはただの道なのでなかなか共感を得づらいかもしれない。まっすぐな道の魅力をできるだけ紹介したいと思います。
1976年茨城県生まれ。地図好き。好きな川跡は藍染川です。(動画インタビュー)

前の記事:山手線の踏切の跡

> 個人サイト ツイッター(@mitsuchi)

三軒茶屋にあるまっすぐな道

何はともあれ、まずはまっすぐな道の実例を紹介したいと思う。こんなのです。
向こうまで道が続いてる
向こうまで道が続いてる
これは、三軒茶屋のキャロットタワーのあたりから西のほうへずっと伸びている道。向こうに車があって分かりにくいけど、信号の向こうもずーっと道が伸びている。
地図で見るとこんな感じ。三軒茶屋から弦巻まで、1km以上の道を、とくに太いわけでもない一車線の道が続いている。
もうちょっと西へ進んだ場所から。こんな道が1km以上続いている。
もうちょっと西へ進んだ場所から。こんな道が1km以上続いている。
こうやって見るとまあ、ふつうの道なんですよね。

でもこういう道に立って、道の先を見ていると、ちょっと怖いような、どきどきするような気持ちになることがある。それは、この先に自分の知らない町がどこまでもどこまでも続いているということを感じてしまうからかな、と思う。
これは逆にくねくねした道
これは逆にくねくねした道
一方で、くねくねして先が見えないような道の場合、この先を進むとどこに行くんだろう?ちょっと行ってみたい思わせるようなところがある。

それに比べて、まっすぐな道で先がずーっと見えていると、いったいどこまで続いているんだ、怖い、みたいな気持ちがちょっと入ってくる。
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鐘ヶ淵のまっすぐな道

つぎは、鐘ヶ淵。東武線に乗っていたときに、踏切から見えるまっすぐ伸びる道に目を奪われた。初めて鐘ヶ淵駅で降りて、見に行ってみた。
踏み切りの向こうに商店街がはるか続く
踏み切りの向こうに商店街がはるか続く
こちらも1km以上まっすぐな道だ。京成線の八広駅まで続いている。
覗き込むとこんなふう
覗き込むとこんなふう
車の列が途切れなくて分かりづらいのが残念なんだけど、ほんとはもともっと先までずっと道が続く。

鐘ヶ淵のいいところは、駅前にとても情緒があるところだ。
3丁目に夕日があたる感じ
3丁目に夕日があたる感じ
入り組む鉄道の設備
入り組む鉄道の設備
初めてこの駅に降りて、駅前の昭和感にやられ、さらに踏切からのびるまっすぐな道をみて、いったいどこに連れて行かれるのかとくらくらした。

近いうちに「とうきょうスカイツリー駅」になってしまう業平橋までわずか3駅である。感化されずこのままであることを願った。

多摩川まで続くまっすぐな道

まっすぐ続く道の長さという点では、なんといっても高円寺付近から多摩川まで9km以上もつづくこの道が最強である。
この縮尺でこのまっすぐ具合
地図を見ていて、この大きさでこんなにまっすぐ続く道を見つけることはあまりない。この道の正体は、まだこのあたりに何もなかったころにえいやっとまっすぐ引いた水道である。
一車線のまっすぐ具合はなかなか気持ちいい
一車線のまっすぐ具合はなかなか気持ちいい
地下に水道管をひき、せっかくだからその上を道路にした。この道には荒玉水道道路という名前がついている(実は4年前に同じようなことをして記事にしています)。
多摩川近くでは段丘を見下ろす景色になる
多摩川近くでは段丘を見下ろす景色になる
視界が開けると、冒頭でふれた怖さのようなものはなくなって、むしろ気持ちいい。どこまでも続いていってくれと思う。
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極端に細いまっすぐな道

道は細いほどいい。そして、細くなると今度はそれほど長くなくてもよくなる。

すごく細い、すこしだけまっすぐな道もまたいいものだ。実例をまたいくつか紹介します。
たとえばこういう道
たとえばこういう道
さっきまでと違って、この道は全長が20メートルくらいしかない。その代わり人ひとりやっと通れるくらいのすきましかない。

こういう道も「おっ」と思う。道を歩いていて見かけると、引き返して眺めて、通ってみたいなと思うくらいだ。
ここも通りたい
ここも通りたい
ここもかなり好きな道だ。この先は不忍池に続いていて、この細道はつまり不忍池にむかし注いでいた川の跡だ。ぼくはそういう川跡が好きなのだが、川跡が好きというよりもむしろ、そういう道のたたずまいが好きなのだ、ということに最近気づいた。
だからこういう道をみるとそわそわして、
だからこういう道をみるとそわそわして、
「通らねばならぬ!」と思うのだ。
「通らねばならぬ!」と思うのだ。
分かってるもらえるでしょうか。
分かってるもらえるでしょうか。
こういう道は、大きな通りどうしを意外な経路で結んでいることが多く、通り抜けると、ここに出るのか!という感動がある。

知らない場所を抜けたら、知ってる場所に出たときのうれしさってありますよね。
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まっすぐなその他の道

一方で、まっすぐだが(個人的に)あまりぐっとこない道というのもある。
まっすぐだが、4車線
まっすぐだが、4車線
まっすぐだが、線路
まっすぐだが、線路
・・ぐっと来ないと書いたものの、線路のほうなんか結構いい景色だな。やっぱり。

とはいえ、もうちょっと細い道が長いと、感じ方がまた違うのだ。たとえば、これは東長崎のまっすぐな道。
まっすぐで、住宅街
まっすぐで、住宅街
こういう道はやっぱりいいなと思うのだ。ただ、写真にしてしまうとただの道なので、どうしていいと思うのかを改めて考えてみた。

線路の場合、まっすぐな道の向こうへは電車がつれてってくれる。ぶっとい車道の場合も、この先へ行くのは自分じゃなくて車だと感じる。

ただ、住宅街の場合はちょっと違う。子供のころの感覚を思い出すと、いつも遊んでいるこの道がじつは知らない町にどこまでも続いているということにくらくらするようなところがある。特に交差点に立つときにそう思う。この4方向のどっちに行っても、ずっとずっと道が続いているということがちょっと怖い。

なのでそういう、歩くことしか手段がなかった子供のころの感覚をちょっと感じて、まっすぐな道にぐっと来るのかなと思う。

微妙なテーマを選んでしまった

まっすぐな道っていいなと思うのだけど、地図でたとえばそういう道を見つけて行ってみると、なんということもなくてがっかりしたりする。写真にするとなおさらそうだ。今回の記事も伝わりづらかったらすみません。

なんでだろうと思っていたのだけど、子供のころの体験にひきずられてるからだということに今回気づいた。微妙なテーマを選んでしまった感じはあるが、ちょっとでも伝わればうれしいです。
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