興津駅のは違うフラミンゴだった
車で約10分。行川アイランドから興津へ移動。この辺は電車が1時間に1本くらいしかないので自動車がないとどうにも動きが取れなくなる。
興津駅前のゲートにはフラミンゴのアイコンがあった。釣りと海水浴の町、興津。かつて母方の祖母が住んでいて、たまに遊びに来てたので割と馴染みがある町だ。
その頃はバスで興津駅まで来ていた。駅で祖母が待っていてくれて、祖母の家まで歩いていったのだ。その頃、たしか駅前でフラミンゴを見た覚えがあったのだが・・・。
観光案内所で聞き込み
僕の記憶にあったフラミンゴは行川アイランドのフラミンゴオブジェとは違った。っていうか、そもそも僕が子供の頃に見たフラミンゴと、閉園して散り散りになったフラミンゴが同じであるはずも無かった。
そこで駅前の観光案内所で聞いてみることにした。
松本「あのー、すみません。この写真のフラミンゴを探してるんですけど、この辺で見かけませんでしたか?」
と、行川で撮影してきた写真を見せると、
おばちゃん「はい、はいはい、生きてるのじゃなくて、この物体を見たことがあるかってことね?」
物体か。「オブジェ=物体」なので間違ってはいない。
おばちゃん「あるわねー、何箇所か見たことあるわよ。えーと、確かあそことあそこにあったわ。ちょっと待ってて、今電話して、まだあるか聞いてあげるから。」
ものすごい勢いで話が展開していった。電話帳で番号を調べるとさっさと電話して、
おばちゃん「お宅にフラミンゴの置物あったと思うのですけど、まだあるかしら、そうですか、あるんですね。フラミンゴの写真を撮りたいっていう男性の方がこれから行きますので、はい、よろしくお願いします」
と、あれよあれよという間に撮影の確認までしてくれちゃったのだ。すごい。おまけにだ。観光案内所を飛び出すと、
おばちゃん「ねぇ!○○さん!フラミンゴがどこにあるか知らない?」
と、その辺を歩いていた地元の人をつかまえて聞き込みまで始めてくれた。でもみんな、なんとなく見たことはあるけど特に意識してないから詳しい場所まではわかんないなー、との答え。
タクシー運転手「前もって行ってくれれば調べんだっけんがなー!いきなり言わいたってわかんねっぺよー!」
とのこと。確かにそうですね。他には、
おばちゃん「行川アイランドといえば、キョン知ってる?キョンが逃げ出してこの辺の山に住み着いてるのよ!あとハクビシン!ゴミ箱のふた開けて食べちゃうし、野菜とか植えても食べちゃうし困ってるのよ!」
と、キョン情報もゲット。八丈島のキョンがまさか南房総に住んでるとは思わなんだ。今度探しに行くか。
ついでに、祖母が興津に住んでたことを話すと。
おばちゃん「あら、知ってるわよ、あなたのおばあちゃん。昔役場に勤めてたのよね。お父さん(つまり僕の祖父)は守谷(興津の隣町)の会社に勤めてたのよ。」
と、僕も知らなかったことを教えてくれた。合ってるのかわからなかったけど、後で母に聞いたらその通りだという。すごい情報網だ。祖父が守谷の会社で働いてたのも正解で、爆弾用の火薬を作る工場で工場長をしていたらしい。
さて、すっかり文字数を使ってしまった。早速教えてもらった場所に行こう。果たしてフラミンゴは見つかるのか。
あっさり見つかった
地図の通り現地に行ってみると、確かにフラミンゴはあった。情報って大事だ。自力だったらまず行かなかったであろう場所に3体あった。某社の保養施設って事で詳しい場所は書かないのでごめんなさい。
2001年の夏にもらってきたのらしい
観光案内所のおばちゃんが話を通しておいてくれたので、持ち主夫婦(保養施設の管理人さん)に話を聞くことが出来た。
2001年の夏に行川アイランドが閉園したのだけど、そのときに希望者を募ったのだそうだ。最初は1体3万円で買ってくれ、という話だったそうだけど「高い!」と言ったら無料になったのだという。3万円からいきなり無料。豪快な話だ。
だけど、無料の代わりに自分で勝手に持っていってくれと言われたそうだ。フラミンゴの足元はボルトとコンクリートで固定されていて、外すのに大分難儀したと言っていた。つるはしを持って行って車に積んで持って帰ってきたんだとか。
奥さん「本当は10体くらい欲しかったのよ。でも外すのが大変でめげて3体になったの。」
とのこと。本当に大変だったらしい。
2軒目に行こう
いきなりの3体発見である。これで累計5体。アイランドの駐車場沿いにはかなりの数があったはずなのでこれでもほんの一部だけど、こんなに見つけられるとは正直思ってなかったのでうれしい。
2枚目の地図に従って次を探そう。
あじさいとフラミンゴ
2軒目の場所に行き近くに車を止めると、
おじさん「電話があったフラミンゴの人?写真撮るだけでしょ?この奥だから勝手に見ていってー。あ、この人に案内させればいいよ。」
と、たまたま通りかかった近所の人を案内役にしていた。この人間関係の垣根の無さって凄い。東京に長くいると忘れちゃうけど、房総ってこんなんだったと思い出した。
案内されて行ってみると、ちょっと高くなった場所にフラミンゴの頭が見えた。こんなの、教えてもらわなきゃ絶対見つけられない。
案内役のおばちゃんに聞くと、孫が小さい頃はフラミンゴに乗って遊んだりしていたらしい。確かにかなりしっかり作られているので、足元さえちゃんと固定されていれば、子供も乗れると思う。
募集が始まったら真っ先に申し込んでもらってきたのだそうだ。僕も知ってたら欲しかったよ、フラミンゴ。
さて、ここで
「他にどこかフラミンゴがある場所知ってますか?」
と聞いてみると、
おばちゃん「確か鵜原で見たわよ。もしかしたら無いかも知れないけど・・・」
と教えてくれた。このフラミンゴを持ってる人たちは仲間意識があるらしくて、余所で見かけるとチェックしているのらしい。教えられた場所に行ってみることにした。
次のページでは7体目のフラミンゴ探しと、フラミンゴ生息域の限界を探しに行こうと思います。