次は何を見つけるか
ワカケホンセイインコを無事見つけることができた。
事前に調べた時、東京インコ界で有名な大岡山・東工大の営巣地を知ったのだけれど、最近は見かけなくなったという情報も目にした。そのため激写できるか心配だったけれど、あの鮮やかさを激写できて本当に良かった(欲を言えば明るい昼間に激写したかった)。
次はニホンザリガニを探しに行きたいと思っている。
しかし、そのためには北海道まで行かなければいけないのがネックだ。
誰もが知っている鳥「インコ」。
鳥を飼うとすれば、まず候補に挙がってくるのがインコだと思う。そのためかインコは鳥かごの中にいるイメージが強い。
しかし、もちろん野生のインコはいる。
たとえば、ペットとしてポピュラーな「セキセイインコ」は、オーストラリアの草原や林で暮らしているし、同じくペットとして人気が高い「コザクラインコ」はアフリカ南西部に生息している。
日本にも野生のインコはいる。
あまりインコが日本の空を飛んでいるイメージはないけれど、「野鳥図鑑」みたいな本にもバッチリ載っているのだ。これは探しに行かねば。
※2011年5月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
日本に棲む野生のインコは「ワカケホンセイインコ」という種類だ。 本来はアフリカ中部や南アジアで暮らすインコなのだけれど、日本にもペットとしてではなく野生として生息している。
日本に生息するこの野生の「ワカケホンセイインコ」は、もともとはペットとして飼われていたものだ。それが逃げ出し、長い時間を経て数が増え、今では野鳥として図鑑に載っていることも少なくない。
もう野生扱いなのだ。
スズメやカラス、ハトと一緒の並びにワカケホンセイインコ。またこの図鑑では、206種の野鳥が紹介されていて、ワカケホンセイインコはそのトリとして紹介されている。まぁ野鳥図鑑だから全部「とり」だけれども。
『まぁ野鳥図鑑だから全部「とり」だけれども』を原稿に書くかどうか悩みながらワカケホンセイインコを探しに出かけた(書くという結論に至った)。東京はもちろん、名古屋や大阪などにも生息しているらしいが、今回は東京で探すことにした。
東京のあちこちで目撃情報があり、今回は世田谷区や大田区あたりで探すことにした。木や電線などにとまっているらしいので、もうカラスやハト、スズメと一緒だ。とりあえず上を向いて探し歩いた。比喩的な表現ではなく本当に上を向いて歩いたのだ。
ハト多い。 耳をすまして鳴き声や木々の揺れる音を聞き、そちらの方に歩くとハト。あるいはスズメだ。最初はもしかして、とドキドキしたけれど、だんだん「ハトだろうな…」とかと思いながら歩みを進めた。そしてやっぱりハトなのだ。
随分と探したのだけれどワカケホンセイインコはいない。
ハトを筆頭にスズメとカラスばかりなのだ。上を向いてばかりなので首も痛い。もしワカケホンセイインコを撮影できなければこの記事はボツだよな…と思いながら「大岡山」に向かって歩いた。
「大岡山」には東京の野生インコ界で有名な営巣地があるそうだ。そこに行けば激写できるだろうと思いやって来たのだけれど、いなかった。
もしかして「ワカケホンセイインコとはみんなの心の中にいる鳥なのでは」と思ったりもした。現実から逃げようとしているのだ。そんな時だった。ついにインコを見つけたのだ。
大岡山南口商店街にインコがはためいていた。
これで「インコを見つけた」ということにしようかとかなり悩んだ。でも、これは絵だしな…、動いてないもんな…でも風ではためいていると動いているようにも見えるか、などと言い訳を考えた。そんな時だった。ついにインコを見つけたのだ。
上の写真で「インコを見つけた」と言い張ろうかと、この時の僕がどんだけ悩んだことか。ウサギはストレスで死ぬこともあるそうだけれど、この時の僕がウサギならば悩みすぎたストレスで、普段はピンとなっている耳がフニャ~となっていたと思う(さすがに死ぬほどではない)。
首は痛いし、チャームポイントの耳(僕がウサギならば)はフニャ~となるしで、もう心は折れていた。そんな時だった。聞きなれない鳴き声がした。どこか南国っぽい鳴き声だった。ピ~、ピ~という聞きなれない鳴き声。
捜し求めていたワカケホンセイインコがいた。
緑色でハトと同じくらいの大きさ。心から嬉しく、釣り上げられたサバが跳ねるように心が弾んだ。問題は激写したインコが不鮮明ということだ。もっといないかとインコ捜索を続けた。
その後インコは見つからず、帰ろうとした時だった。
ピーピーという鳴き声が聞こえた。そちらにカメラを向けるとワカケホンセイインコがいた。しかも、何羽もだ。フニャ~とした耳(僕がウサギならば)がさっきのインコでピンとして、今回のインコでもう一本生えて3本になった。
尾が長く美しい。
スズメやカラス、ハトなどのよく見かける野鳥は彩度が低いが、ワカケホンセイインコは緑色で眠気が吹っ飛ぶほど鮮やか。同じ都心部で見られる日本の野鳥とは思えない。テンションが逆バンジーくらいに一気に上がった。
どうにか激写できたので帰ろうと、興奮気味に駅を目指していたら、東工大にワカケホンセイインコがいた。ここが東京の野生インコ界で有名な営巣地なのだ。さっきまでいなかったのに、今はたくさんいる。
インコがたかっていた。
「ハエがたかる」と言ったりするが、インコで「たかる」という表現を使うとは思わなかった。すごい数だ。今まで探していた時間は何だったのだろうと思う。あまりに無駄すぎて、ちょっと自分で笑ってしまった。だってすごい数なのだ。
ワカケホンセイインコを無事見つけることができた。
事前に調べた時、東京インコ界で有名な大岡山・東工大の営巣地を知ったのだけれど、最近は見かけなくなったという情報も目にした。そのため激写できるか心配だったけれど、あの鮮やかさを激写できて本当に良かった(欲を言えば明るい昼間に激写したかった)。
次はニホンザリガニを探しに行きたいと思っている。
しかし、そのためには北海道まで行かなければいけないのがネックだ。
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