特集 2020年2月17日

酒の穴の酒さんぽ~雪見酒を求めて秩父のほうへ~

「雪見酒」という言葉がある。「お花見」のように、雪を愛でつつお酒を飲むのである。

暖冬と言われた2019年~2020年にかけての冬だが、1月末、強い寒気の影響で関東地方の一部に雪が降った。ただ、延々と降り続く雪は交通機能を麻痺させたりして大変だが、今回の雪はほんの一日だけ降ってすぐに止んだ。

東京都内ではまたたく間に溶けて消えてしまった雪を、「酒の穴」の2人で埼玉の奥へと探し求め、なんとかして「雪見酒」を成立させようと試みた。そんな小さな旅の記録です。

日常的な生活の中にぽっかりと現れる「今ここで乾杯できたらどんなに幸せだろう」と思うような場を探求するユニット。なんでもない空き地とか、川沿いの原っぱとか、公園の売店だとか、そういったところに極上の酒の場があるのではないかと活動中。

前の記事:伝説の天国酒場「たぬきや」跡地で飲む


一目でいいから雪景色が見たい

パリ:あれは1月27日でしたっけ。暖冬の今年、東京にも珍しく雪が降ったのは。

ナオ:そうでしたね。関東地方が数日前からグッと冷え込んで。27日から28日の明け方まで雪が降って。ちょうど私は東京にいたんですが、「東京ってこんなに寒いの!」って驚きました。

パリ:その日、都心部はすぐに雪が溶けてしまったんですが、多摩地区にはけっこう積雪があったと聞いて、すぐにでも雪を見に飛んでいきたかったんですよ。けど仕事の都合でどうしても無理で。

ナオ:そうそう。積雪で困っている地域の方もいると思うんですけど、私の住んでる大阪でもなかなか雪を見る機会はないんですよね。雪は貴重なものっていう。

パリ:やっぱワクワクしますよね。で、翌日ならなんとか調整つきそうだ。しかもナオさんもこっちにいて、ちょうど予定が空いてるぞと。

ナオ:確かに久々に雪が見たいという気持ちはありました。それで「雪見酒しますか!」と、勢いで。

秩父方面へ向かうも残雪ナシ

パリ:僕が聞いた範囲だと、秩父はけっこう雪が積もったらしいので、あまり深く考えず、秩父方面に向かうことにしたんですよね。

ナオ:その日、正午頃まで神田で用事があって、そこから向かったんですが、乗り換え駅である埼玉県の「飯能」に着いた時点で14時。あらためてあの辺って結構遠い。しかもこの日が、前日と打って変わって暖かかったんですよね。関東でも最高気温が20度近い場所があるみたいな。

パリ:そうそう。変な天気!

ナオ:だから、電車から窓の外を見ても、雪なんてまるでない。ただの晴れた日。

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「昨日、本当に雪が降ったの?」という天気

パリ:ははは、いい天気だなー! 考えが甘いのかもしれませんが、埼玉県に入るくらいでどんどん雪景色になっていくと思っちゃってたんですよね。ちなみに僕は、ナオさんより先にひとりでそちら方面に向かっていて、その理由というのが、飯能の3つ奥の「吾野(あがの)」という駅の前に好きなお店があるからなんですが。

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パリッコの好きな店「奥武蔵見晴休憩所」

パリ:そこでビール飲みながら女将さんと話してたら、「この先のトンネルの向こうはまだ雪残ってるらしいわよ」って教えてくれたんですよ。

ナオ:貴重な情報が! まさに「トンネルを抜けると」っていう。

パリ:「雪国」の世界ですよね。ただ、土地勘がないからどのトンネルなのかがわからない。ちょこちょこしたトンネルはずっといっぱいあるし。いちいち「これか!?」みたいな。

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このトンネルかなぁ?

ナオ:これは、吾野から少し先のトンネルを抜けた風景じゃなかったかな。

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のどかな春の山の風景

パリ:ピーカン。

ナオ:雪かと思うと白い車だ。

パリ:ちなみにですね、説明が遅れましたが、我々が乗っているのは「西武秩父線」。西武線で埼玉の西へ西へ、秩父方面へと向かう路線。飯能でもうだいぶ大自然な感じの駅なんですが、そのさらに奥で、具体的には、僕が立ち寄った「奥武蔵見晴休憩所」がある「吾野」→「西吾野」→「正丸」→「芦ヶ久保」→「東横瀬」→「西武秩父」。という路線で、ここらを雪を求めて気ままにうろうろしてみようと。で、秩父は派手な観光地だから、まぁ僕らが行ってもなんだし、その手前までがどうなってるかを探検するような気持ちでね。

ナオ:うんうん。前情報としては、芦ヶ久保駅の近くに「氷柱」っていう、毎年2月頃に見頃になる観光名所があるんですよね。

パリ:氷柱、僕は西武線ユーザーなので、冬になるとよくポスターを目にして気になっていたんです。山の斜面の木々が神秘的に凍って、それがライトアップされるという。

ナオ:見てみたいです。

パリ:ただあれ、僕も最近知ったんですが、自然にできるものではなくて、人が木に川から汲みあげた水をぶっかけて凍らせてるらしいんですよ。人工的に。

ナオ:毎日毎日、水をかけて作ってるんだ。それが今年は、暖冬の影響で凍らなかったんですよね?

パリ:そう。検索してみたら、「現在凍ってません」って。だから今年はもう、「かけてもかけても凍らねぇなぁ……」って、関係者のみなさん切なかったと思いますよ。

ナオ:そのぐらい暖かい冬だったと。

パリ:ただ、前日に雪が降ってるから「急に凍ってないかな?」と、一応見に行ってみることにはしたんですよね。希望的観測。

ナオ:なかば諦めつつも。

パリ:「氷柱見ながら焼酎飲めたら最高だよね~」って。

ナオ:そうそう。“氷柱焼酎”が飲みたかった。

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少しだけでも雪が見たいとさらに奥へ

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吾野を出たあたりで少し希望が出てきた

ナオ:いくつかのトンネルを抜けたら残雪がちらほらと見えて、「もうこれを見ながら飲めばいいんじゃね?」と思いました。

パリ:ただ逆に、「トンネルの先の雪って、まさかこれのこと?」っていう不安も。

ナオ:はは。実は、私はあきらめておりました。

パリ:早い!

ナオ:だから、「もうとりあえず一回降りません?」って。

パリ:そのタイミングが正丸だったんだ。

ナオ:うん。

パリ:氷柱の芦ヶ久保の一つ手前。

ナオ:ホームに降りてみると空気がツーンと澄んでいて冷たくてワクワクしました。

パリ:遠出したな~って。また、今気づいたけど、ナオさんが西武秩父線のコスプレをしてきたのかっていう

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見事なコーディネートで

ナオ:はは。本当だ! 秩父線大好き人間。

パリ:欲をいえば緑の小物が欲しかった。それはさておき、駅のホームから、いきなり我々の好きそうな売店が!

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絶対に中を確かめたい売店

パリ:これはテンション上がりましたよ。とにかく売店と茶屋に目がない。

いざ売店へ!

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「正丸駅売店」
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売店を狙うカメラ小僧

パリ:ここがもう、最高すぎましたね、いきなり。

ナオ:っていうかもう、パリッコさんなんか袖まくって、半袖状態ですよ。

パリ:暑くて暑くてダウンジャケット脱いだんですよ。暑いんだもんだってこの日。

ナオ:それで雪見たいって矛盾してる。「袖はいらない雪は見たい」。

パリ:「腹減った料理したくない」

ナオ:「食べたいけど太りたくない」

パリ:「遊びたいけど働きたくない」。そんなわがままなことをしてたとは。猛省。

ナオ:で、この売店、食堂も兼ねていて。

パリ:一歩入ってさらに感動しましたよ。メニュー豊富でね。で、酒は冷蔵ケースから缶ビールや缶チューハイを持ってきて好きに飲める。

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広々とした店内
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幅広い食事メニュー
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おみやげ品も充実
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秩父名物「しゃくしな漬」
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このコーナーが嬉しい!
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そして何より、この椅子の居心地良さ

僕はすでに吾野で山菜そばをいただいていたので、軽めの「味噌おでん」を注文しました。

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味噌おでん

ナオ:私は「味噌ラーメン」を。今思えば、もう少しこの食堂ならではの何かを食べればよかったな。自家製の餃子とか。いや、味噌ラーメンも最高に美味しかったけど。

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こういうラーメン大好き

パリ:あの、僕、ちょっと驚いたというか。初めての感覚だったことにびっくりしたんですけど、ナオさんってラーメン好きじゃないですか?

ナオ:好きですよ!

パリ:でも、一緒に居酒屋とかで飲んでる時はあんまりおつまみとかガツガツ食う方じゃないじゃないですか。

ナオ:そうですね。食べ物は少しでいいほうです。

パリ:ただ、WEBにアップしてる日記なんかを見ると、解散してから締めのラーメンを食べたりはしてる。つまり、ナオさんがガツガツ何かを食ってるシーンというのを見た記憶がないんですよ。

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ズズッ
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モグモグ……
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ズッズッ

ナオ:はは。どんどん食べてる。

パリ:いつもよりぜんぜん機敏に。「この人、ほんとにめし食うんだ!」って思いました。

ナオ:一口目から二口目までの間が一切ない。息をもつかせぬスピーディーな動きで。

パリ:最後のコーンも一粒残らずリズミカルに、スッスッスッ。熟練の技で。僕なんかほら、ナオさんは信じてなかったけど、味噌ラーメンというものを人生で自分から注文した記憶がないくらいの人間なので「こうやって食うんだ!?」って。

ナオ:「味噌ラーメンを注文したことない」って、一体どういうことなのかわからないです。体にとって絶対に必要なものなはず。

パリ:はは。絶対他のものでも代用効く。今思い出したけど、昔勤めてた会社で札幌に社員旅行に行って、数人で飲んで、「最後ラーメン行こう~」みたいに誘われて、その時に自分で頼んで食ったのは、味噌ラーメンかもしれない。

ナオ:えー! それぐらいですか?

パリ:うん、食べることは大好きだけど、味噌ラーメンには思い入れが薄くて。

ナオ:何年かに一度あるかないかぐらい?

パリ:いやだから、41年に一度ですよ。

ナオ:はは。

パリ:もちろん嫌いとかじゃないんですけどね。ともかく、埼玉の奥地でナオさんの知らない一面を見た気がして、おもしろかったです。

ナオ:猛然と食べましたよ。

パリ:しかもそれを眺めながら飲んだ氷結に、これまた人生で初めてだったかもしれない衝撃を受けました。氷結みたいな缶チューハイって、たいてい缶のまま飲むじゃないすか? それをコップに注いで飲んだところ……

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こんなに透明だったの!?

ナオ:驚きました。なんとなく薄い白かと思ってたわ。

パリ:レモンサワー的なね。盲点でした。いろいろ発見のある店だったなぁ。

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駅前に少しだけ残った雪。もうこれでよしとしようか
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あきらめきれずに再び電車に乗る

ナオ:その売店の方に「雪はないんですねー」みたいに聞いてみたら、降ったし少し積もったけど、その後に雨がふって溶けたと言ってました。

パリ:それでいよいよ不安になりつつ、ざっと見渡して駅周辺に他の店らしきものもないので、隣の芦ヶ久保へ向かおうと。

ナオ:はい。ちなみに正丸駅のホームで、

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西武鉄道が運営する食堂列車が停車していた

パリ:あ、「52席の至福」!

ナオ:そういう特別な電車があるんですね。コンセプトが「旅するレストラン」で、池袋や新宿から秩父、川越などまで往復しつつ、コース料理が楽しめる。

パリ:それがちょうど停車してて、超満員でしたね。

ナオ:すごい楽しそうでね。なんか美味しそうなものをみんな食べていて。こっちは雪が見つからなくて困ってるというのに。

パリ:我々がトボトボホームを歩いてると「やだ、なにあの人たち」みたいな目で見られているような気がして。実際気になるのか、見てくる。

ナオ:そうそう。

パリ:ジロジロ見たいの、本当はこっちなんだぞ!

ナオ:はは。窓にグッと近づけば、食べてるものをちょっとだけならくれるんじゃないか? と思った。

パリ:駅弁の逆。「何かないですか~? 余ってるものないですか~?」。

ナオ:ポイッと投げ落とされたものも躊躇なく食べる。

パリ:「へへ……」と卑屈な笑みを浮かべつつね。

ナオ:あれも乗ってみたいですよいつか。

パリ:はは。確かにそっちのレポートの方がよっぽど有益!

ナオ:本当だわ。

パリ:なにやってんだ。

ナオ:捨てるところばかり集める我々ですね。プラモの枠みたいな部分を 。

パリ:「よく見ると美しいプラモの枠」つって。

ナオ:そうそう。半透明の枠とか、捨てるのもったいない気がしてね。

パリ:で、たまってきてごっそり捨てる。そういうタイプのレポート。

ナオ:はは。それが今からまだ少し続きます。

パリ:で、無事電車が来まして、芦ヶ久保まで向かう途中、「お、これは!?」という長めののトンネルがありました。

ナオ:そうそう「もしかして!?」。

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あきらかに今までより長いトンネル
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出口が見えてきたので
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駆け寄ってみると……
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……
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!!!!!!!!!!

ナオ:うおーすごい! 本当にガラッと景色が変わりましたね。

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駅に到着
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雪に反射した日光がまぶしい

パリ:これはもう雪景色でしょう。

ナオ:一気に雪。久々に見た雪で、思わずはしゃいでしまいました。

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雪だ!
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雪だ!雪だ!
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この感覚も久しぶり

パリ:やっぱりいいもんだ。ただ、電車を降りて改札に向かうまでの間に、我々のテンションをどんどん下げてきたのが、いたるところにあるこれ。

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氷柱はありません
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何が何でもありません

ナオ:はい。「この駅に来ても意味ないですよ!」みたいな。

パリ:あるかないか確かめたかったのに! むしろなくてもよかったのに! っていうか、閉園中で近づけもしないという事実もここで知りました。

ナオ:そうなんですよ。氷柱のあるエリア全体が閉鎖されてる。

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あきらめるしかない

ナオ:うん。でもいいんです。こうして雪が見られて、あとはお酒を手に入れて乾杯できれば“雪見酒”はクリアですから。

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シチュエーションは整っている

パリ:最大の目的は雪見酒だからね。駅前の売店、あきらかにさっきの正丸のチェーン店なのに、休業中でしたね。氷柱が凍らなくてテンション下がっちゃってる感じ。

ナオ:そうそう。なんとなくあたり一帯に元気がない。

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まぁ、元気出せよ……

パリ:雪があるだけで自信持っていいのに。

ナオ:そうですよ。そもそも雪がなかったとしても、駅周辺は川が流れて見晴らしがよくて、バイクでツーリングする人にも人気のスポットみたいでしたよ。

パリ:そうなんだよな。いいとこなんですよ。これはさっき酒買っとけばよかったか~、と思ったら道の駅みたいな施設があって、食堂とかカフェとかいろいろ併設されてるんだけどパン屋さんと売店だけがかろうじて空いてましたね。

ナオ:はい。いつもより営業時間は短いようでしたが。

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「わらじかつ丼」食べてみたかった……
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「ずりあげうどん」ずりあげてみたかった……
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あれば120%頼んでたやつ

パリ:あとは、ギャラリースペース。

ナオ:そうだそうだ。埼玉の綺麗な風景の写真展をやってる。

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「みなさん上手ですね~」

パリ:それだけ開いてればじゅうぶん! パン屋で「氷柱クッキー」というのが売ってたので、これだー! っつって買いました。

ナオ:そう! 氷柱をイメージしたようなスティック状のクッキー。この氷柱クッキーがあれば、それを見ながらお酒を飲んだらほぼ氷柱焼酎ですから。

パリ:氷柱焼酎もクリア! それを帰りの電車の楽しみにしましょうと。で、売店。ここも最高でしたね。

ナオ:最高でした! 地のものがたくさん売られてて、特にキノコね。

パリ:見るからにうまそうでしかも安い。種類も豊富。僕はナメコとひらたけしめじってのをお土産に買って帰りました。

ナオ:ひらたけしめじ、後日鍋に入れて食べたけど美味しかった。最近キノコが好きなので興奮しました。

パリ:ひらたけしめじ、煮てもシャキシャキの歯ごたえが残ってるのがすごかった! なめこの味噌汁もうまかったな~。

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見るからに生命力あふれるキノコたち
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ホクホクのスズキナオ

ナオ:あと、近くの農園でとれたイチゴとかね。これは買いたかったけど高級品ゆえ手が出せず、見ただけ!

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近くの「おきうね農園」で採られたイチゴ

パリ:うん。あと、ちょこまかしたおべんとうとかつまみもいろいろあって。

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こういうちょっとしたのがうまそう
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ばあさんの手作り品なんかも売っている

ナオ:私は「たらし焼き」ってのを買ってみました。

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1個110円の「たらし焼き」を購入

パリ:聞いたことなかった。

ナオ:「ねぎ、しそ、ごまを入れて焼いた田舎のおやつ」だそうです。

パリ:うまそうー! 絶対そっちにすればよかった。僕が選んだのは、

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素朴なおにぎりも気になるがその右の

パリ:なんでしたっけこれ? もっちもちのいそべもちみたいなやつ。

ナオ:ラップにぴっちりくるまれた。

パリ:うまいまずい以前に、食べにくすぎた。

ナオ:ははは。ぺろっとめくって食べられるかと思ったら。

パリ:べた~ってラップが。

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外で手を汚さず食べるのが無理なやつでした

ナオ:一方、たらし焼きはこう。

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スマートに食べられる

パリ:くぅ~。

ナオ:ちなみに売店の近くにテーブルとベンチがたくさんあって、いい景色の中で食べられました。

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念願の雪見酒!
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ポカポカ陽気でね

ナオ:うわ! とうとう完全半袖。

パリ:暑いんだもん。で、楽しそうな我々がうらやましいのか、野鳥も寄ってきて。

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「雪見酒?」

ナオ:人に慣れてるんですよ。慣れてるというか狙ってるというか。

パリ:あんなに警戒心の薄いヒヨドリには初めて出会いました。ナオさんが冗談で「お前も食うかい?」と差し出すと、

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「お前もたらし焼きが食いたいのかい?」
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そうだった

パリ:奇跡。

ナオ:はは!

パリ:野鳥に勝手に餌付けすることになっちゃって良くないのかなと、それ以降は心を鬼にしてあげなかったけど、雪景色の中、野鳥と飲めたのは嬉しかった。

ナオ:そう。野鳥まで加わっての宴席。しかも雪景色の中。

パリ:なかなかない経験。

ナオ:いいひと時でした。

パリ:大満足。さらにそこから「そば/うどん」と看板の見えた食堂へ行ってみて、そしたらちょうど店じまいするとこでした。

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こここそレポートすべき店だった

ナオ:入りたかった。

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入りたさ

ナオ:さっきのフレンチ電車と一緒。

パリ:そんなのばっか。

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そばが超絶うまそう

ナオ:きのこの天ぷらもうまそう。一足遅かったな。

パリ:行きてぇな~ここ!

ナオ:出直しましょう。

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氷柱だけじゃない芦ヶ久保駅周辺

ナオ:この辺りは農園が多くて、そこでバーベキューも出来たりすると、近くの観光案内所で知りました

パリ:観光案内所の方がまた親切でね。氷柱も凍ってないのにやってきた珍しいやつらだから余計なのか。

ナオ:ね。氷柱が凍らないのは本当に珍しいことみたいで「悪夢のようです」って言ってました。

パリ:だろうなぁ……。いろいろグッズもあって、僕はノート2種を買いました。

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秩父・武甲山のオリジナルキャラ「ブコーさん」のノート

ナオ:いいなー。

パリ:なんかいいすよね。自由帳のほうはまだ説明があって、裏側にもブコーさんのプロフィールとか買いてあるんですけど、ノートのほう、どこにもブコーさんって書いてないんですよ。そこがいい!

ナオ:はは。ただの変なキャラのノート。

パリ:ただこういうデザインのノート。

ナオ:「これ、誰?」っていう。

パリ:ちょうど仕事の電話がかかってきて、すぐ仕事用として使いはじめました。

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「はい。あ、営業時間を訂正ですね」

ナオ:大切な仕事の話を、顔が山、体が太鼓でできた架空の生き物のノートに。

パリ:もう何冊か買えばよかった。

ナオ:そうですね。足りなくなるたびに新しいのを買いにいかないと。

パリ:Tシャツも、どこにも「BUKO-SAN」とか書いてないどーんとキャラだけのやつ欲しいですね。

ナオ:いいですね。当たり前のように存在しているみたいな。

パリ:有名なキャラクター相手に一歩も引かず。

ナオ:バチを持って、どーんと仁王立ち。

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こっちももちろんかわいいんですけども

パリ:暖冬の影響もあってこのくらいだったけど、すごいのんびり楽しめましたよね。秩父の手前周辺。

ナオ:旨い空気を吸って、いい旅でした。

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ちらりと見えた、秩父のシンボル武甲山
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道に落ちていた16円

パリ:ただ、最後にやってしまったのが

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「あれぇ? さっきかった氷柱クッキーどこやった?」

パリ:帰りの電車の楽しみにしていた氷柱クッキーが、どこにもない。

ナオ:はは! どこに忘れてしまったんでしょうね、あれ。

パリ:たぶん観光案内所だと思うんですが、電車の本数も少ないし、一応帰りの時間もあるしで、取りに戻れず。

ナオ:氷柱焼酎はおあずけでした。

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「すんません、なくしました……」

パリ:来年、本物を見ながら飲めという、ブコーさんからのメッセージかもしれません。

ナオ:そうそう! 来年いきましょう! 来年こそは氷結してほしい。

パリ:はは、氷柱がこること、氷結っていうんだ。祈氷結! 楽しみだな~。

ナオ:まずは暖かい季節にでもまた行ってみましょう!

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氷柱焼酎はまたこんど

トンネルを抜けたら雪景色が広がった。あの瞬間の感動は忘れられない。

この日の関東地方は本当に暖かく、まるでもう春が来たかのようなポカポカ陽気がパリッコさんに上着を脱がせた。それによって、雪景色と半袖の共存という、珍しい場面が目の前に広がった。

寒さに震えながらではなく、薄着で雪を見ながらお酒を飲む。残念ながら「氷柱」を見ることはできなかったけど、のん気に「雪見酒」を楽しむには最高の一日だった気がする。

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来年こそは氷柱が見られますように

帰りの電車はうとうとしているうちにあっという間に都心に着いた。池袋近くで飲み直しながら、昼間の雪景色を夢で見た風景のように思い返した

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