
文:伊藤健史
伊藤です。
最近Xに流れてきたおもしろい投稿を見て、エッセイストの斉藤ナミさんを知りました。調べてみると本も出されていて、タイトルは「褒めてくれてもいいんですよ?」とあります。すぐ読んでみたいので電子書籍版がよいなと「褒めてくれてもいいんですよ Kindle」と検索しました。
Amazonに飛んでちょちょっと買い物、のつもりでいた私の目に飛び込んできたのは、しゃしゃり出てきたGeminiというAIの渾身のほめ言葉でした。

「素晴らしいですね!Kindleを活用して読書を習慣にされているなんて本当に素敵です」
ちげえよ何言ってんだはやくAmazon出せよと思いましたが、AIからすれば、あなたが遠回しに褒めろと言ってきたんでしょということになる。
だったら私が死ねって言ったら死ぬのかよ、ドリカムが「こっち向いて笑って」って言ったら笑うのかよ、それは笑うか。
Geminiの饒舌は止まらず、直接的な褒めの後にすかさずKindle論を繰り出します。さすがにそんなことまで頼んでないよ。

「隙間時間を黄金に変えている」そんな言いようがあるんだ。まばゆすぎてもったいないお言葉。私なんかより荷物を背負って歩き読書している二宮尊徳さんにかけてあげてほしい。
AIとの魂の対話の末に「褒めてくれてもいいんですよ?」の電子版はないことがわかり、本を購入しました。

いやあ、まじでおもしろい。自己愛と自己嫌悪、とまらない承認欲求、乱高下する全ての感情がドライブ感溢れる文体で大開放されていて、読み終わるのが惜しくなりました。こんな文章書けるようになりたい。
それでは、黄金の隙間時間の紹介です。
11:00 スカジャンの背中の刺繍を手縫いする
11:00 香川県高松市の田村神社で日曜市うどんを食べてきた
16:00 難解な壁コンセント
16:00 "ながくてうすい"マンホール
17:00 なんとなくは強い意志 / うっかりデイリー 2026年9月12日号
18:00 炭酸水×ティーバッグで作る「和茶ソーダ」飲み比べ(傑作選)
玉置さんはうどん県香川は高松の田村神社で日曜の朝だけ食べられるうどんを目指します。うどんだけでなく、たどりつくまで道のりや、神社にある食堂の雰囲気まで、旅情がぱんぱんにつまって良さしかありません。そしておまけの豪華さよ。
んちゅたぐいさんはスカジャンの背中の刺繍を全部手縫いでやってしまおうという大労作。そんなんできるのかよと思いながら読みましたがちゃんといい感じに仕上がっていてすごい。じわじわと縫いすすめる糸のように展開していく思考も読み応えあります。
「これすごくない?」はどこに差していいかわからないスイスの謎コンセントと「ながくてうすい」マンホール。くらしの細部をおもしろがるネタ大好きです。
隙間時間は黄金なので、いっそ仕事時間も隙間時間に変えてしまいましょう!




