編集部日記 2025年8月5日

前髪ぱっつん鳥と目が合った日(2025.8.5 朝エッセイ/伊藤健史)

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伊藤です。
私は10年近く毒蛇のハブのいる島を回っています。
今年のゴールデンウィークは沖縄の渡名喜(となき)島に行ってきました。

沖縄本島から約60km西にある小さな島で、那覇からはフェリーで2時間程度の船旅です。

350人程が暮らす集落には石垣で囲われた赤瓦屋根の家が立ち並びます。道沿いにはフクギの木が植えられ、沖縄の原風景といわれる街並みが色濃く残っています。

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ハブ探しは夜なので昼間は島を散歩して回ります。カメラを下げて港を歩いていると「どこから来たんですか?」と島の人に声をかけられました。

人懐っこい感じの初老の男性で、ハブを探していると言うとかなり面白がってくれて、「集落に一人、写真好きがいるから何か知ってるかもしれないですよ。呼んじゃっていい?」と私の答えを待たずに電話をかけました。

来てくれた写真好きの方は「いや、ハブは撮ってないですよ」とのことでしたがフェリーに乗って、近くに飛んでくるファニーな顔つきの海鳥「カツオドリ」を撮影しているという話をしてくれました。

フェリーに驚いて海上に飛び出すトビウオを狙って並走するように飛んでくるそうです。いいことを聞いたと帰りのフェリーで、船室でごろ寝する至福を我慢して甲板に立ち、鳥を待ちました。

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トビウオ

すると、突然右舷後方から大きなカツオドリがぬっと並んできました。慌ててカメラを向けてシャッターを切っているとファインダーごしに一瞬目が合った気がして、撮れた写真を見たらやはり気取った目つきでこちらを見ていました。

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 来た!
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ふっ

海面を滑るように飛んでトビウオに襲いかかるも失敗を繰り返し、カツオドリは去っていきました。気取ってる場合かよ。

教えてくれた方は「あなた達がバスの窓から外を撮影しているようなものだから何でもないですよ」と言っていましたが、東京でバスに乗ってこんな前髪ぱっつんの鳥とアイコンタクトするようなことはまず起きないでしょう。

それでは今日の記事たちです。

唐沢さんがトルコの友人たちと日本でトルコ料理作りにチャレンジしました。
次々と異国情緒にあふれたおいしそうな料理が繰り出されますが、作ることによって醸し出され、食べることによって完成する一体感が最高です。食っていうのはコミュニケーションなんですね、まことに。

「花火は朝イチでやったっていいんじゃないか」と窪田さんは花火を固定観念から解放します。場所はなんとご祖父様が新職を務める神社の駐車場。「神様って文句ひとつ言わずなんでも受け入れてくれるからいい。もっと神に甘えたほうがいいですよ皆さん」という提言に泣きそうになりました。いいわ、神。


ブロッコリーを合体させて巨大化させるこーだいさんの試み、満足度も緑の面積も多い巨大ブロッコリーが見事完成しますが「だから何なの?」とシンプルだが難解な問いを浴びます。そこで見出された驚きの、しかしラブとピースに満ちた解を堪能してください。

もうすぐ夏休み、皆さんは何を見て、何に会うのでしょうか。

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