特集 2024年7月8日

梅雨に関係なく雨が降っている~気象予報士増田さんの天気解説7月

ペルーでイワシが不漁だと日本の梅雨が遅れる

林:
最近エルニーニョが終わりましたって聞いたんですけど、それをどう受け止めていいのかわらかなくて。

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エルニーニョの終わりを聞いてどうしたらいいのか

増田:
エルニーニョは太平洋の海の状態。海水温の違いなんですけど、基本的にはエルニーニョが起こって、普段と太平洋の状態が違うと日本は不順な夏になりやすい。
西村:
エルニーニョって海水温がちょっと高い現象?
増田:
太平洋の赤道付近とか、熱帯付近の太平洋の東側が平年よりも高い。

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(気象庁ホームページから。NINO.3と書かれた部分がエルニーニョの監視海域)

西村:
ラニーニャは。
増田:
ラニーニャは平年よりも低い。
林:
いろいろバランスが崩れて、不順になる。
増田:
海のエネルギーって大きいので海水温が普段よりあったかい、だったら、普段よりこの辺は上昇気流が生まれやすい。
普段より海水が冷たい、ならば普段より上昇気流が生まれにくい。そうすることによって普段と違う風の流れが出来てしまう。ややこしいですよね。この話。
林:
理解としては不順な天候が終わりますよっていうことでいいですか。
増田:
それで終わりではなくて、ここから一気にラニーニャに行くということなんですね。
林:
そうなんですか!
増田:
この夏から。
林:
普通には戻らないんですね。
西村:
海水温がちょっと低い。
増田:
海水温が低くなっていくということなんですね。
過去にエルニーニョが終わって、そのまま夏にラニーニャが発生した年には実は共通項が2つあって。① 関東甲信の梅雨入りが大幅に遅れている ②夏は高温猛暑となっているんですよね。
林:
梅雨入りが遅れて猛暑になる。
増田:
猛暑になっている。覚悟決めるしかないですよね。
林:
梅雨入りが遅れたところまで当たった。この後は。
西村:
暑くなるかもしれない。
増田:
なるでしょうね。
林:
どれぐらいの暑さ。
増田:
どれぐらいの暑さ。
西村:
去年かなり暑かったですけど。
増田:
泣きそうになるぐらいの暑さにはなると思いますけど。

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(気象庁ホームページから、去年秋からの海水温)

増田:
この赤のところがエルニーニョだったんですね。ピークが2023年の秋とか冬だったんですね。暖冬でした。そこから今、春が終わってだんだん下がっていくということで平均の基準ぐらいで収まってくれればいんですけど、どうもそれを突っ切って低くなるということで、ラニーニャが発生する可能性が高いですよ。
林:
たしかにこのグラフを見たら、急に収まるわけがないですよね。
増田:
これは移動平均でもあるのでそうですけど。

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林:
そもそもペルー沖が鍵になってるなんてよくそこを見つけましたね。三陸とかいろんなところにも海はあるじゃないですか。
増田:
確かに。もともとエルニーニョは毎年ペルー沖のところでクリスマスの時期に、ふだんはたくさん獲れるカタクチイワシが獲れなくなるぞって漁師さんが毎年思っていたんです。クリスマスのタイミングだから幼子キリストを意味する「男の子」ということで、エルニーニョ。スペイン語ですね。
そこから来ていて、エルニーニョっていうのはその周辺の海水温が高くなるというところの話はあったんですけど、影響を調べたのはいつからなんだろう。
林:
相関があるとは思えない遠さ
増田:
そうですね。普段そういうふうに毎年クリスマスの時期に海水域、海域が暖かくなって、カタクチイワシが獲れなくなるというのは毎年のことなんだけど、どうもクリスマスの時期だけじゃなくてもっと長い季節そういう状態になってるぞと気付いた。その後、研究によって、海水温が長い季節にわたって変化している時にいろいろなことが地球各所起こってるぞ、と分かっていった。
林:
風が吹けば桶屋みたいなことが本当にあるんですね。
増田:
そういうことですよね。エルニーニョ。

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1993年と2003年は冷夏でした。憶えてます?

林:
暑くなる要素しか今のところ出てないですね。予想もペルーも。
増田:
ここから冷夏っていうのはちょっと考えにくいですね、わからないですけどね。
西村:
ここから冷夏になりますかね。
増田:
ならなそうですよね。
西村:
冷夏がイメージできない。どんなんだったかな。
増田:
1993年の大冷夏のときに。最終的に米が取れなくなって、タイ米を輸入しなければいけなくなったときは、晴れなかったんですよね。
西村:
ずっと雨が降っていたような記憶がありますね。

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増田:
梅雨明けが特定出来なかったんですよね。なかなかちゃんと晴れなかったから。一説には2年前にフィリピンのピナツボ火山の大噴火、
林:
あれが関係していた?
増田:
一因じゃないかって言われていて。すごい大噴火だったので噴煙が長期間、成層圏を漂っていて、それが日傘のような効果があって気温を下げるような役割をしていたんじゃないかという話もありましたね。

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増田:
あとは冷夏で言うと2003年。2003年も一応東日本とか関東、関東から北は冷夏だったんですけど、そのときはなかなか暑くなってこなかったんですね。梅雨明けは8月に入ってからで。
7月は特に関東から北の太平洋側はオホーツク海高気圧が北海道の近くにたびたび現れて、三陸のほうからやませみたいな風がずっと吹いてきていた。そっちのほうって親潮、寒流が流れていて、その上を渡ってきた風がずっと吹いてたので、なかなか気温が上がらない。
林:
2003年かー。デイリーやって2年目だ。
増田:
覚えているのは7月の夜に焼肉屋の前で並んでて。焼肉屋の前の松明の飾りがあって、あたりながらあったか〜冷夏だ〜って思ったのは覚えてますね。冷夏だった。
林:
覚えそうなエピソードですね。
増田:
7月にこうやって火にあたってあったかいって。
西村:
そういうエピソードいいですね。
増田:
これ、この先も絶対に覚えているんだろうなって。21年経った今も覚えてますね。
小林:
いい話。
林:
最近、生火を掲げてるお店ないですね。
西村:
布みたいなのがピラピラしてる。
増田:
21年前の話ですね。あとは「夏の日の1993」。もう一回2003年にもリメイクされたんですよね。出すと冷夏になる。

林:
オメガトライブでしたっけ。
増田:
class。気象予報士は、あの歌=冷夏になっちゃてる人も多いのでは。
林:
また出してほしいですね。
増田:
この猛暑を収めるためには。
西村:
93年、2003年が冷夏で2013年はどうだったんですか。
増田:
暑かったんです。こう来たら2013年もみたいなそういう話になっていたんですけど、2013年は暑かった。
林:
2023年も暑かったですよね。
西村:
去年か。
増田:
3のジンクスはどこに行ったんだっていうぐらいになっちゃったんですね。
林:
温暖化で3のジンクスが消えたんですね。

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