工場直売のアウトレットらしいです
桔梗屋の読み方がわからないまま大興奮でやってきたのは、お菓子工場直営のアウトレットショップ。
この旅を企画した人によると、なんでも信玄餅の詰め放題は、最近テレビでもよく取り上げられており、大人気で行列覚悟なのだとか。
詰め放題は朝の九時半からなので、それまでには着くようにと出発したのだが、中央道の渋滞が予想以上で、15分遅れの到着となってしまった。
桔梗屋、ききょうやと読むのか。
ここのグリーンアウトレットというところで、詰め放題をやっているらしい。
ちょっと出遅れてしまったので、すでに大行列かと思いきや、詰め放題に並んでいる人数は20人程度。
これなら少し待てば参加できそうだと喜んだのだが、本日分の整理券150枚はすでに配布を終了しており、今並んでいる人は、その整理券を持っている人なのだそうだ。
絶句である。詰め放題人気を舐めていた。
しかし年に数個食べる程度の信玄餅を詰め放題できないことで、自分がここまでガッカリするとは思わなかった。
お菓子のアウトレットでお買いもの
仕方がないので詰め放題は諦めて、隣の建物でやっているアウトレットで買おうとしたら、なんと信玄餅は売り切れ。
お店側からの「向かいの店で定価で買ってね!」という厳しい現実が書かれたボードに、「お菓子屋なのに甘くないですね!」なんて、賞味期限がとうに切れたギャグをつぶやいてしまった。
消費期限が迫っていたり、ちょっと形が悪かったりするものを定価の半分で売っているそうです。
別に信玄餅が大好きという訳でもないのだが、こうなってくると意地でも食べたくなってくる。
信玄餅は誰かに頼まれている訳でもないから買わなくてもいいので、定価で買うかは他のお菓子を見てから考えよう。信玄餅以外だったら売るほどある。
詰め放題という夢は達成できなかったが、お菓子が半額ということで、下がりきったテンションはすぐに復活した。
お饅頭とかお煎餅が全部半額! まんじゅう怖いとかいいながら、ついついたくさん買ってしまう。
新開発の試作品という普通だったら企業秘密も、ここではお安く販売中だ。
間にクリームが挟まってこそのブッセだが、なんと皮だけ売られていた。なにかを挟むにしても5枚入りという奇数。でも甘食感覚で購入。
そしてどら焼きまでも皮だけ販売。ところで前にアンコウを丸ごと買ったら、肝が抜かれていたことがあった。アウトレットじゃなかったのに。
普通の信玄餅は売っていなかったのだが、切り落としとやらが売っていた。定価で買うべきかという問題は、これと黒蜜を買えばいいという結論に至った。
野菜や弁当なども安く売っており、桃でも買おうかと思ったが、そういえば今から桃狩りにいくのだった。
アウトレット、恐るべし。店内を一周しただけで、普段だったら一年分に値する量の和菓子を買ってしまった。
何キロカロリーだあるんだ、これ。
並んでいれば詰め放題に参加できるらしい
たっぷりと買い物をして満足したところで、せめて詰め放題の様子を写真だけでも撮ろうかなと訪れた会場で、予想外の展開が待っていた。
整理券はもうないのだが、並んでさえいれば、詰め放題用の信玄餅が残っていた場合にのみ、詰め放題をさせてくれるらしい。
えー、もういっぱい買っちゃったよ。しかも、並んだところで、詰め放題ができるかは不確定。
でも、やっぱり、並んじゃうよねー。
係の人がすごく楽しそうに現場を仕切っている。
すでに食べきれないほどのお菓子を買っちゃったけれど、可能性があるのならば並ぶ。
待っている間に食べた信玄餅ソフトクリーム。黒蜜とバニラって合うね。
最近の携帯電話で、効率的な詰め方を検索する同行者達。はじめてスマートフォンが欲しくなった。
技術に差が出る詰め放題
11時まで並んで、どうにか無事に順番が回ってきた。一時間程の待ち時間だったので、土曜日にしたら幸運だったのかもしれない。
会場では老若男女が、小さなビニール袋に信玄餅を中心としたお菓子を、真剣かつにこやかな表情で詰め込んでいた。
「本日消費」の文字など関係なし。食べられるだけ、ではなく、詰められるだけ、なのである。なんだろう、DNA?
大量の信玄餅。なるほど、これは興奮するわ。
気になる信玄餅の定価は、2個入りで320円、10個入りだと1,500円と、もらうとありがたみのあるお値段。
詰め放題は簡易包装&賞味期限が本日中とはいえ、一回なんと210円。もう一度言おう。210円だ。2個で元が取れるという驚異の値段設定なのだ。
このビニールに詰めて、口を縛らないといけない。
みんなリピーターなのか、見事にギッチギチ。深夜の通販番組で見た矯正下着の紹介を思い出した。
さっそく私も信玄餅を詰めてみたのだが、無理をしすぎてすぐ袋を破ってしまった。
はい、おしまい。
ではなくて、係の人にいったら、袋を交換してくれた。ああ、ドキドキした。
目の前に信玄餅がちょうどなくてモタモタしていたら、隣のおばちゃんが元をとりなさいよと寄せてきた。
いやー、これ楽しいわあ。食べ放題よりも詰め放題が好みかも。おばちゃんみたいに人にあげたくなる。
ベテランの人はこの小さな袋に20個以上を詰め込むらしいのだが、普通に入れると8個くらいしか入らない。
さてどうしたものかと周りを見ると、爪楊枝をはずして詰めるのがセオリーらしい。なるほど、さっきは爪楊枝が引っ掛かって袋が破れたのかな。
じっくりと袋を伸ばすように、そして破れないように、時間を掛けて詰めていくというゲーム性が素晴らしい。携帯ゲームで出たら買う。
並んでいるときは、待っている人がいるんだからチャッチャと詰めてすぐ出ようと思っていたが、いざ自分がやる番となると、時間制限のないことがありがたい。
ちびっこがみんなのはずした爪楊枝を袋に詰めていてかわいかった。お母さんが困っていたけど。
満足しました。でもこうやってみるとすごく雑な詰め方ですね。
お会計を済ませて、何個詰めたのか数えてみたら、11個だった。たぶん平均以下の成績なのだが、それでも定価だったら1500円以上の量が210円。1個あたり20円と、駄菓子のような値段で購入できたので超お得。ちなみに同行者は19個なので超々お得。
さんざん買い物をした後だったので、無意識で自主規制が働いてしまったところが悔やまれる。空腹のときに買い物をしないというダイエット&節約法があるらしいが、詰め放題は買い物前にしないと本気にならないな。
というのは言い訳で、本当は不器用なだけなんですけどね。
でも楽しかったよーん。
おいしかったです
信玄餅の詰め放題、これが身近なナスやジャガイモだったらここまで興奮しないのだろうけれど、お土産でたまに食べる程度の関係性だからこそ、スペシャルな感じがあるのだろう。
朝から並ぶのは大変だけれど、次は買い物前のベストな精神状態で再挑戦してみたい。