初心者のよく焼き
注文した肉を焼いていこう。
そういえば店員さんから、『生肉はトングで、焼けた肉は箸で取ってください』との注意喚起があった。
そんなのできるのか?わけわかんなくなりそう。おしゃべりが盛り上がったり、酒が回ってきたりしたら、そんなこと忘れそうな気がする。ちなみに、わたしは偶然にも思い出せました。よかった。安心してお読みください。
タンって薄いから、焼けた判定が多少甘くても大丈夫そうな安心感がある。だからみんなタンが好きなのか?
美味しい。食卓には出ない肉の味がする。これぞ外食。なんでだろう。部位?シチュエーション?ゴキゲンな味だ。
壺漬けの肉は厚みがあるので、火が通っているのか否かの判定がむずい。
とりあえず網から上げてみたが…………。
大きい。皿の仕切りを横断する大きさ。美味しそう。肉が大きいって、それだけで陽気な感じがする。
でも、これ火通ってんのかな。噛むの怖いな。どうしよう…。
…あっ。
ハサミある.
もしかしてこのハサミ、焼く前に切る用のやつだったのかも。きっとそうだ。かぶりつく前に気付いてよかった。かなり冴えてる。脱出ゲームみたい。
モタモタしている間に、追加の肉と米が来た。
水餃子を3分で引き上げられず、ビビリにビビって6分くらい茹でるタイプなので、当然肉も焦がす勢いで焼いていく。
追加注文を選ぶ・撮影をする・食べる・焼く。この4つを並行しながらやるのにかなり苦戦した結果、めちゃくちゃ焦がしてしまった。
でも、食中毒を恐れながら食べる肉より、確実に火が通ってることを確信した上で食べる肉の方が安心して味わえるからオッケーだ。あと、焦げても全然美味い。焼肉は存在が『ハレ』だから、多少焦げてもハッピーは損なわれないのである。
早すぎる終了
米、美味しい。釜で炊いてるらしい。美味しい。温かい米は良い。食べ物って温度だ。
ただ、焼肉の後に食べる米が美味いのって、走った後の水が美味しいような感じかもしれないとも思う焼肉店における米ってかなりバフがかかってる。
焼肉欲、完全に満たされた。
満腹よりも先に、疲労と眠気がきた。
あ〜、眠い。一泊2万って言われても、ここで寝たい。もしくはシャトルバスで帰りたい。
焼肉欲は満たされたし、帰り道のことを考えると、腹8分目くらいで抑えておきたい。
これぞ、体力がない人間のリアルである。
スープ飲んで帰ろ。
スライドするスープ
スープ、蓋なしで来た。すごいな。止まった時に反動で汁が溢れる可能性とかないんだ。このレーンの安全性に対する自信を感じる。
ただ、蓋をしていない汁物がレーンで運ばれてくるのは、レーン配膳全体からどことなく漂う『あちらのお客様からです〜極ver.〜』感がかなり露骨に現れてしまっていて、これでいいのだろうか、とも思う。
スープも美味しかった。やりきった後の胃に沁みる。そして猛烈に眠くなる味。温かいスープ大好きだ(冷製スープも好き)。
そう言えば、この食べ放題のメニューには、本当はアイスとかビビンバとかも含まれているらしい。きっとそれも美味しいんだろう。わたしにとっては、相当胃を強化しないと辿り着けないゾーンにある食べ物ではある。とりあえず夢だけ見ていよう。
帰り道、レジ前に置いてあった飴を舐めながら、「多分、自分の『焼肉食べたい欲』て、小さめの焼肉弁当1個で丁度いいんだろうな」と思った。なんならライスバーガーでもいいかも。
あと、肉の種類もわからなくて適当に頼んでしまった。胃が小さい人ほど、よく考えて頼むべきだったはずだ。反省。
でも、最初に壺漬けを頼んだのは大正解だったな。あの壺はスマホを立てかけて自撮りするのに丁度いい。
それにしても、自分でもびっくりするほど満腹になるのが早かったなー。
部活だったら顧問に『やる気ないなら帰れ』と言われていたところだ。部活じゃなくてよかった。
でも、やっぱり心の中の顧問に怒られたくないな。
うん。今度は友達と行こう。
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