おじゃったもんせ!
鹿児島をオススメを頼りに旅した。いいところだらけだった。というか、それを知っていた。私も4年間住んでいて、当時から鹿児島はいいところだと心から感じていた。それを再確認したわけだ。景観も食べ物も人も、全てがいいのだ。問題があるとすれば、と最後に問題を定義したかったけれど、特に浮かばない。それくらい鹿児島はよいということだ。
今回は車で移動していたので、車にアクションカムをつけていた。そこに映ったものの中からオススメを紹介したいと思う。私のオススメ。私も地元の人なのでセーフということにしていただきたい。
餃子の王将は全国にあると思うけれど、鹿児島の王将は別。「鹿児島餃子の王将」となっている。京都に本社がある「餃子の王将」の暖簾分けみたいなことで、現在は鹿児島にしか店舗がない(以前は宮崎にもあった)。味も鹿児島人の好みに仕上げられている。
そばや定食を食べることのできる「そば茶屋吹上庵」。店舗の外観が特徴的で茅葺き屋根や水車があったりする。鹿児島県内に15ほどの店舗があり、私の感覚的には全ての店舗に水車がある気がする。私が人生で初めて麦とろを食べたのが平川店だった。非常に思い出深い美味しいお店だ。
よく母に連れて行ってもらっていた「鹿児島市立科学館」。市電の郡元駅で降りて、ダイエー(現在はイオン)を通って鹿児島市立科学館に至る。プラネタリウムがあったり、触ると光の線がやってくる「プラズマボール」があったりで、めちゃくちゃ楽しかった。
これは車窓ではなくて、降りて撮影した。マリンピア喜入室内温水プールにはウォータースライダーがあって、これがですね、一旦外に出るんです。住んでいた頃に、この存在を知って、親に頼み連れて行ってもらったことがある。とても楽しかった。
当時の家から自転車では行けない距離で、自転車でプールに行くなら、七ツ島サンライフプールでよくて、さらに遠いここには一人では無理だった。ちなみに七ツ島サンライフプールのスライダーも高くて楽しいです。
ホテルで霧島市にある「和気神社」をオススメしてもらった。白いイノシシと日本一の大絵馬があるそうだ。霧島だと霧島神宮が有名だけれど、和気神社も藤が有名だそうで、その時期は混むけれど、今は違うので空いているとのことだった。
祭神は和気清麻呂。坂本龍馬がこの地を訪れた時はまだ神社は祀られておらず、日本で最初に日の丸を使った島津斉彬がこの地を調査して、和気清麻呂流謫の地として確定させ、終戦後の1946年に鎮座祭が行われた。
祭神の和気清麻呂の誕生の地「岡山県和気町」の藤公園には百種類以上の藤の木が植えられており、2000年に和気清麻呂没後1200年を記念して100本の藤の苗木が寄贈された。4月中旬から5月上旬にかけて花々が咲き誇るそうだ。今は全然まだだったけど。
和気清麻呂といえばイノシシ。数百のイノシシが和気清麻呂の御輿を守りながら道案内したという話もある。そのため和気神社は狛犬ではなく、狛イノシシとなっている。山でイノシシに会うと恐怖を感じるけれど、狛イノシシはカッコいい。
境内には「和気(わけ)ちゃん」が飼育されている。白いイノシシだ。イノシシは見る機会はあると思うけれど、白いイノシシとなるとかなり貴重だ。なんだかありがたい気持ちになる。名前もかわいい。
最後は和気神社の帰りに立ち寄った「嘉例川駅」。誰かにススメられたわけではなく、車で走っている時に偶然看板を見つけ、なんとなく立ち寄ったのだ。立ち寄ってから知ったのだけれど、開業以来の木造駅舎で国の登録文化財だそうだ。
嘉例川駅は無人駅ではあるけれど、全国的に珍しい特急が停まる駅でもある。1903年に営業を開始して、妙見温泉の最寄駅ということもあり大変賑わったそうだけれど、1984年からは無人駅となっている。
2015年には駅にいた猫が「にゃん太郎」と名付けられ、2016年には嘉例川観光大使に任命された。2020年にゃん太郎は亡くなってしまったけれど、今も嘉例川駅には猫がおり、とても暇そうにしていた。
とても人に慣れているようで、撫でろ、撫でろ、と私の前でゴロンと寝転がり腹を見せた。こういうのに弱い。かわいい、とてもかわいい。初対面の私の心を許してくれたのかと喜びを感じる。ふれあい、それは心の旅なのだ。
鹿児島をオススメを頼りに旅した。いいところだらけだった。というか、それを知っていた。私も4年間住んでいて、当時から鹿児島はいいところだと心から感じていた。それを再確認したわけだ。景観も食べ物も人も、全てがいいのだ。問題があるとすれば、と最後に問題を定義したかったけれど、特に浮かばない。それくらい鹿児島はよいということだ。
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