以上、イランの2週間の滞在で食べた食べ物をまとめてみました。ナーンと 米を両方食べる欲張りな国で、料理は総じてリッチな味付けの料理が多く、滞在すると太ること間違いナシ。
ただ、外食産業が育っていないので、珍しい料理や特別美味しい料理にありつくのは一苦労、そんな印象でした。
一部の料理は日暮里のペルシャ料理のお店とかで食べられます。ぜひおためしあれ!
日本人からみてびっくりなのは、イランの 果物を使った煮物。肉を果物といっしょに煮るんです。しらない食文化!
モルゲアルー(鶏肉のサワーチェリー煮)
モルゲアルー(左上)。鶏肉のサワーチェリー煮、甘さと酸味がしっかりしていて濃厚ガツン系の味。米よりビールがほしいなあ!(イランはイスラム主教国なのでお酒がきほん飲めません)
スーペジョー
ちなみにスープっぽいものは、スーページョーといって麦のスープ。味噌汁ポジションらしい。レモンを入れて酸っぱくします。イラン人は酸味があるものが大好き!
キョフテ(ドライフルーツ入肉団子のサワーチェリーソース)
いわゆる肉団子の料理。ソースにはサワーチェリーが使われていて甘酸っぱい味付け。甘酢あんに似ているかも?

具を包むためか、肉団子としてはメッチャデカいので、おなかいっぱいになります。
フェセンジャーン(鶏 肉のザクロ&クルミ煮)
ザクロシロップとクルミで鶏肉を長時間煮込んだもの。クルミのコクが強く、濃厚で美味しい。
レストランで食べたものは鶏のムネ肉でしたが、本場では鴨肉を使うとのこと。そっちも食べてみたいなあ~~。
ゴルメサブジ
羊と豆のハーブ煮込み。コクがあり複雑な味。丸いのは乾燥ライムで、つぶすと酸味が出ます。ご飯よりナーンのほうが合うかも。
ゲイメ
イランのメジャー料理のうち、変わってるな~と思ったものはこれ。ゲイメ。
豆を具材にトマトや乾燥ライムなどを香り高いスパイスと共に煮込んだ料理。それに何故かフライドポテトをトッピング。
「なんで?ポテトどこからきた?」と聞いたら、ナスとか別のものをトッピングすることもあるらしい。
などなど、さまざまな料理に果物が使われています。日本だと柑橘をしぼる「ポン酢」くらいなので、さいしょは戸惑いましたが、慣れると美味しい。酢豚のパインが好きな人はハマるかも!?(私は好き)
イランで何が一番美味しかった?と聞かれたら「ピザ!」と言うかもしれません。それくらい美味しいのがイランのピザ。
出前システムがあって、インターネットから頼むと30分くらいで届くんですよ。
そして美味しい。特にチーズが美味しい。
これでもか!!というほどたっぷり乗っていてかつ濃厚。
酪農が盛んな国なので、チーズがお手頃価格でたくさん手に入るのでしょう。
味付けも甘じょっぱくて、日本人に合う。つまりおいしい!
レストランや出前で何度かいただきましたが、どれも美味でした。
しかし、デリバリーピザには危険がつきまといます…
イラン人はもてなしパワーが高く、客人をもてなすことに喜びを感じる民。
なもんで、家に帰ると親族から「ピザ頼むけど食べる?」と促され…
私が「お腹いっぱいだから平気だよ。」といっても。
親族は「じゃあサラダでもどう?」と押されるんですよね。
押しに負けて「じゃあサラダだけでも…。」なんて答えたら、すぐにスマホでぴっ♪ぴっ♪と注文し、
サラダと、ピザが2~3枚とどいて、食べることになります。
もてなしたい気持ち+デリバリーサービスのコンビネーション。これがとても危ない!私の胃袋は数日で死にました。
イランにいくときは帰ってからのダイエットも計画に入れましょう。胃腸薬も忘れずに。
野菜料理はそれほど種類がありません。レストランでは日本でもよくある"野菜サラダ"みたいなのがメニューに乗っていましたが、どちらかというと洋食ポジション。
シーラジ・サラダ
ペルシャ料理のサラダはコレ、刻んだトマト・キュウリ・タマネギをマリネしたサラダ。
こってりとした料理の合間に食べると美味しい。
サブジホルダン(ハーブボウル)
普段の「野菜」の役目をになっているのはこのハーブボウル。ネギ類やミントなど、辛いものや香りがいいもの・酸っぱいものなど、様々なハーブをミックスしたミックスハーブ。
ドレッシングなどをかけるわけではなく、そのまま食べます。食べ方を聞くと、 肉料理の合間(もしくは一緒)に口にほおりこむ感じらしい。
レストランでも料理といっしょにハーブがでてきます。
定食の脇にちょこんとのってるのもハーブ。
イランでは野菜=ハーブ、なのかも?痩せている土地でも育つハーブをうまいこと使ってるのかなあ。
生野菜はハーブ以外それほど食べない感じですけど、かわりに果物はめちゃめちゃ豊富。
毎食のように欠かさず食べます。
特にメロンとスイカが激安でめっちゃ美味しい。毎日のように食べていました。果物の話で一本記事が書けそうなくらいなので食レポはまた別の機会に…!
イランの欠点としては外食産業が育っていません。
レストランはメニューの品数が少ない…、有名なレストランでもこんな感じ、
フードメニューはどこも10種類くらい。日本だと下町のうどん屋ですらもうチョイ品数ありません?
だいたいメジャーなものだけ。他は専門店で食べられるのみで、その専門店はほとんどないらしい。
各家庭では色々な料理を作るそうですが、"わざわざお店に食べに行く"ってのはあんまりないそうです。
嫁の実家でごちそうになったのは…

アーシュレシテ(奥のスープ):イラン唯一?の麺料理、ハーブうどん
キャシュケバデムジャン(左中央):ナスとヨーグルトのペースト
オリビエサラダ(中央右):ポテトサラダに近い具沢山サラダ
ミルザガゼミ(手前):ナスとトマトと卵の炒め物
こんな感じ、お店のメニューではこういう小料理は少ないのですよね。
近代になって、多少は種類が増えてきたらしいんですけど、洋食系。あとはピザとか ハンバーガーみたいなファストフードが中心とのこと。今後に期待ですね~!
国土が広いため、様々な郷土料理があるようなのですが、郷土料理の専門店はその土地にしかなくって「行かないと食べられない」とのこと。
これはイスハファーン名物のベルヤーニ。モツのミンチをたたいてハンバーグのような形に整形した料理。土地の名物ではあるものの、首都圏(テヘラン近郊)では出してる店がないそうです。
キャシュク入のスープ。これも郷土料理で、首都圏ではほぼ食べられないとのこと。うーむ!珍味(クセが強い)。
南のペルシャ湾寄りの街だと、海産物を使った料理もあるらしい。海外にいってなお旅が必要。また別の機会にそっちも行かなくては…!
以上、イランの2週間の滞在で食べた食べ物をまとめてみました。ナーンと 米を両方食べる欲張りな国で、料理は総じてリッチな味付けの料理が多く、滞在すると太ること間違いナシ。
ただ、外食産業が育っていないので、珍しい料理や特別美味しい料理にありつくのは一苦労、そんな印象でした。
一部の料理は日暮里のペルシャ料理のお店とかで食べられます。ぜひおためしあれ!
この記事は読者投稿でお送りいただいた記事です。
編集部より寸評
見たことあるけど名前が違うものから、知ってる材料なのに全く見たことがない料理、そして料理は普通っぽいのに食べ方が変わったものなど。一口に知らない料理といっても「知らない」にいろんな種類があるんだなと思わされる記事でした。
そこそこの長編ですが、とにかくどんどん新しいものが出てくるので飽きないですね。
料理の話だけでなく、デリバリーピザのくだりなどで現地のカルチャーや人の気質が少しわかるのも楽しかったです。(編集部・石川)
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