チャンスはあと5、6年
249種類もあるので、おそらく全てを食べるのはムリだ。今回は4種類しか食べていないけれど満腹だった。しかも、そのうちの3つはとにかく美味しく、ぜひまた食べたいと思っている。パイナップルはもういいや、と強く思うけれど。店主はあと5、6年で辞めるから早く来てね！ と言っていた。
お茶漬け専門＆イタリア料理
249種類ものお茶漬けを出すお店は、愛知県一宮市にある「お茶漬け専門＆イタリア料理ニューヨーク」というお店。専門の後にイタリア料理と続くところに若干の矛盾を感じるがお茶漬けの専門店である。
一宮駅
一宮市は喫茶店でコーヒーを頼むと、パンやサラダなどいろいろな物をサービスしてくれる東海地方独特のサービス「モーニング」の発祥の地。街を歩くとあちこちに喫茶店があり、ふらっと入った喫茶店が戦前からあるお店だったりと驚かされる。
駅に貼ってあったゆるキャラ（一宮だから138。ダジャレだ）
今回目指すニューヨークは一宮駅から徒歩15分ほど。その道中にお茶漬けの種類について考える。「梅と鮭と…」など頑張ったけれど10種類程度しか浮かばなかった。249種類は天文学的な数字な気がした。
人がまばらなアーケード街を抜けて
ニューヨークに到着！
店内はオシャレ店名はダジャレ
到着したお茶漬け専門店「ニューヨーク」の外観はお世辞にもニューヨーク成分はなかった。強いていえば星条旗という力技。でも、ニューヨークと書いてあるのでここで間違いない。
店内はオシャレ
店内はカウンターで全部で7席ほど。BGMとしてジャズが流れ、外観からはまず想像できないオシャレな空間になっている。
メニューを見ていて「ニューヨーク」という店名の理由も分かった。249種類だからニューヨークなのだ。駅で見たゆるキャラといい、一宮の人はダジャレが好きなようだ。
メニューを見ていて「ニューヨーク」という店名の理由も分かった。249種類だからニューヨークなのだ。駅で見たゆるキャラといい、一宮の人はダジャレが好きなようだ。
店名はダジャレ
今回はフルーツ茶漬けなるものを事前に予約していた。その旨を当日店主に伝えると「それだけだと罰ゲームになるから、違うお茶漬けも食べて行きなよ」とススメられた。いきなりの鋭いパンチだった。
249種類のほんの一部
龍馬を食べる
店主に話を聞くとお茶漬けのメニューは100点満点で70点以上が合格となりメニューに並ぶそうだ。ということで、まずは100点の「龍馬」というお茶漬けを注文した。
オシャレ！（龍馬980円）
戻りがつおを使い、その上にはオリジナルの味噌が乗るこのお茶漬け。自分でそのカツオをご飯の上に乗せ、カツオとコブからとった出し汁をかけて食べる。味噌のコクが素晴らしく、カツオは全く生臭くない。サラサラと箸が進む極上のお茶漬けだった。
めちゃくちゃ美味い
さすが100点満点のお茶漬け。僕の心の中の海原雄山が少年のように走り出し、幸せの海へと飛び込んでいった。しかも、その後溺れるのだけれど幸せそうだった。
お世辞抜きで美味しくて、変わったお店のつもりで来たのだけれど、それは間違いだったと気が付いた。名店だ。今回は名店紹介だ！
お世辞抜きで美味しくて、変わったお店のつもりで来たのだけれど、それは間違いだったと気が付いた。名店だ。今回は名店紹介だ！
次はこれ（醤油ベーコンマヨ茶漬け980円）
お茶漬け界には「あっさり」という暗黙の了解があると思って生きて来たけれど、それをあっさり破る、ご飯にベーコンとマヨネーズが乗った「醤油ベーコンマヨ茶漬け」。出し汁に浮かぶマヨネーズが僕の顔を少し曇らせる。
これは80点らしい
食べてみるとこれまた美味い。海原雄山が先の海に沈んでいった。
マヨネーズが小学生だったら、帰りの会で女子に「マヨネーズ君が自己中で困ります」と言われるだろう。
それくらい自己主張が強いけれど、出し汁がそれを上手に処理しており、くどくなく、むしろその主張を生かしている。そのために美味しいのだ。出し汁が肝だ。若い人は好きだね、と店主は言っていた。
マヨネーズが小学生だったら、帰りの会で女子に「マヨネーズ君が自己中で困ります」と言われるだろう。
それくらい自己主張が強いけれど、出し汁がそれを上手に処理しており、くどくなく、むしろその主張を生かしている。そのために美味しいのだ。出し汁が肝だ。若い人は好きだね、と店主は言っていた。
やっぱり美味しい！
金持ち気分のお茶漬け
次に食べるのは「フォアグラ茶漬け」。フォアグラといえば世界三大珍味の一つだ。僕は今までフォアグラを食べたことがない。まさかフォアグラ初体験がお茶漬けだとは思わなかった。
ド～ン（フォアグラ茶漬け1800円）
将来お金持ちになったら一度はやってみるだろうという豪華なお茶漬け。カルピスを濃く作る、カップアイスの蓋を舐めない、というレベルのお金持ちから、3ステップほどレベルが上がったお金持ちの食事だ。
輝いて見える
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フォアグラはプリプリ
フォアグラは醤油ベースで味付けされ、お茶漬けで食べるのに適したものになっている。単にご飯の上に何か乗せ、お茶をかければいい、というわけでなく、全てのお茶漬けが、お茶漬けとして美味しく食べられるように工夫がなされている。
出し汁をかける
初めてのフォアグラ。素晴らしく美味しい。フォアグラはプリプリとしており甘い。それがお茶漬けに馴染む。この時書いたメモには「美味い！」と何度も書いてあった。僕のボキャブラリーをあっさり超える美味しさなのだ。
笑顔がこぼれまくり
美味しすぎたのか、ちょっとしゃくれてるもんね
フルーツ茶漬けを食べる
最後に本日のメイン「フルーツ茶漬け」を頂く。季節によってフルーツは代わり、僕が訪れた時はパイナップルということだった。店主が「罰ゲーム」と言ったお茶漬け。果たして美味しいのだろうか。
ド～ン（パイナップル茶漬け1500円）
かけるものが今までの出し汁から、チーズやミルクを使ったソースに代わる。ご飯にはパイナップルが乗っている。斬新なお茶漬けで、そのトロピカル加減は50年くらい先を行っている気がする。
ソースをかけて、
薬味をのせて完成
先に食べたお茶漬けはどれもお世辞抜きに美味しかった。イタリア料理も出しているけれど、さすがお茶漬け専門店というだけある。そのような点から考えれば、いくら店主が「罰ゲーム」と言っても、きっと美味しいのだろうと期待している。
食べる
う～ん
美味しいか否かと問われれば、そのどちらでもない。ソースの酸味やパイナップルの甘みなどが、階段の踊り場で悪ふざけをしているような味だ。
店主は「美味しくないよ！」と言っていたけれど、確かに美味しくはないけれど、不味くもない。人生で一度だけは食べても損はない味だ。つまり僕の人生では二度と食べることはないと思う。一度は食べるべきだけれど。
店主は「美味しくないよ！」と言っていたけれど、確かに美味しくはないけれど、不味くもない。人生で一度だけは食べても損はない味だ。つまり僕の人生では二度と食べることはないと思う。一度は食べるべきだけれど。
後半はなんだか笑えてくる味だった
お茶漬けもイタリヤ料理も
このお店の店主はもともとイタリア料理を作っていたそうだ。そのため、お茶漬け専門店だけれど、メニューにはイタリア料理も並んでいるわけだ。キリンが好きだけれど、ゾウはもっと好き、みたいなことだろうか。
店主の金贅沢さん（60）
「10年前は永谷園のお茶漬けしかみんな知らなかった」と店主は言う。確かにお茶漬けといえば永谷園だ。それを逆手にとって、その珍しさや、和食が好きだったこともあってお茶漬け専門店を始めたそうだ。
ちなみにお店のメニューにも永谷園のお茶漬けはある
このような多くの種類のお茶漬けを作るには、イタリアンや和食、フレンチといった様々な知識が必要だそうだ。確かに何の知識もない僕は10種類くらいしか浮かばなかった。この道は険しい道なのだ。その険しさの一休みにフルーツ茶漬けがあったのだと思う。
お茶漬けではないイタリア料理も並ぶ
開店当初のメニューの数は一宮にあるから138種類だったそうだ。
その後はだんだんと増え、当初の予定だった249種類になった。今も新たなメニューは次々と考案され、不人気なものと入れ替わり、常に249種類ということになっている。
店名がニューヨークだから、249種類を保てているのだ。その縛りがなかったらさらにすごい数になっているだろうと思った。
その後はだんだんと増え、当初の予定だった249種類になった。今も新たなメニューは次々と考案され、不人気なものと入れ替わり、常に249種類ということになっている。
店名がニューヨークだから、249種類を保てているのだ。その縛りがなかったらさらにすごい数になっているだろうと思った。
コースもある
好物にフォアグラが加わった
お茶漬け専門&イタリア料理 ニューヨーク
090-1754-2490
愛知県一宮市真清田1-2-1
昼：11：30～13：30
夜：18：00～22：30
フルーツ茶漬けは予約が必要です
090-1754-2490
愛知県一宮市真清田1-2-1
昼：11：30～13：30
夜：18：00～22：30
フルーツ茶漬けは予約が必要です
