特集 2020年8月2日

天井からにょっきり生えてるものコレクション(デジタルリマスター)

にょっきりと!

このサイトでは毎回、自分の好きなことや興味のあることを書かせてもらっているが、なにぶん自分だけの興味なので、「これ、伝わるかなー…」と思いながら恐る恐る書いていることも多い。

…という書き出しから始めているということは、今日は明らかにその類の記事です。天井からにょっきりと生えている看板/サインを集めました。

2009年7月に掲載された記事の写真画像を大きくして再掲載しました。

インターネットユーザー。電子工作でオリジナルの処刑器具を作ったり、辺境の国の変な音楽を集めたりしています。「技術力の低い人限定ロボコン(通称:ヘボコン)」主催者。1980年岐阜県生まれ。(動画インタビュー)

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What's にょっきり

「天井からにょっきり生えている」とはどういうことか。まずは下の写真を見てほしい。

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にょっきりと非常口

 

これはカルカル(お台場にあるニフティ運営のトークライブハウスです)の入り口付近についている、非常口のサインである。このにょっきり感、伝わっただろうか。
【※編集部注:カルカルは当時はカルカルにあったのですが現在は渋谷にありまして、運営はイッツコムです】

サイン自体は、幅30センチくらいの小さなものである。一方で、その支柱。カルカルの高い天井からニョキーっと伸びて、われわれ下々の人間にも見やすい位置にサインをお届けしてくれている。その組み合わせがなんとも不釣合いというか、「こんな小さなプラ板支えるのにわざわざすみません!」と思ってしまうのだ。この違和感を楽しもうというのが、今回の趣旨である。

さてこのサイン、どのくらいにょっきりしているか。高さを測ってみた。

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高いイスがあってよかった
天井の高さ…420cm
床から看板まで…250cm


この420cmから250cmを引いたものが、このサインの身長である。

カルカルの非常口サイン
にょっきり長…170cm


この記事ではこの数字を、にょっきりしている長さ、「にょっきり長」と呼ぶことで、そのにょっきり度合いを比べていきたいと思う。

数日間かかって都内を歩き回ってにょっきりなもの達を見つけてきた。その中から、特ににょっきりしていたものをランキング形式でお送りしたいと思います。

 

 

第10位 品川駅の監視カメラ

天井の高さ…467cm
床から看板まで…317cm

にょっきり長…150cm

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丈夫なポールに小さなカメラ


定番にょっきり

天井からにょっきりの定番といえばこの監視カメラである。

あまり高い位置にあると人の顔が映らないため、にょっきりさせて下におろしてくる必要があるのだろう。本体部分が割りとコンパクトなのも、アンバランスさに拍車をかけている。しょっぱなからなかなかの好物件だ。

そうそう、今回の記事を書くに当たって、にょっきりしたものがよりにょっきり見える撮影法を編み出した。名づけて「にょっきりビュー」である。さっそくこのカメラをにょっきりビューで見ていただこう。

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はい、ただの縦写真ですね。

しかしこうやって人が歩いている姿と一緒に見ると、150cmとはいえ思った以上ににょっきりしていることがわかる。僕らが何気なく暮らしているあいだにも、頭上ではいろんなものがにょっきりにょっきりと伸びてきているのだ(って別に伸びてはいないんですが)。

ところでこの監視カメラ、見た目がなんとなくギンリュウソウに似ている気がするのは僕だけではないだろう。

 

第9位 秋葉原の乗り換え案内&非常口サイン

天井の高さ…427cm
床から看板まで…261cm

にょっきり長…166cm

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非常口が小さくてほんとにかわいい


親子でにょっきり

この案内板自体はさほど大した事はないというか、幅広の看板に対してにょっきり長がそこまででもないので、単体であればこのランキングで取り上げるほどでもなかったかもしれない。

しかしよく見てほしい、一歩下がって、にょっきりというよりはぴょっこりという感じで顔を出す非常口サインの姿を。

どっしり構えたお父さんにょっきりに、かばわれるようにしてついている子ぴょっこり。非常口のピクトが、無邪気に走り回る子供の姿に見えてきた。

そういう気持ちで見れば、乗り換え案内の矢印もなんとなく「この非常口サインも見てあげて」という親心に見えてくる。子ぴょっこりのにょっきり長は現在90cm。今後の成長が楽しみである。(育ちません)

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にょっきりビューでもどうぞ

 

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第8位 東京テレポート駅の非常口サイン

天井の高さ…502cm
床から看板まで…325cm

にょっきり長…177cm

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月面探査にょっきり

冒頭で紹介したカルカルの非常口サインに似ているが、こちらのほうが若干にょっきり長が長いのにくわえ、サイン部分がより小さくてシンプルだ。同じ非常口サインでもより洗練された雰囲気がある。

さらに4本のワイヤーで周囲を補強されているのも特徴。おかげでなんだか昆虫っぽい。月面探査機っぽいといってもいいかもしれない。

にょっきり感の観点で言えば、やや蛇足ともいえるこのワイヤー、しかし月面探査機っぽいとなるとかっこいいので話は別である。サイン設置の担当者も、かっこよさとにょっきり、どちらを取るか頭を悩ませるところなのだろう。(強度で決めると思います)

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そうそう、この非常口サインには群生地がある。改札入って突き当たりの通路に立つと、通路に沿ってたくさんの非常口サインがぶら下がっているのが見られるのだ。

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通称・にょっきり通り

間隔が広いので写真では見にくいが、通路に沿って一直線、等間隔に非常口サインが並んでいる。サインが月面探査機だとすれば、この通路は月面である。そう言うとなんともサイエンスロマンなスポットであるかのようだが、実際には現場で今いちばん盛り上がっているのはお台場合衆国と実物大ガンダムである。

 

第7位 渋谷のなんだかよくわからないもの

天井の高さ…480cm
床から看板まで…278cm

にょっきり長…202cm

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時計と寄り添う謎の機械


エニグマにょっきり

7位は渋谷にあるこのUNOだ。UNOというのは未確認にょっきり物体の略。これがにょっきりしているのは確かだが、一体何なのかわからなかったのだ。

寄ってみるとラベルには「SuperDymnamic II」と書かれていた。小学生がかんがえた必殺技か。

まったく用途はわからないが、とにかくそこにぶら下がり続けている。この点だけならモアイやナスカの地上絵にも引けを取らない。

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スーパーダイナミック2!
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何かの計器か、それともネズミ避けだろうか
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謎が謎のままぶら下がり続ける、スーパーダイナミック2

謎すぎてすっかり企画本来の趣旨を置いてきぼりにしてしまったが、ここへきてついににょっきり長は2m越えだ。人間の身長では追いつかない領域に突入した。

第6位 有楽町駅の電光掲示板

天井の高さ…458cm
床から看板まで…248cm

にょっきり長…210cm

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電車遅延情報や、緑の窓口の営業案内などが出てます


隠れにょっきり

第6位は、左の写真の電光掲示板である。一見、全然にょっきりしていない。普通の電光掲示板だ。

しかし、見る角度を変えると…。

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とっさに「ポリゴン」という言葉が思い浮かんだ


ゴゴゴゴゴゴ。

音を立ててこちらに迫ってくるような、大迫力にょっきりである。

建築デザイン上のことなのかそれとも他に理由があるのかわからないが、天井がここだけ高くなっている。そしてどういうわけだか、その天井の一番高い部分から、わざわざこうやってぶら下がっているのだ。「高いところから失礼します」というやつである。

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この電光掲示板はそこそこでかい上に色が黒いので、実際に下から見上げてみるとけっこう迫力がある。しかし上記のとおり隠蔽されているために、ほとんどの人はこの迫力に気づくことがないのだ。

せっかくなので、電光掲示板に「付け根に注目」とか流しておくのはどうだろうか。電車の運行情報より人の心を揺り動かす情報ではないだろうか。

第5位 国際フォーラムのエクセルシオールカフェ

天井の高さ…395cm
床から看板まで…165cm

にょっきり長…230cm

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ついさっきまでエクセシオールだと思っていた


デザインがあだとなり

よく見かけるのに名前の覚えられない店、エクセルシオールの看板が第5位だ。

ひょろりと伸びた2本のポールは、物件としてかなり申し分ない。しかし、問題はその先についた丸い看板だ。この看板のデザインがポールとうまく合いすぎていて、にょっきり看板の魅力であるアンバランスな違和感がずいぶんそがれている感じがするのだ。

にょっきり長230センチ、スペック的には申し分ないだけに、なんだかもったいない物件である。

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にょっきりビューは撮り忘れたので遠景写真でどうぞ

 

第4位 渋谷東急エスカレーターの階数表示

天井の高さ…485cm
床から看板まで…220cm

にょっきり長…265cm

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エクセルシオールといい、ポール2本なのはおしゃれ心なのかも

お店にょっきり

ここまで挙げたにょっきり看板/サイン、大半が駅の中であることにお気づきだろうか。これは決して駅ばかり探したからではなくて、お店の中も探したけれどなかなか見つからなかったのだ。この記事で楽しんでいる「にょっきり感」というのは、ある種の違和感だ。お店のインテリアとしてはふさわしくない、ということだろう。

そんな中、店舗でめずらしく「にょっきりしてるなー」と思えたのがこれ。広くて開放的な空間の中、突然ニューッと天井から飛び出してくる階数案内。ポールの細さにくわえ、階数表示本体が縦長なのもにょっきり感に拍車をかけている。

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それだけではない。この物件の真価は、それがエスカレーターであるところだ。つまり、上の階からエスカレーターで降りてくる時、天井から看板の先まで、全ての高さからそのにょっきり感を楽しむことができるのだ。すごい。

なお、エスカレーターからの写真は今回は掲載しない。ぜひとも現地へ行って、自分の目で眺めてみてほしい。(原稿書いてるときに思いついたから写真撮ってないだけです)

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第3位 東急渋谷駅のランプ

天井の高さ…485cm
床から看板まで…220cm

にょっきり長…265cm

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このごちゃごちゃの中にたくさんのにょっきりが


にょっきり群生地

「にょっきり」というより「にょきにょき」がしっくり来る、そんなスポットが第3位である。

東急の渋谷駅、東横線ホームである。3位のにょっきりは、左の写真にあるランプ(よくわかんないけど電車になんか信号を送るやつだと思いますよ)。だが、見どころはそれだけではない。ここはたくさんのにょっきりが群生していて、まるで春先のツクシのように、あっちでにょきにょきこっちでにょきにょきしているのだ。

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見渡す限りにょっきり

もともと天井が高いので、どれもなかなかのにょっきりぶりである。目隠しとなる電車のいない光景をぜひ見てみたいところだ。

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第2位 大井町のホーム案内

天井の高さ…582cm
床から看板まで…270cm

にょっきり長…312cm


駅のホームは意外ににょっきり長低め

4位のところで「にょっきりは駅に多い」と書いたが、駅は駅でもほとんどは通路など、ホーム以外の場所である。なぜならホームは電気設備が多いために天井付近が入り組んでいて、天井より一段下に、サインを固定できる足場のようなものがあるのだ。その一段の差が、にょっきり的には大きなハンデとなる。たとえばこんな具合である。

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上げ底にょっきり多数

写真を見ると、一段下に張られたレールみたいなものから伸びていたり、鉄骨の梁の部分から伸びていたりと、一段低いところを起点にしていることが多い。そのせいで、にょっきり長がいまひとつ伸びないのだ。(3位の東急ホームは天井が高いので特例だ。)

しかし、そんな中でひたすら愚直に、天井の最高位置から足を伸ばしているサインがいた。

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君こそ本物だ


正直者にょっきり

どうだ、この愚直さ。

右にある駅名表示を見てみると、看板自体は一段低い位置にあるが、根元は鉄骨の梁から伸びた支柱を使ってズルをしている。ズル、かっこわるい。

そこへきて、写真中央のホーム案内。ぴったり天井に根を張り、この堂々としたにょっきり具合。体育のマラソンでクラス全員コースをショートカットしていても、一人だけまじめに正しいコースを走るタイプである。

生真面目さが結果にも表れ、にょっきり長は312cm。正直者が結果を出す社会、にょっきり界のフェアぶりが明らかになった。

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第1位 品川駅のサイン帝国

いよいよ第1位。はい、スペックはあと、説明もあと、まずは写真からどうぞ、これです。ババーン!

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デーンデーンデーン、デーデデーン、デーデデーン(ダースベイダーのテーマ)

天井の高さ…922cm
床から看板まで…252cm

にょっきり長…670cm

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この天井にダイオウイカがぶら下がってる様子を想像してみなよ(したからどうということはありませんが)


にょっきり帝国、建国

もうなんかにょっきりとか違和感とかそういう話ではなくなってきてしまった。頭の上に帝国を発見!みたいな感じである。

電車のホーム案内に時計、監視カメラたくさん、その他もろもろがひとつになって、2段階で作られた支柱に群生している。そのにょっきり長なんと、6.7m!

6.7mといえば、だいたい東京から新大阪くらいの長さだ。嘘だ。2007年に島根県沖で発見されたダイオウイカの全長がだいたい6.7mである。そういわれても「イカでけえ!」としか思えないことと思うが、そのでかいイカと同じくらいこのサイン群もでかいのだ。一周回ってそのでかさを実感してもらえただろうか。

 


にょっきりしてました

これでにょっきり物件トップテンをすべて見ていただいたわけだが、果たしてこの記事をどう締めていいんだかよくわからない。感想としては「かっこいい!」でも「すげー!」でもない。ただただひたすら、「にょっきりしてるなー」である。

そんな毒にも薬にもならないにょっきり達だが、その立ち姿はどことなく愛らしいような気がして、ついつい予定よりたくさん探し回ってしまった。人間、何に熱中するかやり始めるまでわからないもんだなー、というのが今回の取材の感想です。

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ちなみに計測にはこんな機械を使いました。超音波ではかれる距測計。すげえ便利!

 

 

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