年間の降水量は変わってないが、大雨が増えている
林：
この連載で、雨少なかったですねって話を毎月してたような気がするんですけど。雨少なかったんですよね
増田：
少ないです。けれどもまだ追いつく余地はあります。東京で見てみたら11月末までで降水量1377mmなんですね。平年だと1年間で1598mm。その差は221mmでしょ。
林：
そんな少なくないんだ。
増田：
12月に200mmぐらい降ったこともあるので、もしそれぐらい降ると追いつくということですよね。11月時点で揃えると平年1541mmだから164mm少ない。
林：
ノルマとしてはそんな
増田：
それぐらいだったらがっつりした低気圧が2回くれば追いついちゃいますからね。
西村：
雨の多い年に比べたらちょっと少ないと思うかも
増田：
実は年間のトータルの降水量って長期的に見てそんなに変わってないんですよね
西村：
ほー
増田：
でも大雨って増えてるんですよね。1時間に50mmとか80mmとか。1日で200mmとか
大雨の回数は明らかに右肩上がりになっている。でも年間のトータルの降水量はそんな変わってない。ということは…
林：
ドカッと豪雨が多い
増田：
一方で…
西村：
降らない期間も増えている
増田：
無降水日も増えている。気候変動で地球温暖化すると極端化していくだろうと言われますけれども、実際そういう雰囲気はもしかしてちょっと出てきてるんじゃないのかな、っていうのは心配なところですよね。
寒気が来ると寒い、来てなくても雨が降ると寒い
西村：
12月に雨は降りますか？
増田：
12月にしては結構降るね、ってなるんじゃないかなと。12月10日の週も2回ぐらい低気圧来そうなので。冬に1週間で2回低気圧が来るって珍しいですよ。
冬型が続くと低気圧が来る隙ってあんまりないんですよ。
林：
冬に雨が降るっていうのは寒くない証?
増田：
ある意味、兆候ではあるんですけど。でも降ったら寒いじゃないですか
西村：
降ったら寒いんですよね
増田：
難しいんですよね。さっきの高層天気図で上空1500mの気温だけで見てたら、暖冬ってなるんですけど。地上はまた別の話で曇ったり雨降ったりすると寒い。
林：
高層の温度が高いと低気圧がやってきて雨が降って下が冷える。
西村：
水で冷やされるというところですよね
増田：
上空の寒気が強いとあったかい空気なんか上空に来ない。雨も降らない、でも寒い。
地上のほうが寒いと地面が凍る
林：
地上の温度がセオリー通りじゃない場所はあるんですか
増田：
あります。冷たい空気がたまっていて上空より地上の方が気温が低いということがある。
林：
そんな場所があるのか
増田：
そういう場所だと、上空2000～3000mから降ってきた雪が1500mくらいで0℃超えて溶けて雨になって、それからまた下に行くと冷えてもう1回凍る。凍雨といって丸っこい氷になります。
林：
見てみたい
増田：
ほかにも1500mくらいで溶けて雨になるんだけれど、かなり冷えている水の状態で、地上についた衝撃で凍る雨氷（うひょう）という現象もあったりして。この雨氷はすごくやっかい。本当にいたるところが凍るので。関東で大規模に起こったのが2003年1月4日だったかな。
いたるところが凍って高速道路もかなりの範囲で通行止めで、鉄道も架線が凍りまくって。
仕事始めが大混乱したことがありましたね。
林：
雨氷や凍雨が現れやすい地形ってあるんですか
増田：
冷たい空気が溜まりやすい場所なので盆地、あとはやっぱり関東平野。平野が大きいので冷たい空気が下の方に広範囲に溜まりやすい。
なかなか現れない現象なのでコンピューターは予想できない。立体的に組み立てて考えるしかないし、見たことも経験したこともないとなかなか言えないと思う。
林：
気象現象って20年に1回か10年に1回のものがたまにあるので、経験が長いことは大事ですね。
増田：
ですね。この冬、雨氷とか凍雨とかそんなニュースがあったら予言者と言ってください。
11月のクイズ
正解：5.3℃ 2023/11/26
近かったみなさん
5.2℃ 林
平年よりも高めというコンピューターの予測に抵抗したいので
5.1℃ すなけん
記事掲載のタイミングでちょうど超絶寒い日が出てしまったので、それよりもう少し寒くなるかな……ということで
5.5℃ 武井崇
このごろ結構寒いのでこれくらい行くかなと考えました。
4.9℃ ムスダン
突然一日だけガクンと下がる日がありそう。
4.8℃ メロポン
今週になって急に涼しくなりましたね。 14日の最低気温が5.9℃と、12月初旬の平均最低気温でした。今月中にもう一回くらい寒くなる日があると予想しました。
4.8℃ あさはま
今日(14日)よりも強く冷え込む日があるはず！
増田：
これみんな近いですよね
林：
記事の公開日が5.9℃だったんですよね。このままなんじゃないかっていう予想もあったのが、もう少し下がった。
増田：
みんな4℃台～6℃台に収まってる。みんなニアピンですね。0.1℃しか違わない人がいる！
林：
ありがとうございます！
増田：
やっぱりやればやるほどってことですね
12月のクイズ「12月の東京の最低気温をあててください」
回答はこちらから （締め切り：2023年12月16日23:59）
増田：
これは難しいんじゃないですか。暖冬の波をどう読み切るかですね。近年の数字だと…
2022年 -0.1℃
2021年 -2.2℃
2020年 -0.6℃
2019年 +2.2℃
西村：
基本マイナスぐらい下がるんですね。
林：
暖冬に惑わされちゃいけないんですよね。
増田：
そう、ガクンと下がる日があるし。南岸低気圧が来て雪までではなくても、みぞれとか降ったりとか。雪降ったら簡単に氷点下行っちゃいますからね。
ちなみに12月31日の平年は 1.9℃。これも平均ですから、30年間デコボコがあるわけで。今回当てなきゃいけないのはデコボコの下の部分ですからね
西村：
-1.5℃とか。１回くらいどんぴしゃ狙いたい。
林：
0.2℃くらい。ギリギリ氷点下いかなかったね、みたいな。
増田：
本気で当てにきてますね
林：
すごい寒くなったりしたら面白いですね
増田：
12月はあんまりないと思いますけど、1月は一気にモードチェンジの可能性はちょっとありますよね。
