特集 2019年1月15日

ゆだりゆく卵(デジタルリマスター版)

卵をゆでる。だいたい半熟は5分、固ゆでは8分でなべから引き上げる。

思ったのだ。じゃあ、茹ではじめて1分後の卵はどうなってるんだろう。6分後は?

卵が徐々にゆだる様子の中身の変化を、この目でたしかめてみたい!

2006年6月に掲載された記事の画像を大きくして再掲載したものです。

1979年東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてデイリーポータルZの編集部員に。趣味はEDMとFX。(動画インタビュー)

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いっぺんに20個ゆでる

そんなわけで卵を2パック、20個買ってきた。ゆだる間の卵の様子を逐一調べるため、今回はこの20個をいっぺんにゆで、時間差で取り出して、中身の様子を一つずつ検分していこうと思うのだ。

今回、まさに大人の自由研究という感じがしやしないか。狭い自宅キッチンで静かに興奮がわき起こる。ゴゴゴゴゴ。

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2パック買い。これだけですでに祭り気分になるのだから日常ハックはちょろい

今回のゆでルールは

ゆで卵の作り方って、家庭によってかなりまちまちな気がする。なべ底がかくれるぐらいの少ない水でゆでる人がいたり、ゆでるお湯に酢と塩を入れたり、沸騰したらすぐ火を止めて余熱でゆでるという人もいる。

今回は小学校の家庭科で習ったような超基本のゆで方でやってみたいと思います。こんなかんじ。

1・卵を室温にもどす
2・かぶるくらいの水にいれ、塩を入れて火にかける
3・沸騰するまで菜ばしでころがす
4・沸騰したら火を弱めて沸騰をキープ
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室温に戻して20個すべてなべに。あまりのぎちぎち加減に、この後なべをもう一回り大きいのに交換した

卵は卵白が70度から80度、卵黄が65度から70度で凝固が始まるというので、沸騰のちょっと手前、お湯から気泡が立つくらいから徐々に引き上げていくことにする。

ルールはこうだ。

5・20個のたまごは、生ひとつを除いて沸騰手前までゆでる
6・沸騰手前から、1分ごとに1つずつ取り出す
7・取り出した卵はマジックでナンバリングする

たまご20個を一度に扱う取り組みである、単純明快なルールだけど、実はものすごく緊張している。

失敗してもう一度やることになったら、20×2回で合計40個の卵が我が家の冷蔵庫に残ることになるのだ。

たまご好きとしては嬉しいが、逆に好きなあまりにうっかり1日で全部たべちゃったらどうしようという不安がある。

卵いっきに40個食べるってそれはマズイ、いや、20個でも十分大変か。はらはら。

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生ひとつはゆでずにキープ
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時間がいのちの企画だ。カウントは正確に!

ゆで、スタート

震える指先で茹で、スタート! まずはカラカラと沸騰するまでなべをかきまぜる。黄身を真ん中にするというのはもちろん、なべのなかの19個に湯でむらが起こらないようにしなければならない。

ふだんわたしは固ゆで、しかもギッチリ火の通った完璧な固ゆでが好きで、ゆで卵は放っておくぐらい長時間ゆでる。水に塩や酢はあまり入れることもなく、こうして菜ばしでかき混ぜるのなんてそれこそ家庭科の授業以来かもしれない。

なべの面倒をみていると、ゆで卵でもちゃんと料理なんだなあという、いい気になった。

と、ぼんやりしている間にだんだんゆで湯が沸いてきましたよ。

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なべ肌がにぷつぷつ気泡がついてきた。ここを起点に卵を引き上げていきます
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起点から5分後にグラグラ沸騰。大量の卵がなべを打ち、「ごとごとごとごと」とテーブルまでゆれていた。うおー

シュールですねと言われたい日

起点の卵を「1」として、あとは1分後とに卵をすくって引き上げてはマジックでナンバリングする繰り返し。楽そうではあるのだが、取り出して拭いて卵に数字を書くのがものすごく熱い。

お玉で卵救う→手にとって「あちっ、ちっ、ちー」→卵をおとしそうになる→よろよろマジックで数字を書く→時間がたつことに気づき、慌てて次の卵をすくう→「あちっ、ちっ、ちー」

これを、休む暇なく19分間続けたわけである。

コントか。

コントだとしたらそこそこ「シュールですね」といわれるタイプのやつだ。悪い気はしない。

まんざらでもない思いですべての卵が引きあがった。

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ひきあげた卵は水で冷やしていました

いよいよここから中身の検分にうつるわけだが、天気もいいし先の作業は近所の公園で行うことにした。

卵と芝生って、相性が良いと思いませんか。

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いい天気ですし外へ
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全20個をむいていく

さて、芝生にしきものを敷いたらあとは黙々と卵の殻をむいていく。誰か助っ人をたのめばよかったが、ひとりだ。

平日の昼、こどもが わーわー いいながらそばを駆け抜け、お年寄りが日向ぼっこしながらうとうとしている。

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全20個、割る前の様子の記念写真を撮った
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長時間ゆでた卵(番号でいうと19番)のほうからむいていった

固ゆでのものは普通にゆで卵をむいているようでピクニックみたいなのだが、半ゆだりの卵のあたりになるとむけそうでむけずに苦労した。

ゆで時間3分とかのものはほとんど生だ。芝生で生卵割る。

シュールでしょうか。今日はまんざらでもないわね。

まずは、そうして割ってとりだした卵をアニメにしましたのでご覧ください。

ゆだりゆく卵 ~お皿編~

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気づいたのは、「ゆで卵」から「非ゆで卵」に変化するのはほんの2分ぐらいの間である、ということだ。

沸騰して2分後の卵でギリギリで白身が凝固して皮もむけるようになり、沸騰4分もするときっちり爪を立ててむいても怖くないぐらいしっかりゆだる。

断面はどうだ

外側のゆだり加減を見た後は、やはりキモの断面、黄身の様子だ。ぬかりなくまな板、ナイフは用意しております。

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断面も確認! 食べたい気持ち我慢マックスです

皮がむけない、生に近いものに関しては、スプーンで繰り出して中身を取り出して撮影した。

こちらもアニメにしました。

ゆだりゆく卵 ~断面編~

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これで分かったのは、沸騰4分~6分で中の黄身がじわじわと凝固していっているということ。

いわゆるゆですぎ、黄身と白身のあいだが黒ずむのは一番長くゆでた沸騰13分の卵になんとなくあらわれたが、今回のゆで時間では いかにも真っ黒にはならなかった。

まな板の上にアリがたかりそうになるのをけん制した(アリって卵好きなのかな? すごく寄ってきたよ)。あと、陣取った脇に植えられた花にくるデカイ蜂を怖がってじっとした。

アニメまだあります

そんなわけで、たまごのゆだる進行はこうして分かり私は満足だ。

もうひとつ、今回、卵を割った後、一応ナンバリングした密封パックに移した(撮影したそばからパクパク食べてしまうのを防ぐ意味もある)、その様子もアニメにしたのでお送りします。

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こんな感じでひとつずつ入れていった
ゆだりゆく卵 ~ジプロック編~

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お湯、すげえ

こうしてしみじみ思ったのは、お湯ってすごいなおい、ということだ。だって、びちゃびちゃの生卵がお湯でぐつぐつするだけで、ぷりぷりのゆで卵になるんだ。

お湯に感動しつつ、残った卵をいっぺんに食べないように気をつけようと思いながら、打ち上げに一つだけ食べて撤収した。

包丁をぬぐった濡れタオルが黄身だらけになっていて、何がおきたんだろうという感じになった。

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一つ食べたのは9番、ゆで時間沸騰4分のもの良い感じに半熟
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生のものは帰って焦って卵焼きにして冷凍しました。だし汁を極少にすると卵焼きは冷凍できるそうです
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