ラーメンとげそ天
もうひとつ食べておきたいげそ天がある。
実は山形県はそばだけでなくラーメンの消費量も日本一(8年間日本一だった座を2021年は新潟市に譲ってしまったが2022年は再び首位を奪還したとちょうど先日ニュースになっていた)の麺類大好き民が集う県である。ラーメンを提供するそば屋も多い。じゃあラーメンと一緒にげそ天食べたっていいんじゃないか?ということなのかどうかは分からないが、げそ天入りラーメンを提供するお店がある。
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土曜の9時過ぎにお店に行ったのだが店内は満席で一人客のみならず仕事終わりのグループや家族連れまで幅広い年齢層のお客さんで埋まっていた。さすが日本一のラーメン消費県、みんなラーメン大好きなのだ。
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真ん中にからみそが乗ったスタイルは山形赤湯ラーメンの特徴である。これをスープに溶きながら食べていくとみそのコクが辛みとともに深まっていって体も心もポカポカになる。
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スープに浸かったげそ天はそばに添えるのとはまた違った良さがある。さきほどのげそ天はどこか上品な佇まいだったが、こちらのげそ天はカジュアルでジャンクなげそ天だ。
げそ天の良さはこの二面性ではないだろうか。えび天は上品さから抜け出せないし、ちくわ天はどこまでいっても庶民派だ。庶民の味方でありながら、それなりの風格も感じさせるバランス感覚こそがげそ天が愛される秘密かもしれない。
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げそ天愛がすごすぎるスーパー
さて、山形におけるげそ天の位置づけがなんとなく理解できたところでいよいよげそ天にパラメーターを振りまくったスーパーに行ってみよう。JR山形線の羽前千歳駅から徒歩5分ほどのところにある「エンドー」だ。
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あくまでスーパーなのでげそ天以外の商品も売っている。お客さんもげそ天目当ての観光客ではなく、地元の皆さんがメインだ。筆者が訪れた際も今夜のおかずを買いだすお母さまたちがひっきりなしに来店していた。
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店内はこんな感じで肝心のげそ天は並んでいない…実はげそ天はすべてオーダーを受けてから作るスタイルなのだ。だから出てくるまで少し時間はかかるが常に出来立てだ。その場でイートインすることもできるので、出来立てを提供してくれることほど嬉しいことはない。
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そう、ここエンドーではノーマルなげそ天だけでなく16種(時期によって変動)ものフレーバーを選ぶことができるのだ。おそらく日本で一番、げそ天の味を選べる場所である。これでもし死んだ後に「げそ天フレーバー選択肢ありすぎ地獄(選べなくてつらい)」に落ちても安心だ。いや、選択肢ありすぎは天国か。
店長さんと思わしき方にオススメを聞くなどしてなんとか5種に絞りオーダーすることができた。これ、友達や家族で連れ立って来て16種全部頼んでげそ天パーティーするのが正解なやつだ。
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待つこと約15分、げそ天が出来上がった。今回頼んだのは、ブラック(イカスミ)、塩レモン、シーフード、チーズ、キムチの5種だ。それでは一人げそ天パーティー、スタートです。
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これはげそ天革命である。通常のげそ天はあくまでげその味が主体になっているが、エンドーのげそ天はそこにフレーバーがプラスされている。それによりげそ天という料理の可能性が一気に広がっているのだ。どうすればげそ天をもっと楽しんでもらえるか、げそ天の高みを目指せるか、それを追い求める気迫がビシビシ感じられる。ああ、これが、げそ天愛か…。