いつも割れている
ここ数年、年末か年始にボロ市に行くようになった。
要は蚤の市とか骨董市なのだが、中には「あ、これ売るの!?」みたいなものも混ざっていて興奮する。
そして、そのボロ市で毎回目にするのが前述したくす玉だ。割れた状態の。
今年も割れとるな〜〜と思っていつも写真を撮っている。
このように、いつも割れているのだ。
しかし、今年は違う。
12月15日8時40分、私はボロ市の中心地、代官屋敷前にいた。
いつもあんなに真っ二つのくす玉が、玉なのだ。
くす玉、おまえにも球体の時期があったんだな!とうれしくなってしまう。数分後には割れるんだけど。
とうとう割れる
時刻が9時(開始時間)に近くなり、そろそろだろうかとカメラを構えて待つ。花火の音が響き、「ただいまの花火の打ち上げを合図に、ボロ市を開催します」というアナウンスが入る。
いよいよくす玉が!と慌てて動画を回すが、
くす玉のひもを引く人がまだいなかった。
10分ほど待っていると、くす玉の下に踏み台などが置かれて現場にちょっと緊迫感が出てきた。
「ただいまより、代官屋敷黒門前で、くす玉開きを行います」というアナウンスがあり、くす玉が割れる瞬間がやってきた。
あと、くす玉を割るのって海開きみたいに言うんだな。
アナウンスの人の合図でくす玉が割れる。アナウンスの人が全てを司ってるな。
くす玉が割れると強制的に、今年も開催されてよかったな!という気分にさせられてしまうのがおもしろい。
(おしまい)
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