近所のスーパーのゼリーコーナーに、「麦芽ゼリー」という見慣れない小さなカップが積んであった。
ひとつ110円で、札に「昭和53年から千葉県内の学校給食で親しまれたココア味のゼリーです」とある。
おおお……。住んだことのない県の、しかも給食だ……。

高名なゴルフの大会では優勝者に高級車が贈られる。もらってうれしいものの象徴としての高級車なわけだが、私にしてみたら高ぇ車よりも住んだことのない県の給食の方がずっと輝いて見える。
だってそんなもん絶対食べてみたいでしょうがよ。すぐに買った。

ココア味のゼリーということだからそのつもりで食べたが、思った以上にこれは独特だ。
確かに味はココア、ミロ、チョコ、そのあたり……なんだけど、どうもふわふわ口のなかで知った味の記憶につながり切らない。食感が水ようかん風というのが惑わす。どうしても意識が水ようかんにひっぱられる。
鼻に抜けるかおりはミロ、食感は水ようかん、味はチョコとココア……というようなおぼつかなさだ。
県外の者としては貴んで珍重したいと感じさせる未知の迫力がある。これを教室の全員が食べる給食に出てたということに強い感慨を持った。
食べてよかった。高い車を手放してまで。
投稿者:古賀及子
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