南伊豆がすごい
狩猟を見学させてもらって息のつまりそうな緊張感を体験したのだけれど、そもそも猟の行われている南伊豆町という場所からしてすごいのだ。
なにがすごいって自然がすごい。
伊豆半島はもともと火山の噴火でできた陸地がプレートの移動に乗っかって日本列島にぶつかりできた半島らしい。
そのためか海からいきなり山が立ち上がっている。豊かな山には動物たちが暮らし、ふもとのほんの少しの集落に人が暮らしているのだ。
僕たちは前日に来て狩猟用の宿に一泊したのだけれど、前日の夜はなにも写真に写らないくらいに真っ暗だった。風の音と動物の声だけが聞こえている。
それが朝になると一変するのだ。冬だというのに目に痛いくらいの光が山から海からはねかえってくる。なんというか、手つかずの野生が残る場所である。こういう環境では狩猟という行為が生活に根付いていてもまったく不思議ではない。
この付近の山にはドングリなどの食べ物が豊富なため、鹿やイノシシが丸々と太って繁殖し、走り回っているのだという。
この日は50頭近くの鹿の群れが山を走り回っていたのが目撃されている。50頭である、牧場ではないのかそれは。

