焼き芋が美味しい
佐多岬を目指してせっかく大隅半島に来ているので、知り合いにススメてもらった焼き芋を買いに行くことにした。「道の駅たるみずはまびら」で買うことのできる「宮下さんちの焼き芋」だ。
この焼き芋は宮下商店の商品で、鹿児島県産のサツマイモを、温度湿度が管理された貯蔵庫で最低1カ月以上熟成して使っている。サツマイモはこの熟成が大切で、芋掘りなどをしてもすぐに食べるのではなく、寝かせるのがポイント。
寝かせるのはサツマイモのでんぷん質を糖分に代えるためだ。そんなサツマイモを2時間ほどかけて焼き上げる。割ってみて驚いたのだけれど、全部蜜なんじゃないの、と叫びたくなるような透明感を持っていた。
食べてみると驚く。まず柔らかいのは当然として、蜂蜜を食べているのではないか、と思うような甘さがあることだ。口の中に自然の中にある最高の甘さが広がる。これはオススメするわ。こんなに美味しい焼き芋に出会ったことはなかった。
竹亭のとんかつ
車を借りる時にオススメを聞いたら、「竹亭のとんかつを食べてください」と言われた。地元で愛されているお店だそうで、鹿児島県内に4店舗存在する。大隅半島に来ているので、本店である「鹿屋本店」を訪れた。
店内は大賑わいで人気店であることがわかる。店内で食べればキャベツとご飯は食べ放題。今回はとても時間がなかったので(佐多岬が遠かった)、お弁当をチョイスした。テイクアウトもできるのだ。
長時間かけて出汁を取ったまろやかなタレが合う。とんかつの柔らかく、香ばしく甘い脂が私を虜にした。本当に虜にした。手放しに美味しいと言えるトンカツで私は言葉を失った。そこでどのくらい美味しいのか、行動で示すことにした。
4店舗あるうちの3店舗に行ってトンカツを食べたのだ。脂が甘くて、肉が柔らかくて、タレに深みがあって、美味しいのだ。ぜひ東京、いや、私が住む狛江にも店舗を出して欲しい。
鶏のたたきを食おうぜ
食べ物最後のオススメは私からのオススメ。なんせ、住んでいましたから、そこそこ詳しいのだ。鹿児島の食文化を味わって欲しい。厳密には宮崎でも売っているのだけれど、この辺りだけの特徴的なものがあるのだ。
鶏のたたきや鶏刺しが普通にスーパーで買える。東京のスーパーではあまり見かけない気がするけれど、鹿児島のスーパーでは必ずと言っていいほど売られている。そして、これが漏れなく美味しい。しかも、安い。安くて美味しくて、最高なのだ。
私は本当にこれが大好きで、鹿児島に行くと必ず食べている。昔から食べられていたもので、ハレの日に食べる文化があった。今はハレの日でなくても売っているので食べたらいいのだ。専用の甘辛いタレもあるし、鹿児島の甘い醤油で食べてもいい。
九州の醤油は甘いと言われる。これは私の考えだけど、その中でも鹿児島の醤油はさらに甘いように思える。おそらく温暖な気候や奄美があり、サトウキビを育てやすい環境下で砂糖が豊富だったためではないかと推測する。そのような醤油と鶏のたたきは合う。
鶏肉の生食にはカンピロバクターなどによる食中毒の心配があるが、鹿児島県では食文化である生食用食鳥肉の安全確保を図るため、衛生基準をかなり厳しくしているようだ。だから私はこんなにも美味しく食べられている。ありがとうございます。
居酒屋でも食べられるのだけれど、スーパーで手軽に買えるというのが素晴らしい。これを食べるために鹿児島に行っていると言ってもいいほど美味しい。鹿児島にいる間は毎日食べていた。これを食べなければ鹿児島に来ていない、と言っていいまである。