特集 2026年3月17日

ヨシダプロの実家にラーメンを作りに行ってきた

スープに食材を加える

鶏ガラなどから作るラーメンのスープは最低でも2時間、できれば3時間くらい煮込みたいところである。いつものように作ってしまったが、他所様の家でキッチンを借りて作るのにまったく向いていない料理だ。

すぐできる冷やし中華にすればよかったな、というか別に鶏ガラから作らなくてもよかったなと思いつつ、でもせっかくの機会だからやっぱりたくさんの骨を煮るという誠意を見せたいよなと今更ながらモヤモヤした。

そんなタイミングでヨシダプロが持って来てくれたのが、2000年11月号の日経ネットナビだった。林さんとヨシダプロが「お笑い&ユーモアサイト」という括りで並んで紹介された記事を読んでほっこり。まだ少し緊張しつつも、なんだかゆったりとした時間を過ごさせていただく。

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こういう本がスッと出てくるのが実家だよね。二人とも作風がまったく変わっていない。
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お菓子が次々と運ばれてくる。「ゴミはこれに入れてね」とチラシを折った箱が出てきて、さすがに実家過ぎると目を見開いた。

会話が少し途切れたところで、鍋にキャベツ、ニンジン、ショウガなどをたっぷりと投入。このメンバーならスープに野菜を入れた方がいいだろう。肉は脂肪の少ないもも肉にした。

そういえばヨシダ家の犬の名前がももだった。ちょっと微妙なダジャレを言ってしまいそうそうなので、もも肉じゃなく肩ロースにすればよかったなと反省した。

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スープに野菜をたくさん入れてみた。
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別の鍋で昆布と煮干しを水に浸けておき、弱火で沸かして和風出汁も作る。鰹節は入れ忘れた。

麺の生地を作る

スープの仕込みが終わったところで、ようやく麺作りに取り掛かる。どの程度までこっちでやるか迷っていたのだが、このご家族なら楽しんでもらえそうなので、ヨシダ家の三人にすべてやってもらうことにした。

小麦粉、水、粉末カンスイ、塩を計量して、しっかり混ぜて生地を作る。こういう製麺ワークショップをたまにやっているのだが、今日みたいにまったくの初心者にやってもらうと、こちらも教え方の学びが多い。

麺作りを趣味にするためのワークショップという訳でもないので、技術的な細かい部分は置いておいて、仕上がりの完成度よりも参加者の達成感を優先させた。

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ヨシダ家のリビングは情報量が多すぎて、なんだか印象派の絵画みたいになっていた。
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壁にはヨシダプロの絵、お母さんの絵、孫(プロの兄の子)の絵がランダムに貼られていた。
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「粘土遊びみたいで楽しいな」

捏ねた生地を休ませているとき、「このぬいぐるみは〇〇(プロの本名)が生まれたときの重さなの。大きくて大変だったわ!」と、お母さんが3580gのクマを持って来てくれた。

そのぬいぐるみはずっしり重く、本当にヨシダプロを抱いているように思えてきた。これと同じ重さの命がお母さんのお腹から生まれて、目の前にいるヨシダプロに育ったのだと思うと、よくわからないけど感慨深い。今更当たり前の話なのだが、この二人は本当にヨシダプロのお父さんとお母さんなのだ。

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生まれたばかりのヨシダプロの化身を抱っこして、その重さに驚く林さん。
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お兄さんのぬいぐるみも出てきた。こちらはさらに重かった。
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飛行機内で撮った家族写真が飾られていた。この飛行機に雷が落ちて、すぐ空港に戻ったのだとか。
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飛行機といえば、この写真を見てお母さんが客室乗務員だったという記事(こちら)を読んだことを思い出した。あの記事の人なのかと記憶と現実が結びついた。
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スープはもう少しで完成かな。味を確認したら野菜の入れ過ぎてラーメンというよりもブイヨンっぽかった。まあいいか。

家庭用製麺機で生地から麺を作る

そろそろスープが出来上がる頃、持参した家庭用製麺機という、群馬の高崎や山梨の甲府あたりの実家だとたまにある古い道具を取り出して、捏ねた生地を伸ばして切る。

ハンドルをクルクル回すだけで生地が均等に薄く伸び、誰でも一定の太さの麺が作れるという夢のマシーンに、ヨシダ家の全員が大興奮。ラーメン作りで一番楽しい工程で、私としても最も教えがいのある作業だ。

ただ犬からすると、こんなにかわいい私(もも)を無視して人間が製麺機に夢中になっていることが大変不満らしく、麺ができあがるる頃にはすっかり不貞寝をしていた。

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ハンドルを回して生地を伸ばしていく。
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きれいな中華麺が出来上がって歓声があがる。それを見つめるつまらなそうなももの表情。ごめんな、今日の主役は製麺機なのだよ。
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不貞寝した。
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トイレのカレンダーがまた実家っぽかった。もちろん2026年のものだが1985年くらいでも違和感がない。
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用意した2つのスープをお好みでブレンドしてもらおうか思っていたが、ちょっとややこしいかなと全部混ぜてしまった。5人前でいいのに余裕で10人前以上あるな。

ラーメンを仕上げて食べる

麺とスープが準備できたところで、とうとうラーメン作りの仕上げに取り掛かる。具はこちらで用意してきたメンマとコマツナ、スープで煮た豚肉、お母さんが用意してくれた煮卵とネギ。

スープ自体に味はついていないので、麺を茹でている間、それを食べる人に丼の中で、醤油ダレ、ネギ油、味の素などを組み合わせて調味してもらう。

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このラーメンスープの正解の味付けがわからない状態で、好みの味にしてもらうという無茶ぶり。大丈夫、正解などないから。

この作業は一人ずつしかできないので、まずは一番料理に慣れているお母さんからやっていただいた。

先に私が手本を見せた方がわかりやすいのだろうが、今日の感じだとネタバレする方がマイナスかなと思って自分の分は最後にした。参加者の試行錯誤こそが製麺ワークショップの醍醐味だ。

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打ち粉をした麺をギュッと揉んで、ちぢれ麺にした。
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丼のスープに麺を入れて、好みの具を載せたら完成。

こうして仕上がったらラーメンは、なんだかとっても「実家でがんばって作った味」になった。昭和40年代に一般家庭向けだけど凝った内容の料理本を見ながら張り切って作ったような、良い意味でのレトロ感が溢れる中華そば。現代の店ではまず出てこないタイプの優しいラーメンは、この家で作ったからこその一杯だろう。

あまり深く考えずに成り行きで作ったが、ご両親の年代の方からの「醤油ラーメン」というオーダーに、なんとか答えられたのではないだろうか。どうせならナルトも持ってくればよかった。

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小麦粉を捏ねたり鶏ガラを煮たりするところから作ったとは思えない地味なラーメンが完成。
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ラーメンは一人ずつしか作れないので、食べている人を順番に見守るスタイルとなる。
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一口欲しそうにしている犬が、ずっといることにようやく少し慣れてきた。
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「店のラーメンとは全然違うな!」
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ラーメンを食べ終えたところで、ちょっと腹ごなしにももの散歩でもしましょうかと、ヨシダプロと林さんの3人で出かけた。

50年前にできた新興住宅地と、住宅地にならなかった農地の境界をのんびり歩く。林さんが「すごく千葉らしい景色だ!」と喜んでいた。

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道路を挟んで左が住宅地、右が農地とくっきり分かれている。

散歩を終えてヨシダ家に戻ると、紅生姜の入ったお手製いなりずしが待っていた。

サンドイッチ、ラーメン、いなりずし。今日はパン、麺、ごはんの炭水化物トライアスロンだなと思いながら二ついただいた。ご両親にとって、子どもとその友達はいつまでも育ち盛りなのだろう。

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甘いおあげと紅生姜の組み合わせがうまい。
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そして大量のお土産をいただいてしまった。お世話になりました。

素敵な一日でした

ヨシダ邸から最寄り駅まで林さんを車で送る途中、「今日はなんの会だったんですかね」「よくわからないけど充実した一日でしたよね」「何年かして思い返すんでしょうね、あのラーメンは幻だったんじゃないかと」みたいな会話をした。この記事を書きながらも、ずっと一人でニヤニヤしていた。本当になんだったんだろう。

自分の意志では決して辿り着かない人生の脇道。この3人が小学校からの幼馴染で、高校卒業以来久しぶりにヨシダさんの実家に集まったようでもあった。

林さんは東京から、私は埼玉から。昼過ぎに千葉に集まって、夕方前には解散するというタイムスケジュールもなんだかよかった。

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編集部からのみどころ
ヨシダプロの実家が平成初期の懐かしい実家の景色で、入って1分でまるで自分の実家のようにくつろぐことができます。
多くの人が思い浮かべる「実家」を具現化したような景色を玉置さんにも味わってもらえて満足です。ヨシダさん、いつもありがとうございます。(林)

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